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ご利用者、ご家族に満足してもらえる地域密着の介護サービスを目指して

“介護から快護へ”をコンセプトにスタッフの向上心を育むプロ

森本俊介

森本俊介 もりもとしゅんすけ
森本俊介 もりもとしゅんすけ

#chapter1

居宅介護、訪問介護、デイサービスを展開。介護の質を高めるために、事業所での研修にも対応

 「介護の魅力は人との関わり。私どもは、ご利用者、ご家族だけでなく地域福祉に携わる全ての人とのつながりを大切にしています」と話すのは、高知市にある「アンビション」代表の森本俊介さん。2014年に同社を設立。居宅介護、訪問介護、デイサービスを展開し、サポートが必要な人とそのご家族を支えています。

 「当方の四つの事業所は“つながる”という意味を込めて『りんくす』と名付けました。医療機関や他の事業所、民生委員さんなどと連携を取らなければ、ご利用者やご家族に満足いただけるサービスを提供することはできません」と森本さん。
 高知県介護福祉会の副会長も務め、全国のネットワークを通じて、県内の介護の質を高める活動もしています。ケアマネジャーやヘルパーなどスタッフの教育に力を注ぎ、ケアの技術だけでなく、コミュニケーション方法や接遇マナーなどを身に付ける環境も整えています。
 また、3年に1度見直される介護保険制度や防災対策などの勉強会も定期的に開催しているそう。「例えば、送迎中や訪問先で南海トラフ地震が起きた時、どう行動して、どこに避難すればいいかなど、共通認識を持つ必要がありますから。社名の『アンビション(大志)』の通り、責任とやりがいを持って日々学ぶ姿勢はスタッフ全員に浸透しています」

 教育システムを構築していることから、森本さんのもとでは、他の事業所から依頼があれば、講師を派遣して研修を実施。「ご利用者を取り巻くすべての方と、高知の介護をもっと盛り上げていきたいですね」と意気込みます。

#chapter2

本人とご家族が望むなら、最期は住み慣れたわが家で。看取りの環境を整えたい

 かねてより介護の道を志していた森本さんは、専門学校へ。卒業後は老人介護施設に勤めますが、祖母を自宅で見送った経験から、在宅介護への思いを強くします。

 「当時は、今のように制度が整備されているわけではありませんでした。それでも、週1回ヘルパーさんに来てもらい、祖母は安住の地で息を引き取る瞬間まで過ごすことができ、みんなで看取ることができました。私は立ち合うことはできませんでしたが、父母にとっても充実した時間だったと思います」と振り返ります。

 住み慣れたわが家で最期を迎える。「すべての人に勧められるわけではないけれど、本人やご家族が望むなら、できる限りの方法を提案していきたい」と自ら創業しました。とはいえ、家で見守ることの難しさなどから、最終的には医療・介護施設に移るケースが多いのも実情です。

 「介護は子育てと違ってゴールがありません。体力だけでなく精神的な負担も相当なもので、最初に頑張りすぎてしまうと家族の方々も息切れをしてしまいます。無理をせずに在宅介護を続けてもらうためにも、われわれと医療が力を合わせていかなければなりません」

 個々の事情に配慮しながら、事業に取り組んできた森本さん。過去には、利用者の旅立ちを見届けたこともあるそうです。
 「私が着いて10分くらいして亡くなられたのですが、ご家族のとても穏やかな表情が印象に残っています。『森本さんが来てくれて安心しました』と言ってくださった時、この仕事をしていて本当によかったと感じ入りました」

森本俊介 もりもとしゅんすけ

#chapter3

人材確保が課題の介護職。介護する側も快く働くことができる“快護”がテーマ

 介護職には“きつい”“汚い”“給料安い”といったネガティブなイメージがあり、担い手が少ない側面があります。少子化が進む中で、どう人手を確保するかは社会的に大きな課題です。
 「当社のヘルパーの平均年齢は50歳を超えています。求職者が減ると、20年後には介護従事者がいなくなってしまうかもしれません」と業界の未来を危惧する森本さんは、人材確保に尽力しています。

 「せっかく資格を取ってこの世界に入ってきたなら、すぐにあきらめてほしくないですね。老人ホームやデイサービス、訪問介護などいろいろな職場を体験して、自分に合うものを見つけてもらえれば、介護の楽しさが徐々に分かってきます」と呼び掛けます。

 「スタッフには『高齢の方々は、これまで一生懸命に働いて、いろんな地位を得て、いまここにいるんだから、それぞれの意思を尊重してほしい』と伝えています。人生の先輩には学ぶことがたくさんありますからね」

 管理者という立場から、現場にいくことはほとんどなくなりましたが、デイサービスでのイベントには必ず顔を出して、ご利用者と触れ合うようにしているという森本さん。会社を設立する時、“介護を快護に”というテーマに掲げました。

 「私たちがご利用者やご家族と関わることによって、介護が快いものに変わればすてきだなと思いました。快適な毎日を送っていただき、病気も快復すれば喜ばしいこと。介護職に就く人にも、前向きに誇りをもって快く携わってほしいと願っています」

(取材年月:2022年10月)

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専門家プロフィール

森本俊介

“介護から快護へ”をコンセプトにスタッフの向上心を育むプロ

森本俊介プロ

介護サービス

株式会社アンビション

安心して利用できる介護サービスを提供。介護の質を上げるためにケアマネジャーやヘルパーの教育に力を注ぐ。また医療との連携を図り、住み慣れた自宅で最期を迎えられるよう看取り環境を整えることにも尽力。

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