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Mybestpro Interview

洗練された外科スキルと先進的な医療設備で優しい獣医療を提供

心臓疾患やがん治療など外科治療に特化した獣医医療のプロ

平野隆爾

心臓疾患やがん治療など外科治療に特化した獣医医療のプロ 	平野隆爾さん
医療風景

#chapter1

愛犬が突然歩けなくなった経験が獣医を目指した原点に

 右京動物病院の院長、平野隆爾さんは子供の頃から犬や猫など、いろいろな動物とともに過ごしてきました。そんな環境に育つなかで漠然と将来は獣医になりたい、と考えていたそうです。大きなきっかけは愛犬のダックスフント小豆が5歳の時に、椎間板ヘルニアになったこと。椎間板ヘルニアの症状は突然始まります。
「昨日まで元気に散歩していた子なのに、急に歩けなくなるんです。後ろ足が動かなくなって、小豆自身もなぜ歩けなくなり、なぜ痛くなっているのかわからなくてパニックになっていました。私自身もどうしてやることもできず、すごく悲しかったのを憶えています」と当時を語る平野さん。

 その症状はグレードV。その頃、京都には椎間板ヘルニアの治療ができる動物病院がなく、平野さんは高度医療が受けられる大阪府立大学の獣医臨床センターへ小豆を連れて行くことに。治療の結果、後肢の麻痺が回復することはありませんでした。しかし、痛みは緩和され、小豆は家族の愛情と介護を受けながら十六歳と半年という長い生涯を幸せに生きることができたそうです。

「家族の愛情と覚悟があれば、動物たちは麻痺など気にせず強く頑張ってくれます。私たちは愛する家族の命を諦めてほしくありません。この病気で亡くなる子がいない世の中にしたいと獣医師を目指すことを決意したんです」
平野さんは猛勉強の末、小豆が治療を受けた大阪府立大学の獣医学部へ進学することになります。

#chapter2

難易度の高い外科治療に積極的に挑む平野さん

 獣医となった平野さんは2012年に生まれ育ったこの地で、右京動物病院を開業しました。開設時から志しているのは「動物にも飼い主様にも優しい医療」。そのコンセプトに沿って平野さんは自らの臨床経験を重ねていくことになります。

 海外や全国の様々な学会や大学などの施設で研鑽を積まれてきた平野さんは多彩な臨床経験を持っています。動物にも優しい医療を実現するために人医療や海外では標準となっているドイツのカールストルツ社の最新型デジタル腹腔鏡システムを導入。例えば避妊手術なら5mm程度の穴から内視鏡や手術器具を挿入して、内視鏡カメラからの映像を確認しながら手術をしていきます。超音波凝固切開装置ソノサージを併用し、縫合糸を可能な限り残さないのもポイント。手術時間も約30分ほどと短時間。数時間後には歩き回れるぐらい身体への負担も軽いため、即日退院が可能です。今では平野さんによる腹腔鏡手術を受けさせたいと、近隣ならず遠方からも患者が訪れます。

 動物にはなぜ自分が治療を受けなければならないのかを理解させることはできません。だから、手術も回復期も時間は短ければ短いほどいい。そして愛するペットと一緒にいたいと思う飼い主さんにとってもそれは同じだ、というのが平野さんの考え方です。

 愛犬が椎間板ヘルニアを患った経験がある平野さんは椎間板ヘルニアやそれに付随する進行性脊髄軟化症の緊急治療にも積極的に挑んでいきます。獣医師を志した原点がこの病気にあるのですから当然です。治療に取り組み始めたのは2014年から。その術後経過についてのクチコミや高い救命率を聞きつけ、鹿児島や新潟からも愛犬を連れた患者さんが訪れているそうです。

ICG併用レーザー

#chapter3

心臓外科手術など動物たちのためのより高度な医療を目指して

 外科治療を得意分野とする平野さんは全国で34人しかいない日本動物病院協会(JAHA)の認定外科医の一人です(2019年8月現在)。外科手術の成功率を高めるのは正確な診断。そのために2018年には最新型の16列マルチスライスCTを導入。MRIが必要な場合には近隣のMRIセンターと連携し、より精度の高い画像診断のうえ、手術計画を策定しています。画像診断の面でも読影技術のスキルアップに日々研鑽。画像診断専門医の協力を仰ぎながら、京都市内においても全国トップレベルの画像診断が受けられるようになっています。

 「動物にも飼い主様にも優しい医療」を現実のものとするため、平野さんは動物たちの高齢化に対応した医療にも意欲的に取り組んでいます。それががん治療と心臓外科手術。ヘルスケアが進んで長い生涯を送ることになったペットたちの命を脅かすのは人間同様、この二つの病気なのです。

 「がん治療に関してはICG併用レーザーを使った腫瘍摘出や温熱療法など今までも取り組んできました。並行して3年前から大学の心臓外科に定評のある先輩の動物病院に通い詰めて技術を習得したのが心臓外科治療。京都で心臓外科手術を行える病院は現在のところ、平野さんが経営する右京動物病院だけです。症例に合わせてカテーテルや人工心肺を活用し病気に挑みます。

 平野さんは今まで治療した症例をウェブサイトの症例紹介ページに多数紹介しています。そのページを見ると、その実績の多彩さに驚きます。愛するペットの病気に悩む方は一度、京都の右京動物病院を訪ねられてはいかがでしょうか。

(取材年月:2019年8月)

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平野隆爾

心臓疾患やがん治療など外科治療に特化した獣医医療のプロ

平野隆爾プロ

獣医

右京動物病院

動物の外科治療に特化した洗練されたスキルが魅力。治療は腹腔鏡手術などの低侵襲手術、椎間板ヘルニア、がん治療、心臓外科手術と多岐にわたる。CT画像診断を駆使した適切な手術計画で飼い主様にとっても安心。

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