音楽の楽しさを共有できるよう上達に導くプロ斉藤慶司

音楽の楽しさを共有できるよう上達に導くプロ

斉藤慶司

「最初の一歩」を踏み出すためのサポートを

　「レンスミュージック」の代表、斉藤慶司さんは、初心者でも通いやすい音楽教室を運営しています。自らもドラム講師を担当しており、楽器を触ったことがなくてもやってみたいという初心者や、歌が上手くなりたいという人たちに「最初の一歩」を踏み出すためのサポートをしようと2017年より開校しました。

「当教室のコンセプトは、音楽の裾野を広げることです。ライブハウスに来られる人や、音楽が生活の一部になっている人の中には『楽器に憧れはあるけれどやったことがない』『やってみたいけれど勇気が出ない』といった人が多いので、踏み出しやすい環境をつくりました」

　レッスン科目は、ドラム、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、サックス、トランペットで、小中学生から30〜40代を中心に幅広い層の生徒が通っています。マンツーマンレッスンの料金設定がお手頃で、楽器を持っていない人でもレンタルの楽器からスタートできます。レッスンスケジュールは曜日固定ではなく講師と直接月ごとに調整でき、無理なく続けられます。さらには、一つの楽器だけではなく複数の科目を選択できるオプションサービスも提供しています。

「初心者が大半ですが、過去に楽器を触ったことがある方やカラオケが好きな方なら、リズムを取ることに慣れていますので、年齢に関係なく上達は早いです。70代から始められる方もいます。発表会では、自身が習っているパート以外を講師がフルサポートするので、音楽の楽しさをより実感できます。複数の人間で楽しむことが音楽の醍醐味なので、セッションやアンサンブルイベントも精力的に開催しています」

音楽業界との距離を身近に感じてもらうために

　斉藤さんは小さい頃から音楽好きで、中学からギターをはじめ、高校では軽音楽部に所属。当時はドラムのできる人が少なく、バンドのメンバーから頼まれたことをきっかけにドラムの道に進みました。20代の頃にはミュージシャンとして精力的に活動し、並行してドラム講師を始めた斉藤さん。そんな中で「自分は教えることに向いている」と気づく瞬間があり、複数の音楽教室や専門学校で指導するようになりました。

　独立を考えたのは、生徒数の多かった教室が閉店になった際、生徒から「個人的に斉藤先生に習いたい」との要望があったことがきっかけでした。他の楽器もやってみたいという希望もあり、2017年、総合音楽教室を開校しました。スクールの開校にあたっては関西で活動するミュージシャンに対する応援の気持ちも込められていたそうです。

「関西の音楽の仕事は不安定で、僕自身も音楽で生計を立てられるようになったのは30代になってからです。レッスンは毎月生徒が来てくれるので比較的安定しやすい側面があり、ミュージシャンたちの音楽表現の土台づくりの環境と活躍の場を提供したいという思いも根底にありました」

　京都で2カ所の音楽スタジオからスタートし、2018年には大阪のスタジオ3カ所と提携。2020年7月2日より音楽スタジオと音楽教室が同居した「studio RenS（スタジオレンス）」を開設しました。バンド経験が浅い人にも使いやすいスタジオに、との思いから、1階はイベントスペース、2階〜4階には練習できる場を設置しています。

「音楽スタジオって、バンドをやっていない人にとっては敷居が高く入りづらいイメージがありますが、レッスンだと来やすいし、隣でライブを控えたバンドが練習している環境を目の当たりにすることで音楽業界との距離を身近に感じてもらえます。音楽に関わっている人たちと生徒が触れ合うことで、バンドをやってみたいという気持ちも高まってきます」

「音楽が当たり前の世界」にしていきたい

　斉藤さんがこの仕事をしていて良かったと感じるのは、体験レッスンを受けた生徒たちが高揚した表情で楽しそうにスタジオから出てきたとき、「一歩階段を上ってもらえた」と成長を目の当たりにしたときだと話します。

「例えば、転勤で遠くに行ってしまった生徒が転勤先でも楽器を続けていると聞くと本当に嬉しい。その人にとって音楽が生活の一部になるきっかけを与えることができたと感じた瞬間が一番幸せです」

　今後の展望は、どんな家庭にも生活の一部として楽器があるといったような「音楽が当たり前の世界」にしていくこと。そして、障がい者施設や高齢者施設にいる人たちにも楽器を楽しんでもらえる環境を与えていくことです。施設のスタッフたちがレクリエーション時に演奏し、「みんなでやってみましょう」と音楽を浸透させていく、そんな一役を担っていきたいとの思いがあります。

「音楽はやればやるほど奥の深さがわかり、より楽しくなってきます。体験レッスンは無料、楽器もレンタルできますので初心者大歓迎です。まずは一歩を踏み出していただきたいので、気軽にお問い合わせください」

（取材年月：2020年7月）

初心者も通いやすい音楽教室を運営

「最初の一歩」を踏み出すためのサポートを

音楽業界との距離を身近に感じてもらうために

「音楽が当たり前の世界」にしていきたい

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