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企業の課題解決をサポートし、社長が経営に打ち込む時間を創出

リスク・トラブル・ネゴシエーションを支援する社外顧問のプロ

山下啓一郎

山下啓一郎 やましたけいいちろう
山下啓一郎 やましたけいいちろう

#chapter1

“病院の総合案内”のような存在を目指し、リスク、トラブル、ネゴシエーションをマネジメント

 「事業活動の中で、起こりうる事態を想定して備えるリスク管理、トラブルへの対処、関係各所へのネゴシエーションに特化して支援することで、社長さまが経営に打ち込めるようお手伝いします」
 こう話すのは、企業の困り事や要望に応じてフォローする“病院の総合案内”のような存在を目指す、宮崎市の「ケーズ・プランニング」代表の山下啓一郎さん。

 企業の社外顧問として、他社とのビジネス交渉や銀行など金融機関との折衝などをサポートするほか、もめ事の回避法についてもコンサルティング。事業には店舗などのハコモノが欠かせないことから、不動産事業も展開しています。

 山下さんはオファーを受けると、まずはじっくりとクライアントの話に耳を傾けます。場合によっては5時間に及ぶこともあるとか。
 「課題をアウトプットするだけで解決方法が出てくることもあり、相談のみの場合、費用は無料です。コンサルティングというより、カウンセリングですよね」と笑顔を見せます。
 親しみやすさを重視したコミュニケーションも山下さんのスタイル。悩み事の8、9割は会社内の人間関係についてで、特に親族経営の小さな企業でその傾向は強いそうです。

 「とはいえ、ただ傾聴するだけではありません。社長さまが抱く“自分は正しい”という錯覚を解くため、私が会社を営む中でおかした失敗や味わった挫折に基づいてアドバイス。時にはきついことも申し上げます。ただ数字を追うだけでなく、お客さまと相互理解を深めた上で、オンリーワンの仕組み、態勢をともに構築していきたいですね」

#chapter2

他社とのビジネス交渉の際、自社が有利になるノウハウを伝授

 取引先に自社商品を販売する際の単価や条件の設定など、ビジネスでは相手方との駆け引きが付きもの。企業間の上下関係や交渉力の差など、さまざまな要因が成否の鍵となることから、気をもむシーンでもあります。
 山下さんは、利益にも直結する場面でクライアントが有利になるノウハウを伝授。状況によっては、自ら交渉の場に立つこともあります。

 「営業力や経理面のスキル、部下のマネジメント能力に優れている経営幹部でも、必ずしも全員が交渉事を得意としているとは限りません。トラブルが発生した際もトップが矢面に立たず、“餅は餅屋”の考え方で当方を頼っていただければと思います」

 幅広いネットワークを生かし、クライアントに足りない要素を補ってくれる企業や自治体をアテンドできるのも山下さんの強み。社長が全ての業務を抱え込むのではなく、一部を社員や第三者に任せる“アウトプット経営”を実践してほしいと言います。

 「責任感強く、『全てを自分でやり遂げなくては』という方もいますが、一人では難しいでしょう。私は、各界のリーダーが集まるビズテリア・クラブ、SDGs(持続可能な開発目標)を推進する国連支援交流協会などに参画しており、人脈の中からパートナーやファミリーとなり得る企業をご紹介いたします」

 自身の仕事を「10年間の砂時計」に例える山下さん。「落ちてゆく砂のように、10年のあいだにいろんな知見を企業に注ぎ込み、次の世代にバトンタッチしていくのが、私の役割」と語ります。

山下啓一郎 やましたけいいちろう

#chapter3

廃業の危機を周囲の支援で乗り越えた経験を、起業を目指す若者にも共有

 山下さんは、父をはじめ親族に経営者や自営業者が多く、小学生の頃から漠然と「社長になりたい」と思っていたそう。
 「まずは就職し、営業でいい成績を収めることができたのですが、病欠明けに出勤すると席がなくて。これを機に社長への夢が再燃し、身を置いていた不動産業を軸に会社を立ち上げました」

 しかし資金繰りなどを知らずに創業したこともあり、軌道に乗らず、最初の5年間は地獄のような日々を送ります。
 「一時は廃業も考えたほどでしたが、『前を向くしかない』と声を掛けてくれた父親と、私を見かねて手を差し伸べてくれたある女性経営者のおかげで、活路を見いだすことができました」

 女性経営者の元で、家賃回収や紛争の解決、反社会的勢力の排除などの難しい案件をこなし、1000万円を超えた借入金も完済しました。
 「紆余曲折した道のりを糧に、社外顧問業を始めることにしました。あの頃があるから、今の自分があるのです」

 山下さんは、東京都にある「電子学園 iu 情報経営イノベーション専門職大学」の客員教授にも就任。起業を志す若者たちに経験を語り、「準備を怠らなければ、たとえ苦境に立たされても乗り切ることができる」とエールを送っています。

 60歳までの期間を企業家人生の集大成と位置づける山下さん。現在は廃校を活用し、魚の陸上養殖や無農薬の水耕栽培に取り組む構想を練っています。
 「人やアイデアを世界から集めることで、地方活性化のストーリーを紡ぎ、次代へとつないでいきたいですね」

(取材年月:2023年7月)

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山下啓一郎

リスク・トラブル・ネゴシエーションを支援する社外顧問のプロ

山下啓一郎プロ

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有限会社ケーズ・プランニング

企業内の人間関係の悩みなど、経営者が抱えているさまざまな問題について豊富な経験からアドバイス。他社との交渉や金融機関との折衝の場に立ち、リスク回避法をマネジメントします。

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