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食に関わる企業や生産者の「思い」を形にする商品開発や販路拡大をサポート

商品開発や販路開拓など地域の「食」をプロデュースするプロ

吉岡宏倫

吉岡宏倫 よしおかひろのり
吉岡宏倫 よしおかひろのり

#chapter1

商品や食材への思いを丁寧に聞き取り、選ばれる魅力を引き出す

 「自社商品を開発して売り上げアップを図りたい」「販路を広げたい」と思っても、どう進めればいいのか悩んでいませんか。熊本市で日帰り温泉施設とレストランを運営する「よしおか」代表取締役の吉岡宏倫さんは、食の六次産業化プロデューサーとして、食分野の事業者や企業のサポートに力を入れています。

 サポート内容は、商品開発や販路開拓支援、農業の6次産業化支援、飲食店などのメニュー開発、ふるさと納税の返礼品開発など。料理人として30年以上にわたる経験やオリジナル調味料の開発実績をもとに、アドバイスを行います。

 初回のヒアリングで重視するのは、「商品や食材にかける本気度」。資金の準備や商品への思いなどを把握した上で、サポートできるかどうかを判断します。
 「何となく新しい商品を出せば売れる時代ではありません。開発する側の思いこそが、ストーリーになり、選ばれる魅力になります。お話を伺う中で熱意が感じられない場合は、あえてお断りすることもあります」と言い切ります。

 これまで飲食店や菓子メーカー、農家など、熊本県内を中心に幅広い実績を誇ります。その一つに、熊本市植木町にある果樹農家の販路支援があります。
 「県内では珍しいオーストラリア原産の柑橘類、フィンガーライムを栽培している30代の生産者で、日本の食料自給率を上げたいという熱い思いに感銘を受けました。高級食材として、客単価が高いレストランやバーなどにつなぎ、全国展開するウエディング会社からも引き合いがあります。1年半ほどで予想以上に販路が広がったと喜ばれました」

#chapter2

自社オリジナル調味料の開発・販売経験に基づく実践的なアドバイス

 現在、日帰り温泉施設「温泉邸 湯~庵」とレストラン「季節料理と稲庭うどん 和楽」を運営する吉岡さん。2016年にコクと旨味の万能調味料「奇跡のたれ」を開発し、収益の柱として成長させました。
 「熊本地震が起こった際に、何か新しいことをしなければと和食店でもともと使っていた独自の照り焼き風のたれを瓶詰めして店先で販売したことが始まりです。九州の甘口しょうゆと赤ワインをベースに商品化しました」

 その後、東京で行われた「おみやげグランプリ2017」フード・ドリンク部門で各国審査員賞を受賞し、全国のバイヤーから注目を集めました。その手応えから、「奇跡のだし」「奇跡のだし酢」とシリーズ化し、海外市場にも展開。「コロナ禍で温泉やレストランの客足が落ち込んだときも、調味料の売り上げは好調だったので、リスクヘッジになりました」と振り返ります。

 商品・メニュー開発では、これらの経験をもとに、料理人として「味づくり」まで実際に行えるのが、吉岡さんの強みです。さらに、運営する温泉施設やレストランをテスト販売の場として提供します。

 「実際に自分で商品をつくり、販路を広げた経験のあるコンサルタントは少数派です。加えて、料理人として味の調合をしたり、テスト販売の売り場を提供したりできるのも、私ならではの支援だと自負しています。これまで、メニュー開発も担当した鍋専門店向けにつくった味噌調味料を、当施設でテスト販売し、お客さまからの声を開発に生かした実績もあります」

吉岡宏倫 よしおかひろのり

#chapter3

リゾート型の「家族湯」を生み、地域活性化にも貢献

 吉岡さんは、すし職人だった父の影響で料理人を志し、大阪での修行を経て、Uターンしました。祖父が所有地で温泉を掘り当てたことを機に、九州独自の文化とされる貸し切り湯「家族湯」専用施設を手掛けることに。
 「毎回お湯を入れ替えることを付加価値に、庭付きなど趣の異なる17のお風呂を備えた旅館のような空間にこだわりました。それまでの大衆的なイメージを変えたリゾート型の先駆けとなり、近隣にも同様の家族湯が次々生まれ、地域活性化の一助になったと思っています」

 企業のサポートを始めたのは、周囲から頼まれたことがきっかけだったそう。50代を目前に、「食の六次産業化プロデューサー」を取得し、活動を本格化させました。
 「これからの人生を考えたとき、料理人としてだけでなく、地域や次の世代のためにできることをしたいと思うようになりました。これまでの経験を体系化しようと、資格取得に挑戦し、マーケティングや商品開発の知識を深めました」

 料理人としての目線から、地域の食材や生産者への思いも尽きません。
 「料理は食材があってこそ成り立つので、熊本の豊かな食材をはじめ、あまり知られていない地域資源を広めたいという思いは強いですね。農家の所得向上をはじめ、関わる人すべてが潤う環境づくりが必要だと感じています」

「飲食業や農業を取り巻く環境が変化する中で、本業だけに頼ることへの不安を抱える経営者も少なくありません。私自身の実体験から、収入の柱を複数持つことのメリットは大きいといえます。思いを一緒に形にしていきましょう」

(取材年月:2025年10月)

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専門家プロフィール

吉岡宏倫

商品開発や販路開拓など地域の「食」をプロデュースするプロ

吉岡宏倫プロ

食プロデューサー

有限会社よしおか

温泉施設の経営や和食料理人、食品加工品の開発販売など幅広い経験をもとに、食分野の商品開発や販路開拓、農業の6次産業化をサポート。味の調合や商品のテスト販売など実行まで伴走し、「思い」を形にします。

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