PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

独自の音響設計を追求したレコーディングスタジオで、長野の音楽シーンを活性化

音質にこだわるスタジオ運営と音楽制作のプロ

柳澤翔

柳澤翔 やなぎさわしょう
柳澤翔 やなぎさわしょう

#chapter1

EMC電源と独自の音響設計で、プロの音楽制作に応える録音環境を整備

 長野県佐久市にある音楽スタジオ「FCM Studio」。代表の柳澤翔さんは、作詞・作曲を手掛ける音楽家です。楽曲を提供しているアーティストから録音の依頼が増えたことを機にスタジオを設立。音質にこだわり、プロの音楽制作に対応できる環境を整えたレコーディングスタジオとリハーサルスタジオを運営しています。

 録音環境の特徴の一つが「EMC電源」。オーディオ機材専用の分電盤や配線などを用い、電源に起因するノイズを抑えます。

 「都内の大手スタジオや有名アーティストのスタジオでも導入されている電源です。師匠のような存在である音楽プロデューサーから紹介を受け、採用しました」

 スタジオには、レコーディングブース、コントロールルーム、打ち合わせ用オフィスルームの3室を設置。録音と編集を行う2室は、それぞれの用途に合わせて音響を設計しています。

 レコーディングブースは、腰の高さを境に壁面の素材を使い分けています。上部には独自開発の吸音パネルを設置し、反射音を抑えてボーカルをクリアに収録。下部には天然の杉材を用い、アコースティック楽器の響きを生かします。コントロールルームも、吸音パネルの設置や専用マイクによる音響特性の測定を通じ、音を正確に判断できる環境を整えています。

 「録音したバンドが東京の音楽フェスへの出演を決め、音源のクオリティーの高さが決め手だったと聞いたときは、うれしかったですね」

#chapter2

オリジナル音響パネルの販売や、編集技術を生かした講師業も

 柳澤さんはスタジオ運営を軸に、さまざまなサービスを提供しています。その一つが、オリジナル音響パネルの販売です。もともと、自身のレコーディングスタジオに設置するために開発したもので、2026年から販売を開始しました。

 「大手スタジオに引けをとらない環境を目指し、さまざまな音響パネルを検討しましたが、コスト面も考えて、自分たちでつくることに。自作する海外のスタジオを参考に、素材や厚みを試行錯誤しました」

 住宅の断熱材としても使われ、幅広い音域の吸音に適した「ロックウール」を使用した音響パネルを、「TONEA Acoustic」のブランド名で展開。オフィスや自宅での音の反響が気になるという悩みに応えます。一つ一つハンドメイドで仕上げるパネルは、インテリアにもなります。

 作詞・作曲から録音、ミキシング、マスタリングまで一貫して対応し、企業などのテーマソングも制作。長野県社会保険労務士会のテーマソングは、YouTubeで約8万回再生されています(2026年10月現在)。

 「複数のデモ楽曲を提案したところ、気に入っていただき、ミュージックビデオも制作することになりました。約30人の社労士さんが出演してくださり、喜んでいただけました」

 また、個人向けにミキシング・マスタリング講座も行っています。音の判断力を身につけることを目指し、実践レベルのノウハウをレクチャー。専門学校の学生や学び直したいというシニアなど幅広い世代が受講しています。

柳澤翔 やなぎさわしょう

#chapter3

地元に本格的な録音環境を。長野の音楽文化を支えるスタジオへ

 音楽隊に所属していた曾祖父の影響もあり、柳澤さんにとって、音楽は幼い頃から身近な存在でした。小学生の頃は歌手に憧れ、中学生になると文化祭でギタリストとしてバンド演奏を経験。ここから音楽活動を始めました。

 ライブハウスでアルバイトをしていた頃、音楽関係者から「音楽でやっていくなら、武器は2つ以上ある方がいい」との助言を受け、作詞・作曲にも挑戦。2022年から、「Flute-cmusic」として、アーティストへの楽曲提供を行うようになり、ローカルテレビ番組「ゆうがたGet!」で、提供した楽曲が1週間にわたって放送された実績もあります。

 レコーディングスタジオ設立の背景には、地元・長野で音楽活動に取り組める施設が少ないと感じていたことがありました。

 「私自身、身近に本格的なスタジオがあればよかったのにと思う場面がありました。長野県は、ギター工房が多いなど、音楽と縁が深い地域でもあります。地域の方々が気軽に使えるスタジオを運営し、長野の音楽文化を活性化させたいと考えています」

 コンセプトは「自宅のようにくつろげる」こと。利用者がリラックスし、歌唱や演奏で持てる力を発揮できる場所を目指しています。

 「録音環境など、歌唱や演奏の技術以外に起因するマイナスの要素を取り除き、音楽をリスナーに届けたい。プロ・アマチュアを問わず、『ここを使ってよかった』と言ってもらえる場所であり続けたいですね」

(取材年月:2026年10月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

柳澤翔

音質にこだわるスタジオ運営と音楽制作のプロ

柳澤翔プロ

音楽スタジオ運営

FCM Studio

音楽制作の現場経験を生かし、EMC電源と独自の音響設計を備えたスタジオを運営。クリアな音の収録を支え、作詞・作曲からミキシング、マスタリングまで対応。自社開発の吸音パネル販売や講座も手掛けます。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ信州に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または信濃毎日新聞が取材しています。[→審査基準]

MYBESTPRO