日本料理の匠の技で家庭料理や未利用資源の可能性を引き出すプロ
丸山大輔
Mybestpro Interview
日本料理の匠の技で家庭料理や未利用資源の可能性を引き出すプロ
丸山大輔
#chapter1
「一番だしは、火加減に注意しながら丁寧にアクをすくう。ほんのひと手間で雑味がなくなり、いつもの料理がぐっと味わいを増します」
そう話すのは、長野市の「日本料理 悠善」の料理長・丸山大輔さん。東京・赤坂の料亭で料理責任者を務め、数々のコンクールで受賞歴も誇ります。卓越した技能と優れた指導力を有する人材として長野県知事が認定する「信州ものづくりマイスター」として、調理の実技講習や食育、メニュー開発などにも力を発揮しています。
「市内の小中学校へ出前授業なども実施しています。子どもたちが食に対して興味を持てるよう、みんなで協力して作る連帯感、自分でできたという達成感や自信を得てもらうことを大切にしています。ニンジンを花びら型に切り、立体的に飾り切りを施すねじり梅のような、お家で自慢したくなるテクニックも手ほどきします」
大人向けには、肉じゃがにスパイスや牛乳を加えるなど、身近な家庭料理のアレンジを伝授し、忙しいママに「安くて簡単、かつ本格的な調理法」もレクチャー。今後は親子の料理教室も視野に入れているとか。
食品、家電メーカー、スーパー、生産者といった事業者では、商品開発に対応。炊飯器など電気調理機器を使った献立も手掛け、丸山さんが監修し、プロの知見やアイデアが光るワンランク上のレシピは企業のホームページや店頭で公開されています。
「40年近く培った日本料理の技術と知識を強みに、食に関わるサポートをしています。作って楽しい、食べておいしい、周りにも教えたくなるノウハウを共有しますので、気軽にお声がけください」
#chapter2
学生時代に地元・長野のすし店でバイトしていた丸山さん。パリッと香ばしいうろこせんべい、骨だしのうま味が溶け出した吸い物、魚のあらを使った濃厚なコクの煮物などを通じて、素材をあますことなく生かし、多様な風味を引き出す技や知恵に感動。料理の奥深さに目覚め、道を究めるべく上京を決意しました。
東京では、老舗料亭やホテルを中心に修行に励み、27歳で花板(料理長)に就任。大手テレビ局の料理番組や雑誌でも活躍し、業界の最前線で腕を磨きます。
「経験を積む一方で、四季折々の季節感や、採れたての食材の鮮度や持ち味が感じられないことに違和感を覚えました。特に子どもを自分と同じように自然の中で育てたいと考えるようになり、2004年に長野へ戻りました」
帰郷後は、長野の人々の味の好みを体得するため市内の割烹で働き、コンテストにも挑戦。2005年に長野県調理師会による県大会で長野県知事賞、2006年に日本料理研究会主催の全国大会で農林水産大臣賞を受賞しました。手腕を買われ、中国の五つ星ホテルの料理顧問兼調理アドバイザーとなり、現地で中堅や若手の育成にも従事。世界の広さを実感し、西洋の食材や技法を和食に取り入れたり、洋に和の要素を掛け合わせたり、柔軟な発想力も養います。
「2007年4月、『アクアフードジャパン』を設立し、同年6月に念願だった自分の店をオープンしました。会社を立ち上げたのは、食という営みがもたらす意義を広く伝える事業を展開したいと思ったからです」
#chapter3
山海の幸を用いた懐石コースやおばんざいで来客をもてなす丸山さん。食材を無駄にしないため、規格外野菜や、葉や茎のような端材など、廃棄されてしまう未利用資源を財産と考え、再利用へ。農林水産省認定の地産地消の仕事人や、信州6次産業化推進協議会のイノベーションプランナーとして、活用促進にも取り組んでいます。
「家庭菜園の収穫物や山歩きで摘んだ山菜、趣味で釣った魚などを『悠善』に預けてもらえば、プロの味付けや盛り付けで特別な一品に仕上げます。野菜の京風炊き合わせや天然魚の舟盛り、地場産のスイカで怪物をモチーフにしたフルーツポンチを作ったこともあります。お客さまに大変喜ばれ、記念日にもおすすめです」
業者に向けて、育ちすぎや不ぞろいで市場に出せなかったり、売れ残ったりしたものをシチューやドレッシングに加工するなど、作物を活用する方法を提案。食品メーカーや農家に、ぜひ相談してほしいと呼びかけます。
「長野県民が長寿なのは、野沢菜やしば漬け、梅干しといった発酵食品が寄与していると言われています。近年は生産量が落ち、食卓に上る機会も減っているようなので、漬物を調味料としてサラダやカルパッチョに応用するなど、長野の特産品の可能性も開拓していくつもりです」
丸山さんの企業理念は、人と人、人と企業、企業と企業をつなぎ地域を盛り上げること。「絆を深めて皆さんと一緒に日本の食文化を守るとともに、食の新たな価値を創出していきたいですね」と語ります。
(取材年月:2025年12月)
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Profile
日本料理の匠の技で家庭料理や未利用資源の可能性を引き出すプロ
丸山大輔プロ
料理人
株式会社アクアフードジャパン
東京の料亭で料理責任者を務め、中国の五つ星ホテルでは顧問として後進の指導に携わる。プロのひと手間で家庭料理や未利用資源、地元食材の可能性を引き出し、食育や地域にも貢献しています。
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