「噛み合わせ」から健康へ導く「健口」のプロ
西田英治
Mybestpro Interview
「噛み合わせ」から健康へ導く「健口」のプロ
西田英治
#chapter1
院長の西田英治先生は小さな頃から医療に携わりたいと考えていたのですが、血を見るのが苦手で…。細かな作業が好きだったこともあり、血を見ないで済む(であろう)歯科医師を目指すようになりました。九州大学歯学部、さらに長崎大学歯学部大学院へ進学し10年にわたって「歯」の大切さを学んできた西田先生。「歯を失う最大の原因は歯周病です。今や成人の80%が歯周病と言われています。歯周病は歯を支える土台となる骨を溶かす病気。歯を支えられなくなれば、よく噛むこともできなくなり健康な身体を維持することも難しくなるのです。大学院では主にこの“歯周病”の研究に取り組んでいました。当時はまだ歯周病が脳梗塞、心疾患など全身に影響を及ぼすといった話は一般的ではありませんでしたが、研究の最前線にいるとそうした情報がいち早く集まるのです。それを皆さんに伝えなくてはと考えていました」。歯科医として開業することを目標としていた西田先生ですが、研究者としての実績も認められ「日本歯周病学会」から奨励賞を授与されています。熱心に研究に取り組み、研究の結果、成果を患者さんへと還元する…西田先生を支えているのはこうした真摯な姿勢です。
#chapter2
にしだ歯科医院では、虫歯、歯周病の予防、治療といった一般的な歯科医療の他に、「噛み合わせ」に注目しています。
「人間の身体は基本的に左右対称であり、バランスが整った状態がベストです。ですから、何らかの理由で歯を失い片方ばかりで噛むようになった場合、そのひずみが全身に影響を及ぼすことは想像に難くありません。歯が全部揃っていても歯並びが悪く上手く噛み合っていない場合も同様です。原因の分からない頭痛、肩こり、腰痛など、噛み合わせを疑ってみてもいいかもしれません」。
頭部にズレが生じれば、そのバランスをとるべく首、肩、腰など全身に負荷がかかるのは当然の話。「顎関節症(アゴが鳴る、口が大きく開かない、アゴが痛む)で来院される患者さんを診察すると、噛み合わせに問題があることが多いですね。噛み合わせはちょっとした生活習慣で良くも悪くもなります。うつぶせで寝る方は歯に負担がかかりやすく、歯並びに影響が出ることがあります。姿勢が悪いと噛み合わせが悪くなることもありますし、噛み合わせが悪いために姿勢が曲がることもあります。柔らかいものばかり食べて咀嚼(そしゃく)が少ないと、やはり良くありません」。西田先生は、顎関節症や不定愁訴(原因の分からない不調)などで来院した患者さんから、生活の様子をこと細かに聞き出します。さらに、通常歯科医院には置いていないアゴの動きを見る機械や、身体のバランスを計る機械、頭の骨まで写す特殊なレントゲンなどを駆使して、噛み合わせの状態を探るのです。噛み合わせに問題があると分かれば、そこから治療法を検討し、患者さんの意向を反映しながら進めていくことになります。
#chapter3
「歯科医ではないお医者さんも言っていました。“健康も病気も口から始まる”と。健康でいるための食事も口から入りますし、インフルエンザなどの病原菌も口から侵入します。口というのは、健康の入口であり、砦なのです」。確かに、栄養のあるものをしっかりと噛んで食べること、それは健やかな生活の原点です。そのためには健康な歯、バランスの良い噛み合わせが欠かせません。「歯はとても大切な臓器の一つです。それなのに、みなさん歯が1本2本なくてもあまり深刻に考えませんよね」。西田先生は嘆きます。自分の歯が1本でも欠けるということは、身体の大切な一部を失うということ。小さな歯であっても、身体に与える影響の大きさは計り知れません。だからこそ西田先生はおっしゃいます。「歯科医ともっと密な関係を築いてほしいです。虫歯だから行く、治療が終わったから行かないのではなく定期的に歯の様子を見てもらうということが大切です」。シニア層の「リタイア前にやるべきだった…後悔トップ20」の断トツの1位は「歯の定期検診を受ければよかった」。歯と口が健康の入口だと、年齢を重ねた人ほど実感しているということです。西田先生は「健康」は「健口」から始まることを、一人でも多くの人に知ってほしいと願っています。
(取材年月:2013年8月)
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「噛み合わせ」から健康へ導く「健口」のプロ
西田英治プロ
歯科医
にしだ歯科医院
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