住宅の外壁・屋根の塗装から外構工事まで請け負うプロ姫野勝

住宅の外壁・屋根の塗装から外構工事まで請け負うプロ

姫野勝

「この人にお願いしたい」と思われるよう、丁寧な対応と施工、当たり前を徹底

　1990年に創業した「姫野塗装」は、大分市を拠点に地域密着でサービスを提供。「ハウスサポート」という屋号を掲げ、主に住宅の外壁や屋根の塗装を請け負っています。

　「お客さまから、『この人にお願いしたい』と思っていただけるよう、迅速な対応と礼儀正しい振る舞い、丁寧な施工。そんな当たり前を大切にしてきました」

　そう語るのは、同社を立ち上げた代表の姫野勝さん。16歳でこの道に入り、以来40年にわたり実績を重ねてきたベテランです。

　「当方では塗装業に加え、2022年から新たに外構業も始め、現在は“二刀流”を強みにしています。どちらか一つだけではなく、両方を手掛ける会社は珍しいかもしれませんね」

　新規事業に乗り出したのは、外装を塗り替えた際、その出来栄えに満足した施主から建物の外回り“エクステリア”について相談されるケースが少なくなかったからだとか。「お客さまにしてみれば、別々の業者に頼むよりも、一社がまとめて引き受けてくれた方が楽なはず。そこで経験が豊富な職人を採用し、門扉や塀、駐車場などの新築やお手入れもトータルにお任せいただけるよう、体制を整えました」

　外構工事の中で、特に力を入れているのがローラーストーンの提案です。これは、岐阜県の土岐工業が開発した工法で、土間コンクリートに、石を乱張りしたような模様を自在に描くことができます。「当方は、大分県内で2社しかない認定施工店です（2023年3月現在）。本物の石のような高級感のある床面を作れますし、色の塗り直しも容易にできるので、お薦めしています」

創業間もない頃にした苦い経験から、技術だけでなく身だしなみや言葉使いにも配慮

　1967年、大分市に生まれた姫野さん。塗装の世界に足を踏み入れたきっかけは、3日間だけのつもりで始めたアルバイトでした。「ペンキ塗りで、誰にでもできるだろうと高をくくっていたのですが、はけの使い方や養生テープの貼り方が分からず、塗料の準備さえできない。とにかく怒られっぱなしでした」

　元来負けず嫌いで、「このまま何もできずに辞めたくない」と意欲をかき立てられ、気付けば独立するまでの7年間を、その会社で修行することになりました。

　従業員を率いる立場になり、今でこそ相手に失礼のない言動や身だしなみを重んじている姫野さんですが、かつては「きれいに仕上げているんだから、格好や言葉使いなんて関係ないと思っていた」と明かします。「お恥ずかしい話なのですが、独り立ちして間もない23歳の頃、私は自分の腕に自信があって、てんぐになっていました」

　しかし、考えが一変する出来事が起こります。ある日、いつも通り作業を終えて現場を後にしようとすると、施主から「技術は申し分ないが、服装や態度がよくない」と叱責されたのです。

　「すごくショックでしたから、強烈に覚えています。その後は徐々に依頼が減っていき、自分が間違っていたのだと深く反省しました」

　とにかくマナーのよい職人になろうと心に決めたところ、顧客との接し方が変わり会話がはずむように。「今では、工事よりもお客さまとお話しすることの方が楽しいとさえ感じるんですよ」と笑顔を見せます。

塗装業者からなるボランティア団体にも参加し、地域や社会に貢献

　姫野さんは、塗装を通じて社会貢献を目指す全国規模のボランティア団体「塗魂ペインターズ」の一員です。幼稚園や保育園、小中学校をはじめ、医療・福祉施設、文化財、公園など、さまざまな場所に赴いて、遊具や建物の内外装などを無償でメンテナンス。九州で活動がある際には、必ず参加するようにしているそうです。

　これまで数々の現場に携わってきた姫野さんには、忘れられない光景があります。2016年に発生した熊本地震後に、塗魂ペインターズとして同県の幼稚園を訪れた時のことです。「大きな被害を受け、大人から幼い子どもまで皆さん気分が沈んでいました。暗い気持ちを吹き飛ばし、少しでも元気になってもらいたいという一心で、外壁も内装も明るい色に塗り替えたのです。工事が終わった後、子どもたちは大喜びしてくれ、その様子を見た園長先生は涙を流しておられました。自分たちの力は人の役に立つのだと改めて実感しましたね」

　自社の業務としては、従来、大分県内全域を対象にしてきましたが、今後は事業所からさほど時間をかけずに行ける範囲に営業エリアを限定する方針です。「お客さまのご自宅へ行って帰るだけで半日を費やす場合もありました。時間を確保できずに他のお客さまをお待たせする機会が多々あり、申し訳なく思っていたのです。これからは、地元に恩返しをするつもりで仕事をしていきたいですね」

　ここまで支えてくれた地元への熱い思いを胸に、姫野さんは一つ一つの案件に誠実に取り組みます。

（取材年月：2023年3月）

地域密着で塗装と外構工事の“二刀流”で事業を展開

「この人にお願いしたい」と思われるよう、丁寧な対応と施工、当たり前を徹底

創業間もない頃にした苦い経験から、技術だけでなく身だしなみや言葉使いにも配慮

塗装業者からなるボランティア団体にも参加し、地域や社会に貢献

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