お米本来のうまみを引き出す米粉製粉のプロ
中俣政利
Mybestpro Interview
お米本来のうまみを引き出す米粉製粉のプロ
中俣政利
#chapter1
「当社の米粉の強みは吸水性と保水性です。水分を含みやすいので、しっとり、もっちりとした食感を生み出し、小麦粉に比べ油を吸収しにくい特性があるので天ぷらや唐揚げがカラッと仕上がり、食卓を彩るおいしい一皿が出来上がります。また吸水性・保水性が高いので作ったものが1日で水分がとぶことはありません」
そう語るのは、南魚沼市の「インターウィンドウ」代表の中俣政利さん。2008年から米粉の製造・販売を手掛けています。
「当社では、日本の食品表示基準で定められた7大アレルゲンを使用しない専用ラインを整備し、安全性には十分に配慮しています。原料には南魚沼産のコシヒカリを採用し、甘みのある深い味わいがプロの料理人たちの間で評価され、大手ホテルチェーンと取引するほか、地元の菓子店や飲食店からも引き合いがあります」
焼き菓子や揚げ物など幅広い用途で重宝されるプレミアム米粉「うおぬま小町」や、炊飯時に食物繊維などの栄養価をプラスする「玄米が奏でるひとさじの魔法」を用意。オンラインショップを通じて個人客にも販売しています。
「良いお米を使えば良い米粉ができるわけではありません。米粉には、粘りやコシを生む網目構造のグルテンがなく、時間がたつと水分が逃げやすい性質があります。詳しくは企業秘密ですが、特殊な製粉機で粒子の角を丸く削り落とし、表面をなめらかにすることで吸水の均一化を図り、お米が持つうまみやみずみずしさを引き出しています」
手間暇をかけるため大量生産はできませんが、効率や量ではなく質を追求。ある著名なシェフから「ちゃんとお米の味がする」と言われたこともあり、品質には自信を持っていると胸を張ります。
#chapter2
中俣さんは1959年に南魚沼市で生まれました。地元の高校を卒業後、自動車販売会社に入社し、部品のセールスとしてキャリアをスタート。顧客に提案する営業を得意とし、優れた営業成績を収めていたそうです。
「越後湯沢にある、スキー場の運営会社へ転職してからも引き続き営業に従事し、約20年にわたり勤めた後、2005年に『インターウィンドウ』を設立しました。『インター』とは『相互』を意味し、『ウィンドウ』は窓口です。地域の資源を大勢の方に知っていただく窓口になりたい、という思いを社名に込めました」
ゲレンデの集客を促すなど前職の知見を糧に、観光関連の事業を始めるべく、志をもって起業しますが思わぬ壁に直面。パートナー予定の知人が諸事情で会社を去り、事業計画が白紙になりました。
「自分1人で、ゼロから新規ビジネスを立ち上げることになりましたが、不安はありませんでした。サラリーマン時代から、チームで動くよりも1人で業務をこなす機会が多く、自分の裁量で物事を進める経験が大いに役立ちました」
地域振興に取り組む中、独立から3年目に着手したのが製粉事業でした。米粉の製造機器に出会い、試しに使ってみたところ、ごはんのような豊かな食味に驚いたと言います。
「口に入れたとたん、素晴らしい米粉ができたと興奮しました。何より、南魚沼産のお米を用いるので、地産地消により愛する地元へ貢献できることがうれしかったですね」
#chapter3
中俣さんのもとで導入している製粉機は、米だけでなくさまざまな農産物に対応できるのが特徴。独自の製法技術を生かし、新たな価値創造を見据えています。
「大豆や小豆、お茶、コーヒー、さらには生のシイタケを自社で仕入れて乾燥・製粉するなど、米粉以外も展開していくつもりです。『北限の茶処』として知られる、新潟県の北部で栽培される村上茶もあり、いずれも素材本来の風味を損なうことなく、口当たりの良い粉末をお届けしています。日々の献立やスイーツ、ティータイムの飲み物にご活用ください」
訪日客の増加などを背景に、日本茶の需要が急増しているのを受け、茶葉の製粉も受託。白米や玄米も受け付け、業務用、自宅用を問わず小ロットから請け負っています。
「今後は、農家さんからも依頼を承りたいと考えています。大規模な量でないと製粉を頼めないと思っている方がいるかもしれませんが、当社では1キロから相談可能です。自分たちが育てた作物で、料理やお菓子のような特産品を作りたいという声に応え、地域を盛り上げていきたいですね」
生まれ育った故郷に寄り添い、多様なニーズを受け止める中俣さん。地元の名品・コシヒカリをはじめ地場産の食材の魅力を伝え、日本の食文化を世界に向けて発信していきたいと抱負を語ります。
「食農研究家の方に力を借り、カレーやスープといったレシピも紹介しています。パウダー状で手軽に扱える製品で、米づくりなどを支えていくことが私どもの目標です」
(取材年月:2026年6月)
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Profile
お米本来のうまみを引き出す米粉製粉のプロ
中俣政利プロ
製粉業
インターウィンドウ株式会社
原料には南魚沼産コシヒカリを使用し、特殊な製粉機で粒子の角を丸く削ることで、お米本来のうまみを引き出した米粉を製造。料理人からも支持され、大手ホテルチェーンなどへの納入実績があります。
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