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安全、環境、健康への配慮を軸に、荷物に込められた思いを真心で届ける物流サービス

健康経営と安全・環境への取り組みで物流を支えるプロ

菅内章夫

菅内章夫 すがうちあきお
菅内章夫 すがうちあきお

#chapter1

突発的な要望にも柔軟に対応する現場力。その土台となる健康経営の実践

 津市で1949年の創業以来、地域の物流を支えてきた「久居運送」。50年以上にわたり取引が続く顧客もおり、代表の菅内章夫さんは「強みである柔軟な対応力が評価されているのでは」と話します。

 「本社営業部と津北営業部の2拠点で事業を展開し、従業員は約70人、保有車両は55台。関西や北陸、中部地方を商圏とし、主に住宅建材や金属製品の輸送を担っています。長年のお客さまも多く、突発的な依頼にも対応できる現場力が信頼関係につながっています」

 顧客の要望を受けて倉庫業にも参入し、当初40坪だった保管スペースは1,500坪まで拡張。配送から在庫管理まで一貫して対応できる体制を整えています。

 「現在、当社の根幹にあるのは『健康経営』です。従業員が生き生きと働ける環境や制度を整えることで、安全運転や生産性の向上につながり、社内外のコミュニケーションも活性化すると考えています。『健康経営優良法人』の認定も2017年の制度開始時から取得し続けており、運送業界のイメージ向上にもつながればと思っています」

 具体的な取り組みは「健康診断と二次健診の受診徹底」「社内レクリエーションの開催」「永年勤続や無事故・無違反の表彰」「脈拍や睡眠時間を測るリストバンドの配布」「配偶者も含めた誕生日祝いの実施」など。さらに年代別の会議を開き、世代ごとの悩みや関心を共有できる場も設けています。

 「ここでまとまった意見は会社へ提案でき、労使で働きやすさについて考えています。目指すのは『地域で一番社員が健康な会社』ですね」

#chapter2

剣道と営業活動で育まれた人間力。経営危機を乗り越え、事業承継で5代目社長に就任

 菅内さんは津市久居で生まれ、小学生の頃から剣道に打ち込みました。高校時代には大会で好成績を収めるなど、競技を通じて心身を鍛え上げたそうです。

 「大学では商学部で、大型店舗の参入が地域商店街に与える影響を研究しました。当時はショッピングモールやスーパーマーケットの進出が盛んで、シャッター街の増加が社会課題となっており、両者の共存について考えていました」

 父がガスの保安点検や配管工事の事業を起業していたことから、卒業後は大手機器メーカーに入社。10年間にわたり、プロパンガスの卸売店や農協、都市ガス会社への営業活動に従事します。

 「お客さまに丁寧に向き合う姿勢など、社会人としての基礎を学びました。その後、父が創業した『久居運送』の従業員から『人手が足りず困っている』と連絡を受け、地元へ戻ることにしました。ところが会社の経営状態は厳しく、財務上の課題も次々と明らかになりました。事務員から『会社のお金がない』と打ち明けられた時は衝撃でしたね。預金を取り崩して経費に充てる準備をしたこともありました」

 組織の立て直しに向け、月次試算表を整備し、得意先との運賃交渉や経費削減などに取り組みました。その後、2003年に5代目社長に就任。一連の経験と事業承継の取り組みをまとめた著書『できる!!運送会社の事業承継バイブル』(エベイユ刊)も出版しており、「知見を広く共有することを大切にしている」と話します。

菅内章夫 すがうちあきお

#chapter3

Gマーク取得とESG経営を推進し、持続可能な物流の未来を築く

 「安全」が最も重要な柱の一つだと話す菅内さん。全車両に早い段階からタコグラフ(運行記録計)を導入し、得られたデータを基に速度管理などの安全対策を進めてきました。

 「業界でも早い時期からドライバーの定期的な適性検査を実施してきました。荷主の皆さまが運送会社を選ぶ際の指標となる『安全性優良事業所(Gマーク認定制度)』についても、2003年の第1回から認定を受けています。しかし、安全対策に終わりはありません。どれだけ取り組んでも十分ということはないと考えています」

 もう一つの柱が「環境」です。代表就任後にはグリーン経営(環境貢献型経営)に取り組み、排ガス規制への対応を見据えて車両ごとの燃費目標を設定し、燃費向上を目指しました。

 「エコドライブに関する内容を社員教育に取り入れ、燃料消費の抑制とCO2排出量の削減に取り組んできました。2009年には三重県版環境マネジメントシステム(M-EMS)の認証も取得し、現在も燃料や電力の使用削減に努めています。さらにSDGsや脱炭素の考え方を踏まえ、環境・社会・ガバナンスを重視するESG経営も推進しています」

 将来を見据えながらも、その原点にあるのは、高齢者の引越で感謝された経験です。一つ一つの荷物に込められた思いまで届けられる人、真心をもってほしいと社員にも願っています。

 「私は健康経営エキスパートアドバイザーの資格を持ち、自社の取り組みで培った経験を生かして、地域の中小企業からの健康経営や働き方改革に関する相談にも対応しています。電子書籍『健康経営で地域一番の会社を作る方法』でも事例を紹介していますので、参考にしていただければうれしいです」

(取材年月:2026年6月)

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専門家プロフィール

菅内章夫

健康経営と安全・環境への取り組みで物流を支えるプロ

菅内章夫プロ

一般貨物運送業

久居運送株式会社

「安全性優良事業所」の制度開始時から継続して認定を受けるほか、「三重県版環境マネジメントシステム」「健康経営優良法人」など安全・環境・健康に注力。人と安全、環境に配慮した物流サービスを提供します。

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