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Mybestpro Interview

サッカーを通じて、努力を重ね達成するねばり強さとチャレンジ精神を育成

小学生から中学生までを対象にしたサッカーの指導のプロ

清水則吉

清水則吉 しみずのりよし
清水則吉 しみずのりよし

#chapter1

独自の基礎練習で個人技を磨き、ドリブルとパスワークを駆使し独自のスタイルで選手育成に挑戦

 「当クラブに入った子どもたちはサッカーがうまくなります」と熱を込めるのは、「フォルトゥナ延岡フットボールクラブ」の代表・清水則吉さん。

 宮崎県延岡市で、小学生から中学3年生までを対象にサッカークラブを主宰。個々の体力や体格に関係なくスキルアップを図り、仲間と協力することでチームワークを醸成しています。

 「当方では、独自の基礎練習をクリアしてもらうことが特徴の一つです。例えば、長座の姿勢で頭にボールを乗せ、1回転して立ち上がる(オットセイ)、リフティングのインサイドとアウトサイドを両足で50セットするという内容です。ハードだと思われるかもしれませんが、クラブを発足して以来、全員が達成しています」

 子どもたちに乗り越えるべき壁を用意しているのには、狙いがあると話します。

 「1年目から努力する習慣を身に付けることが重要なんです。簡単なことではありませんが、努力すれば必ずできるようになります。やればできるんだと分かれば自信になりますし、ねばり強く取り組むチャレンジ精神も養われます」

 12歳以下で構成するジュニア(U-12)では試合を通じて実践を積み、15歳以下のジュニアユース(U-15)では戦歴を重ね、県内の大会でチャンピオンになり、九州大会に出場するなど実績を蓄積。卒業生は県内外の強豪高校に進学しています。

 フィールド内では何をするかよめないドリブルをはじめとする個人技と、ボールを変幻自在に回すパスワークにこだわった練習を取り入れ、他のチームでは「フォルトゥナの子たちは本当にうまい」と評判になっているそうです。

#chapter2

いい選手を育て、地元に残して高校につなげたいとの思いでクラブを発足

 清水さんは中学からサッカーを始め、宮崎県立延岡高校を経てサッカーの専門学校に進みます。

 「専門学校2年の時の先生はブラジルに留学したことがあり、高校サッカーでも有名な方でした。ひたすら走ってリフティングする練習ばかりさせられ、ものすごく厳しかったんです。60人ぐらいいたメンバーが12、3人に減りましたが、僕は必死で食いつき、テクニックを習得しました」

 20代半ばで母校の延岡高校でコーチに就任し、指導者としてのキャリアをスタート。県立高校でありながら私立と変わらないメニューをこなし、県大会でベスト4に進出できるほどの実力をつけます。

 「県内トップレベルの学校に6―0で負けて準優勝になったことがあり、これが僕の分岐点になりました。いい選手を育て、地元に残して高校につなげたいという気持ちが芽生え、フォルトゥナを立ち上げました」

 2007年のクラブ開設から着実に実績を積んできた清水さんですが、その歩みは順風満帆ではなかったと振り返ります。

 「最初の4年間は、当方の練習方針を親御さんに理解していただくのに苦労しました。個々の技術が高まると、今度はチームとして勝ちたいという思いが強くなります。『いつまで個人に特化した練習を続けるんですか?』と聞かれることもありましたね」

 個の力を発揮することがチーム力を最大化するという信念を貫き、次第に保護者の間で浸透。現在では「わが子を成長させるならフォルトゥナに」との声が届くようになりました。

#chapter3

OBが指導者として帰ってくるフォルトゥナ プロ選手輩出が目標

 フォルトゥナには男子だけでなく女子も参加しており、OGには女子のプロサッカーリーグに所属するヴィアマテラス宮崎や男子OBもドイツリーグで活躍している選手もいます。

 「当方では男子と女子が一緒に練習します。男子の中で育ってきた女子選手が欲しいとおっしゃる監督さんも多く、彼女たちの頑張りを評価してくださることはうれしい限りです」

 OBやOGの中には、指導者としてクラブに帰ってきた人もいると言います。

 「もともとうちは卒業した子たちがよく近況報告に来てくれていました。現役の子たちにプレーを教えたりする中でコミュニケーションを深め、関心を寄せてくれていたんでしょうね。大人になって自分の子どもをフォルトゥナに入れてくる子もいます。先輩から後輩、親から子へと縁を紡いでいけたらと願っています」

 ピッチでボールを追うごとく、子どもたちが夢に向かって懸命に走る力を伸ばす上で大事にしているのは経験だとか。

 「たくさんボールに触れて失敗や成功を味わい、遠征などでいろいろな場所に赴く中で視野を広げてほしいと思っています。当方では個人技を磨く指導をしていますが、自分で考えて行動できるようになると、仲間と連携する意義が分かりチームワークの大切さを学ぶことができます。当初は地元に残すというプランで立ち上げたクラブですが、今では県内外の強豪から声をかけていただき進路の幅も出てきてます」

 サッカーを通じて、子どもたちの強くしなやかな心身を育む清水さん。「私どもの考え方に賛同してくださる保護者と子どもたちの可能性を引き出し、男子のプロ選手も輩出したいですね」と展望を語ります。

(取材年月:2024年6月)

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清水則吉

小学生から中学生までを対象にしたサッカーの指導のプロ

清水則吉プロ

サッカー指導者

NPO法人フォルトゥナ延岡フットボールクラブ

努力を重ねることや、習慣化の大切さを身に付けさせ、サッカーの個人技を伸ばすことに注力。一人一人、多くボールに触れる経験を作り、試合でチャレンジさせ失敗と成功を積み上げながら成長できる環境を提供します。

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