現場経験豊富なトンネル工事のプロ
小城隆展
Mybestpro Interview
現場経験豊富なトンネル工事のプロ
小城隆展
#chapter1
「当方では、主にトンネル工事における仕上げ工程を担っています。掘削後に湧水箇所を防ぐ防水シート工、コンクリートを打設して坑内の形状を整えるほか、トンネル底盤の施工など内容は多岐にわたります」
こう話すのは、宮崎県東臼杵郡に拠点を構える「展城工業」の代表・小城隆展さん。北海道から沖縄県まで、依頼があれば全国各地を飛び回り、常時、複数の現場を同時進行させています。社内には、トンネル基幹技能士や土木施工管理技士、鉄筋施工管理技士など専門性を備えた人材が多数在籍し、従業員数は60人を超えます。
「美しく丁寧に仕上げる技術や、周りに失礼のない礼儀は当然必要だとして、大切な事は感謝の気持ちと責任感です」と小城さん。トラブル発生時には、即座に向かうと言います
「『こうしてほしい』と要望を受けた際も、単に言われた通りにするのではなく、作業の精度を高めるためにより良い方法を探し、提案することを心掛けています」
トンネル工事は、常に落盤や落石といった重大災害の危険が付きまといます。小城さんは、安全性に不安がある場合は、中断、中止する決断も必要だと説きます。
「山が『今日はもうやめておきなさい』と忠告してくれているのだと、そう解釈するようにしています。自然は自分たちの思い通りになりません。若い頃はそれが嫌でしたが、どうすればうまくいくか考え続けるうちに段々とのめり込んでいきました。地図に残る仕事ですから、非常にやりがいがあります」
#chapter2
小城さんは1965年、日向市に生まれました。OA機器の営業職を経て、29歳でトンネル掘削を手掛ける事業者に入社。以来、約20年にわたって実務を重ねますが、48歳の時に転機が訪れます。勤務中に突然めまいがして倒れ、病院で診てもらったところメニエール病と診断されました。
「内耳に発生した異常が原因の病で、耳鳴りやめまいがしたり、ある周波数の音が聞こえにくくなったりします。日常生活を送る上では問題ありませんが、お医者さんに施工関連に戻るのは難しいと言われました」
失意のうちに地元に戻った小城さんですが、一人親方として独立します。高速道路の草刈りなどを請け負っていたある日、一本の電話がかかってきます。「お付き合いのあったゼネコンの関係者で、私を見かけて連絡をくださったんです。病気について打ち明けたところ、『体への負担から掘削は無理だとしても、他の業務はできるでしょう。一段落ついたら、私が担当している現場に来てください』と声をかけてくださいました」
これを機にトンネル工事の世界に復帰した小城さん。現事業につながる仕上げ工程の監督をするようになります。「ありがたいことに、今までご縁があった皆さんからさまざまな案件を紹介していただきました。私たちにお任せくださる皆さんの期待にそうためにも体制を整える必要性を感じ、2014年に会社を立ち上げました。今では、共に汗を流してくれる仲間も増えました。会社は相互協力で成り立ちます。現在尽力している社員は頼もしい精鋭たちですよ」
#chapter3
「全ての言動が前向きな人」「人の嫌がることを率先してする」と周囲から言われることが少なくないという小城さん。こうした評価について、若い時の経験が役立っているかもしれないと語ります。
「30代前半の頃でしょうか、ものすごく厳しい所長についていましてね。私は『怒られ役』を拝命し、自分のミスだけでなく、他のメンバーの分も代わっておしかりを受けていました。8年間毎日のようにです」と苦笑します
一方で、気のゆるみが重大な事故になりかねない現場にあって、所長にはみんなの気持ちを引き締める狙いがあったのではないかと分析。「言っていることに筋が通っていますから、納得するというか。特段反発もしませんでしたね」と振り返ります。
工事が無事に完了した際には、元請け会社の人が涙ながらに「あれだけ怒られながらよく耐えてくれた」と労をねぎらってくれたそうです。「おかげで、少々のことではへこたれない性格になりました」と朗らか。たくましい精神力で、かつては同僚を、起業後は従業員を率いてきた小城さん。今後の目標として二つ掲げています。
「一つは海外進出です。現在、ブータンやスリランカ、カンボジアといった国々から来た人が当社で活躍しています。そこで、東南アジアを中心に事業を展開したいと思っています。彼らも母国で働きたいでしょうから、なんとか実現させたいですね」
二つ目は、福岡証券取引所への株式上場。10年以内の達成を目指し、まい進しています。
(取材年月:2022年8月)
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小城隆展プロ
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展城工業株式会社
掘削後、安全で美しいトンネルに仕上がるよう尽力します。突発施工が必要になった際も迅速に対応。顧客の要望をただかなえるだけでなく、よりよい方法があればそれを提案することを大事にしています。
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