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複雑な足場計画にも対応し工事の安全を支える仮設設計の専門家

安全性・作業性・実現性を追求する足場設計のプロ

藤本謙聖

藤本謙聖 ふじもとけんせい

#chapter1

現場条件に応じた足場設計で工事の安全と作業性の確保に取り組む

 建設現場に欠かせない「足場」。その仮設設計という、一般には広く知られていない分野で、熊本市の「衛藤設計」は1992年の創業以来、専門的な業務を担い続けています。代表取締役の藤本謙聖さんが指揮を執るのは、設計図面と構造計算書の作成を通じて、工事を適法かつ安全にスタートさせるための仕事です。

 業務と関わりが深いのが、労働安全衛生法第88条です。一定以上の期間・規模で、建設現場に足場などを設置する際に、工事開始の30日前までに計画を労働基準監督署へ届けなくてはなりません。工事の安全性を高め労働災害を防ぐことを目的としており、届け出を怠った場合は罰金や工事停止命令が科される恐れもあります。

 「設置届には各種図面や構造計算書などを添付しなければならず、その作成を承っております。承認をもらえなければ足場の設置ができない、つまり工事が始められないんです。一級建築士事務所が作成することで信頼度が高まり、届け出もスムーズに運ぶとの評価をいただいております」

 スムーズな届け出は、早期の工事着工にもつながります。依頼元はゼネコンや設計事務所、足場業者、仮設リース会社など多岐にわたります。

 足場資材はメーカーごとに規格や特性が異なりますが、藤本さんのもとでは、複数のリース会社やメーカーの資材に対応した図面を作成。特定の会社や資材に偏らない中立的な立場で対応している点が、依頼につながる要因の一つとなっています。

 また、同社では仮設設計に加え、建築・消防設備の定期検査報告や建物の劣化診断といった点検・調査業務も実施。多彩な有資格者が在籍し、軽微な工事にも対応できる点が特徴です。

#chapter2

30年以上のノウハウの蓄積で複雑な現場の答えを導き出す

 近年、同社への相談内容に変化が見られると藤本さん。ポンプ場や劇場ホールの改修工事に関する相談が増えているといいます。

 揚水機やエンジン、あるいは客席や舞台といった既存設備が残る中に足場を組み立てるのは、新築とは異なる難しさがあります。作業性・安全性・実現性の三つが厳しく問われる改修工事の現場で、藤本さんが武器にするのは30年超にわたって積み上げたノウハウです。

 「印象に残っているのは、あるポンプ場の改修工事。機械が並ぶ中で天井の耐震補強として1〜2トンの鉄骨を載せたいという難度の高い依頼です。高さのある機械をよけながら、かつ上に重い物を載せても問題なく強度を確保できる足場部材の選択、組み方を提案しました」

 かつては依頼に従って図面を描く業務が中心だったといいますが、現在は現場条件に応じた提案を行うコンサルタントの役割も担うように。各現場に合わせてオーダーメードで設計し、使用する部材も吟味しています。こうした対応を可能にしているのは、足場資材の進化に常にアンテナを張り続けてきた姿勢と「何よりも安全性が第一」という揺るぎない信念です。

 「そこを曲げてまで仕事はしません。難しい場合は率直にお伝えしますし、無理をして事故につながることがあってはならないと考えています」と藤本さん。改修工事の需要がさらに高まるなか、「今あるものをいかに長く使うかという時代になり、現場に即した提案がこれまで以上に求められる」と話します。

#chapter3

ヒアリング力と誠実な対応が全国からの依頼につながる

 藤本さんの強みは、技術的なノウハウに加え、顧客の要望を丁寧に引き出し、図面へと落とし込むヒアリング力にあります。現場ごとに条件が異なる仮設設計において、この力は適切な計画を立てるうえで重要な要素です。その原点は、3年間にわたる学習塾でのアルバイト経験にあります。

 「生徒の悩みを聞き出し分かりやすく伝える経験が、今も顧客との対話の場で生きています」

 先代社長と知り合いだった縁で、2005年に衛藤設計へ入社。顧客の意図を正確にくみ取り、設計へ反映する取り組みを重ねてきました。そんな藤本さんが仕事のやりがいを感じるのは、「足場のことで衛藤設計を思い出した」「ほかの業者も困っているので紹介した」といった連絡を受けたときだといいます。

 「足場のことだったら、何でも相談できるだろうと思われているようで、その期待に応えたいですね。図面が特に必要ない場合は、その旨を正直にお伝えします。また、図面の枚数に応じた報酬となることが多いのですが、必要以上に増やさず、できるだけ少なく済むよう心がけています」

 業務量に応じた適切な報酬を意識し、誠実に対応してきたことが、次の仕事につながり、九州一円をはじめ全国から依頼が寄せられるようになりました。図面作成を通じて工事の安全と進行を支える役割を担い、現場を支えています。

(取材年月:2026年4月)

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専門家プロフィール

藤本謙聖

安全性・作業性・実現性を追求する足場設計のプロ

藤本謙聖プロ

仮設設計

株式会社衛藤設計

仮設設計専門として、足場計画の図面や構造計算書を作成。届け出の円滑化と工事着工を支援します。創業以来30年以上のノウハウを有し、改修現場など高度な条件にも対応します。

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