子どもの可能性を伸ばす幼児期教育のプロ
柚木﨑雅文
Mybestpro Interview
子どもの可能性を伸ばす幼児期教育のプロ
柚木﨑雅文
#chapter1
わが子の保育園選びで、「ノウハウが豊富な園に子どもを任せたい」「子どもの可能性を伸ばしたい」という保護者は多いのではないでしょうか。
東諸県郡国富町の「もりながこども園」は、1966年に開所。保育所として50年以上の歴史があり、先進的な幼児教育もかなえるべく、2020年に認定こども園へ移行しました。
「私どもは、子どもが主体的、能動的、そして協同的に学ぶことで、人生を豊かにする上で欠かせない『非認知能力』の向上を目指しています」と園長の柚木﨑雅文さんは話します。
園では、同じ年の子が集まる学年ごとのクラス活動のほかに、3~5歳児で編成されたグループ活動(プロジェクト型学習)を実施。園行事の準備などを異年齢の子たちが一緒に行うのもので、主体となるのは園児たち自身です。
「子どもが能動的に学習する手法『アクティブ・ラーニング』に沿って、毎回一つのプロジェクトとして進めます。先生から一方向的に教えを受ける受動的学習法に対し、子ども自らが考え、友達と対話しながら、気づいたことを発展させていけるのが大きな特長です」
例えば夏祭りに向けて、各グループでおみこしを制作するプロジェクトでは、どんなおみこしにするか園児がアイデアを出し、話し合いと試作を重ねながら形にしていきます。
「作っている時に壊れたり、うまくいかない場面が出てきたりしますので、園児を励まし、失敗に対してどうしたらいいかを考えさせます。そこから得たヒントをもとに工夫し、作り直すなど、ブラッシュアップしながら完成させていきます」
#chapter2
活動のねらいは、自分で問題を解決する力や、目標に向かってがんばる力、他者と関わる力、感情をコントロールする力などを習得することだとか。
「学校のテストなどでは測れない、『生きる力』とも呼ばれる非認知能力が備わっていると、困難に直面しても柔軟に対応できると言われます。メンタルが強いかどうかではなく、思考力の問題だと私どもは捉えています」
導入のきっかけは、従来の日本の教育に対する素朴な疑問でした。「各国の学力調査や幸福度調査で、日本は学力が高いのに幸福度が低く、国の競争力も下がっていることに懸念を感じました。子どもたちは一生懸命勉強しているのに、結果に結び付いていない。それならば、海外で実践されている方法を取り入れてみようと思い至りました」
新しい人材育成手法として注目される「STEAM(スティーム)教育」にも取り組む柚木﨑さん。STEAMは「「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「アート(Art)」「数学(Mathematics)」の頭文字。論理的・科学的な考え方を身に付けながら、ブロックやロボット、プログラミングなどを用いて自由な表現、発想を促していくそうです。
「テーマを『おうち』とした場合、『おうちは何のためにあるんだろう』と園児が意見を出し合うところから始まります。熱帯地域の高床式の家やモンゴルの移動式の家、日本の合掌造りなどを調べ、なぜ形が違うのか、周りの声を聞きながら、その一帯の気候や地形などについても検討します」
#chapter3
「そして、童話『三匹の子豚』を題材に家の素材や構造を考え、ブロックを使って作りたい家を実際に組み立てることもあります。車や道路も配し、最終的に大きな街を形成します。一つのテーマを探求し、創造する中で課題を発見し、解決策を見いだせるよう導くのがスティーム教育。学ぶ楽しさ、話し合う面白さが感じられるので、親御さんからも『自分がこういう勉強をしたかった』と大変好評です」
外国人講師による英語レッスンや、農家での収穫体験、園の畑やプランターで野菜を育てて食す食育、同じ法人が運営するデイサービスとの交流などにも力を入れています。
保護者に向けては、「おむつ手ぶらサービス」を用意。サブスクのようなシステムで、業者から直接、園に紙おむつが届くため、家庭から持って行く手間がなく、使用済みのものも持ち帰り不要です。
「以前は、おむつに1枚1枚名前を書いて持参してもらっていました。園としても、お子さんごとに枚数を管理する必要がなくなり、互いに負担が軽減しました」
園と保護者をつなぐアプリサービスは、欠席の連絡をスマートフォンで簡単に行えるほか、園での子どもの様子や、行事予定、園便り、成長記録などもスマホで見ることができます。
「モットーは『みんなで意見を出し合い、つくること』で、子どもたちが日々成長していくことが喜びです。幼児期は好奇心旺盛でどんどん吸収していく時期。幼児教育の大切さを全国に発信できる園にしていきたいですね」
(取材年月:2022年7月)
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子どもの可能性を伸ばす幼児期教育のプロ
柚木﨑雅文プロ
こども園園長
もりながこども園
保育所として開所し50年以上。子どもが主体的、能動的、協同的に学ぶ先進的な教育で、非認知能力の向上を目指します。おむつ手ぶらサービスやスマホアプリなど、保護者の負担を軽減するサービスも充実。
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