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市職員や市議の経験と法知識で不服審査をサポート

元市役所職員の行政書士として行政相談に向き合うプロ

寺島浩幸

寺島浩幸 てらしまひろゆき

#chapter1

開業が認められない・処分に納得できないといった場面で頼れる特定行政書士

 市役所職員として市民の声を聞いてきた経験を生かし、熊本市内で「行政書士てらしま法務事務所」を開く寺島浩幸さん。相続・遺言作成をはじめ、金銭督促に関する内容証明、告訴状・告発状の作成など、幅広い相談を受けています。

 「特に知ってほしいのが、私が特定行政書士として、行政機関の処分や判断に対する不服申し立て手続きを行える点です。一定の研修と考査を修了した行政書士だけが担える業務で、本人に代わって不服申立書の作成や提出、主張の整理などを行い、正式な手続きを通じて行政に再検討を求めることができます」

 例えば「建設業や飲食店の開業が認められない」「農地転用の許可が下りない」「廃棄物処理業の停止処分を受けた」「罰金や行政処分に納得できない」といったケースでは、感情的に訴えるのではなく、法令や事実関係を整理した上で冷静に申し立てることが重要だと話します。さらに2026年には行政書士法の改正により、不服申し立てに関する特定行政書士の業務範囲が広がる見込みです。

 こうした姿勢の背景には、行政の内側を知る経験があります。行政の現場に携わる中で、市が被告となる訴訟を扱う部署に在籍し、その後は市議会議員として、行政を「担う側」と「監査する側」の双方を経験してきました。

 中でも心を寄せているのが、生活保護制度を利用できる状況にありながら支援につながっていない人々の存在です。「必要書類の作成支援や面談への同席など、状況に応じた形でお手伝いできます。まずはご相談ください」と穏やかに語ります。

#chapter2

自由を勝ち取った先人たちに学び法律の道へ。社会的弱者の実態を知り市民の権利の守り手になる

 寺島さんは福岡県立修猷館(しゅうゆうかん)高校から福岡大学法学部に進学。法律の道を志した背景には、友人を守ろうとした自身の行動をきっかけに、司法の現場に携わる立場の人から「勇気は認めるが、争いは法で解決するもの」と諭された経験があったといいます。

 「軽率ではありましたが、当初は『それなら法知識を身に付け、誰とでも渡り合えるようになろう』と考えました。ただ、勉強を重ねるうちに、フランス革命での『人間と市民の権利の宣言』をはじめ、法の下での自由を勝ち取るために命を落としてきた無数の人々の存在を知りました。そこから考えを改め、大学は特待生として卒業しました」

 福岡市役所に入庁後は生活保護の業務を担当。病気やけが、老齢、母子家庭などで厳しい状況に置かれた人々の実情を知ったことが弱者支援の原点になったと振り返ります。

 その後は、第三セクターの情報公開、市民の交通権に関する条例制定、民間資金を活用した公共事業の再生など、先進的な取り組みにも携わりました。やがて「市職員の立場では限界がある。次のステージへ進んでほしい」と背中を押され、市議会議員に立候補。この頃に行政書士の資格も取得しています。

 後に妻の実家がある熊本に移り、義父が建立した神仏習合の「三元神社」の宮司を引き受けることに。スマート農業でミニトマトを栽培する会社も興し、三足のわらじを履く生活を始めます。

 「現在は農業の会社を委譲して行政書士兼宮司です。どちらも人の願いや悩みに耳を傾け、『ありがとう』と笑顔になってもらえる仕事。そのことに、大きなやりがいを感じています」

#chapter3

遺言書や終活ノートの作り方もアドバイス

 寺島さん自身、就農時に国の補助金は採択された一方で、日本政策金融公庫の融資が受けられなかった経験があります。その際に感じた疑問をきっかけに、制度や手続きについて丁寧に向き合い、市民の立場に寄り添った活動を心掛けてきました。

 「長年お世話になってきた行政には感謝の気持ちがあります。ただ、手続きの過程では、行き違いや理解の違いが生じることもあります。そうした時に、落ち着いて相談し、適切な手続きを通じて確認できる環境が大切だと感じています」

 今後は、相談者の状況に寄り添いながら進める伴走型の支援にも、より力を入れていく考えです。相続相談においても、「残された家族が安心して過ごせること」を大切にし、その思いを形にする方法の一つとして、遺言書の作成について助言しています。

 「遺言に少し構えてしまう方には、終活ノートから始めてみるのも一つの方法だと思います。お金や不動産の分け方を書き留めるだけでなく、子どもや配偶者への思いを添えることで、その人らしさが伝わる一冊になります。財産をどのように生かしてほしいかを記しておくのも良いかもしれません」

 また、農業事業を通じて外国人労働者の働く姿に触れたことから、彼らに寄り添う支援の充実も検討しています。

 「母国を離れて懸命に働く姿に心を打たれ、在留資格に関する申請サポートについても学び始めました。神社としての役割に加え、相談の場としても開かれた存在となり、地域の方々の支えになれればと考えています」

(取材年月:2025年12月)

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寺島浩幸

元市役所職員の行政書士として行政相談に向き合うプロ

寺島浩幸プロ

行政書士

行政書士てらしま法務事務所

市役所勤務の経験を生かし、生活保護や様々の申請手続に関する疑問が生じた際に、状況整理や相談の進め方を助言。市議会議員としての経験も踏まえ、市民の声を適切に行政へ伝える支援を行っています。

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