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変わるための指示的カウンセリング

夫婦・親子・精神疾患など多数経験豊富なカウンセラー

椎名あつ子

横浜心理ケアセンター代表カウンセラーの椎名あつ子さん
横浜心理ケアセンターの椎名あつ子さんの講演風景

#chapter1

夫婦二人で一緒にカウンセリングを受ける意味

 横浜市で2000年に開業。横浜心理ケアセンター代表カウンセラーの椎名あつ子さんは、夫婦や家族の問題、職場の人間関係、精神疾患、発達障害、企業向けコンサルテーションなど幅広い相談に応じていますが、特に最近は、夫婦間のモラルハラスメント(モラハラ)やDV、不倫、離婚の相談が増えたと言います。「被害者、加害者両方からの相談を受けていますが、すぐに離婚というのではなく、なるべく修復に向けて、一緒に考えていけたらと思います」と椎名さん。夫だけ、妻だけの相談も受け付けていますが、他のカウンセリングルームではなかなかできない夫婦二人で一緒にカウンセリングを受けることもできます。また、離婚を考えている方には、弁護士との協力体制もあり安心して相談できます。

 椎名さんは、ロールシャッハ・テストやエゴグラム、SCT(文章完成法テスト)など心理検査の結果も用いて、ものの見方や考え方をアドバイスする指示的なカウンセリングを採用しています。「検査結果は、良い・悪いを指摘するものではありませんし、モラハラやDVを責めたり、どちらか一方に味方をするものでもありません。『世間体や人の目を気にする』『過去のことに囚われがち』といった傾向も、勝手に自分で作ったものではなく、育ってきた環境で植えこまれたものかもしれないので、まずは気づいて原因を分析してから、ものの受け止め方やコミュニケーションの仕方を変えていきましょう」と椎名さん。 

#chapter2

根本的な原因や考え方のクセに気づき、前進する

 たとえば、言葉の暴力で配偶者が離れていったり、子どもに影響が出ている人は、会社でも暴言を吐いて部下が病気になるなど、同じような問題を繰り返している可能性があります。また、被害を受けている側であっても相手を追い詰めて、暴力や暴言を誘発していることもあります。モラハラ、DVの原因や形は人それぞれ。相談の内容によっては、医療や法律の専門家との連携も検討しながら、適切なケアをしていきます。

 「自分は悪くないのだから、相手に変わってほしい」と考える人は多いそうですが、「自分から表現の仕方を少し変えてみると、相手がその変化に気づき、その結果寄り添って修復していくケースは多いんです。たとえば、ぶっきらぼうな物言いだと伝わらないなら、詳しく丁寧に説明してみるなど。コミュニケーションの仕方が変わると、ケンカや無視が減ってきます。すると、二人で話をしてもストレスにならないので、嫌な感情がなくなって、お互いの表情も穏やかになってきます。関係を修復した二人はより絆が深くなり、修復というよりも、一歩も二歩も“前進”して成長します。すると子どもの様子も変わり、家族がよい方向へと動き出します」

 配偶者の浮気がきっかけで相談に訪れる人もいますが、「何らかの問題がある場合は、浮気は収まっても、今度はギャンブルやお酒など別の問題が生じたり、急に会社を辞めてしまったり、また精神的な病気になったりしてしまうケースもあります」と椎名さん。そういったことを防ぐために、浮気という目の前の事実だけを見るのではなく、根本の原因や考え方のクセに気づくことが大切なのです。 

横浜心理ケアセンターの待合室

#chapter3

発達障害に悩む人をトレーニングでサポート

 アスペルガー症候群やADHDなど、大人の発達障害についての相談も増えています。真面目に一生懸命働いているのに「物事の優先順位がつけられない」「忘れっぽい」「相手の言葉の意図がわからない」「集団に入っていけない」などの問題を抱え、ミスが多く人間関係にも支障が出てしまう。そのため自信を失ったり、うつ病など二次的な問題に悩む人が相談に訪れます。

 「まずは自分の資質やできないことを知り、一つひとつ、その問題を解決していくためのトレーニングをしていきましょう。たとえば、物事の優先順位や相手の言葉の意図がうまくつかめない人に対しては、いくつか事例を挙げてマニュアルやプログラムを作り、それらをもとにサポートしていきます。マニュアルが応用できるようになってくると、トレーニングの内容を踏まえ、自分で考えて現場で対処できるようになってきます」

 最近は、メールや電話相談でのカウンセリングも増えていますが、椎名さんは対面でのカウンセリングを大切なものとして考えています。また、法律や医療に関しては、その専門家を紹介しています。「昔より、カウンセリングに対する認識が広まり敷居が低くなったのはいいことで、顔が見えない方が、何でも話せるという気持ちはわかりますが、対面でカウンセリングを受ける勇気と覚悟がなければ、人は本当の意味で変わることはできません」と話す椎名さん。長年多くのクライアントに支持される、ベテランのカウンセラーです。 

(取材年月:2016年10月)

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専門家プロフィール

椎名あつ子

夫婦・親子・精神疾患など多数経験豊富なカウンセラー

椎名あつ子プロ

心理カウンセラー

横浜心理ケアセンター

1対1のカウンセリングのほか、夫婦や親子など二人以上でのカウンセリングにも対応。モラハラやDVなど夫婦の問題や、職場のストレス、発達障害の相談にも多数の実績がある。医療や法律の専門家との連携も可能。

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