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社会保険労務士と精神保健福祉士がタッグを組み、精神・知的障がいに特化した障害年金の申請を代行

精神保健福祉士の資格を持つ社会保険労務士

小西一航

「障害年金は、傷病のために働くことや、日常生活を送ることが困難になったときに、経済的に支えてくれます」
申請書類の作成には、医師の協力が欠かせません。医療顧問の精神科医師とも連携を図っています

#chapter1

適切な等級で受給できるよう、精神・知的障がいに関する専門知識を持つ資格者と共に書類を作成

 「さがみ社会保険労務士法人」は、「受け取るべき人が当たり前に受け取れる障害年金制度の実現」をモットーに、精神・知的障がいに特化した障害年金の申請を代行する法人です。役所や受診した医療機関で初めて年金の存在を知り、当事者やその家族から連絡が来るケースも多いそうです。 

 「申請には、医師の診断書や、本人が作成した病歴や就労状況を示す申立書などを提出する必要があります。当事者が自分で申請することもできますが、何度も医療機関や役所に出向かなければならず、その手続きの煩雑さから、途中で申請を挫折したり、病状を悪化させたりする人もいます。私たちに任せてもらえれば、障がいの状態に応じた適切な等級に認定されるよう、手続きをいたします」と、社会保険労務士・精神保健福祉士で同法人代表の小西一航さんは話します。

 医師に診断書の作成を依頼する際には、精神障がいに関する専門的な知識を持つ精神保健福祉士等が、当事者から聞き取った日常生活の実態をまとめた資料を渡しています。というのも、精神・知的障がいでは、身体障がいのように検査数値で障がいの程度を示すことができません。医師は診察室にいる本人の様子から判断することになるため、実際の状態よりも軽度に判定されてしまうことがあります。そのため、生活を送る上でどのような問題や支障があるのか、当事者の普段の状況をきちんと伝えることが重要です。

 「当法人には病院勤務の経験を持つ精神保健福祉士や社会福祉士が複数在籍しています。精神障がいの症状などをよく理解しているので、当事者が自分のことをうまく伝えられなくても、しっかりくみ取っていきます」

#chapter2

依頼者の経済的負担を考え、着手金は無料

 障がいがあるために、思うように働くことができず、経済的に余裕がない人もいます。そういう人でも依頼しやすいよう、着手金を取らず、報酬は受給後の後払い制にしているのも、開業当初からのこだわりです。これまで代行した案件は1000件以上。受給決定率も98%と高い数字を維持しています。その中には、初診日の特定が困難だった案件も多数あります。

 「あるケースでは、初診から10年がたち、受診した病院が存在しませんでした。調べると院長も亡くなっていて、つてを頼ってなんとか院長夫人に連絡を取ることができました。親戚が経営する施設で当時のカルテが保管されていることが分かり、協力をお願いし、倉庫に積まれた段ボール箱の山の中から、2時間かけてカルテを見つけたときは本当にうれしかったですね」と小西さん。

 年金受給には、気持ちの面でも経済面でも負担が軽減されるメリットがあります。病気を押して仕事をせずとも、治療に専念することができたり、家族に経済的な負担をかけないで済むようになったりするほか、社会復帰を考えている人には、障がい者雇用で働くという選択肢もあります。

 「障害年金の受給にあたっては、初診日の特定が重要になります。カルテがなくても、医療機関を受診していたことを家族以外の第三者が証明できれば、証明は可能です。新たに一歩を踏み出すためにも、『カルテがない』とあきらめるのではなく、私たち社労士を積極的に活用していただければ」と話します。

社会保険労務士と福祉関係のソーシャルワーカーが力を合わせ、細部までサポートします

#chapter3

電話やオンラインで、全国からの相談にも対応

 新型コロナウイルスの影響から、依頼者との面談も、最近はほとんど電話とオンラインで行われています。1回の相談時間は30分~1時間程度。専門用語は使わず、平易な言葉で相手が理解しやすいよう、ゆっくりとした口調で話しています。大事なところは、口頭で説明済みであっても、別途メールで送るなどの心遣いも欠かしません。特にオンライン面談は、離れて暮らす家族も同席できると好評で、画面越しに小西さんらの表情が分かるのも、安心感を与えているようです。

 「社会保険労務士を活用する一番のメリットは、申請手続きの開始から申請書類の提出完了までがスムーズに行われることです。申請内容にもよりますが、例えば、自力で行うと4カ月ほどかかる場合も2カ月ほどで済みます。手続きにかかかる期間が短くなれば、その分受給する金額が増えることも多く、生活をしていく上での支えになります」と小西さん。社労士を探すときは、数社に直接電話やメールをして、相性が合いそうか、信頼できそうか、料金体系は明確かなどを確かめて比較検討してほしいとアドバイスします。

 今後は、障がい者の社会復帰をサポートする専門職でもある精神保健福祉士のノウハウを生かし、年金受給後の生活を見据えたサービスも展開していきたいと考えています。「グループホームや、居宅介護サービスなど、さまざまな福祉サービスが提供されていますが、当事者には分かりづらいという声も聞きます。当事者が何でも気軽に相談できる『よろづ窓口』をつくりたいと構想をめぐらしています」と思いは尽きません。

(取材年月:2021年6月)

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専門家プロフィール

小西一航

精神保健福祉士の資格を持つ社会保険労務士

小西一航プロ

社会保険労務士

さがみ社会保険労務士法人

精神障がい者の事情に詳しい精神保健福祉士に着目し、複数の精神保健福祉士と共に障害年金の申請を代行。自らも資格を取得。開業以来、誰もが負担なく利用できるよう、着手金無料の成果報酬型の料金体系を貫く。

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