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「よいカタチでの事業承継」を実現に導き、経営者の思いをつなぐ

経営者の思いを形にする事業承継の専門家

齊藤肇

齊藤肇 さいとうはじめ
齊藤肇 さいとうはじめ

#chapter1

経営を見える化し適した手段を選択、後継者育成や親族間の相続もトータルでサポート

 「よいカタチで会社を譲りたい」。事業の引き継ぎを考える経営者に共通する願いといえるでしょう。「メイクイットワーク」代表の齊藤肇さんは、中小企業診断士・行政書士・事業承継士のトリプルライセンスで、中小企業の事業承継を支援しています。親族内承継、従業員の内部昇格、M&Aとあらゆる手段に対応できるのが強みです。

 「そろそろ会社を譲ろうかと思ったら、〝旬〟を逃さないことが大切です。例えば、業績が低迷してきた組織の活性度も低下している場合などは、『辞めるに辞められない』状況に陥りがちです。まずは経営を見える化し、会社とご自身にとって適したタイミングを見極めます。その上で、親族や従業員に譲るのか、M&Aを選ぶのかなど、一緒により良い方法を考えましょう」と齊藤さん。

 後継者のスキルに不安がある場合も、経営に必要な知識の習得や社内でのキャリア形成の道筋を描きます。経営管理や財務、人事管理をはじめ、自社の実情に即した育成プログラムを提供。事業計画が策定できるレベルへとスキルアップを図ります。

 特に中小企業の事業承継で重要な視点が、親族間の相続にも配慮することと言います。
 「後継者が安定的に事業を進めるには、自社株式の譲渡などが必要になりますが、後継者以外の親族が納得しないケースも少なくありません。後継者以外にも納得のいく相続など思いやりを提案し、良好な関係を築くことで、経営に集中できる環境づくりを行います」

 「また事業承継では、その変革実現や専門家活用のため資金が必要となることがあります。そのような場合には補助金や融資での申請支援も行っています」

 これまで、自らの顧客のほか神奈川県事業承継・引継ぎ支援センターの専門家や、(公財)横浜企業経営支援財団で事業承継の相談員なども務め、年間約20件の事業承継を手掛けています。

#chapter2

家業での経験を原点に、〝思いの実現〟にこだわって経営者に伴走

 会社名の「メイクイットワーク」とは、「形にする」という意味があります。
 「単に提案やアドバイスにとどまらず、経営者の思いを実現することにこだわっています。経営者のやりたい方向性を尊重し、最終的な意思決定はご自身にしてもらいます」と齊藤さん。

 実現に向けて、事業承継計画を策定後も、伴走しての支援が基本と言います。
 「滞りなく事業を引き継ぐため、後継者が就任後すぐにかじ取りができるよう準備を整えます。後継者教育では、経営管理、財務、人事の他WEB、コミュニケーションなど他分野の専門家とも連携し、幅広い知識を養います」

 印象に残っているのは、あるサービス業の老舗からの相談だそう。
 「多額の借入金があったものの、後継者はそれを背負ってでも事業をつなぎたい気持ちを持っていました。金融機関や顧問税理士にも参画していただき、事業の状況を分析し、想定できる事業承継の各案を挙げて議論しました。結果として法人化を行って事業承継するスキームで進める方向で合意し、現経営者と後継者の思いをつなぐことができました」

 齊藤さんが事業承継の支援に力を入れたきっかけは、造園業を営んでいた父の苦境を目の当たりにしたことでした。
 「父が高齢で病を患い、これから事業をどうしようかというタイミングで、借金が判明しました。父は誰にも相談できず悩んでいたようですが、当時は、私自身も会社員で、初耳の事実に驚くばかりでした。もっと早く話を聞いていればよかったと悔やみ、同じように苦しんでいる経営者の力になりたいと思ったことが原点にあります」

齊藤肇 さいとうはじめ

#chapter3

IT業界から転身し、中小企業診断士や行政書士などさまざまな専門知識を発揮

 齊藤さんは、独立以前38年にわたり、外資系IT企業でシステム導入・運用の支援に携わってきました。特にERPシステムや財務会計システムに豊富な知見を有します。
 「プロジェクトマネージャーとして200人規模のプロジェクトをリードした経験もあり、周囲を巻き込んで目標を達成する力が培われました。一方で、技術進歩のスピードが速く、〝35歳定年説〟も囁かれる業界なので、ゆくゆくは自分で何かしようと、中小企業診断士や事業承継士の資格を取得しました」

 IT企業を退職後、「齊藤中小企業診断士・行政書士事務所」を設立。各種補助金の採択率は90.4%、融資支援も成功率100%を誇り、資金調達サポートで豊富な実績があります。

 2024年に「メイクイットワーク」を立ち上げ、事業承継支援を本格化させました。加えて、事業承継協会神奈川支部で副支部長を務め、セミナーなど啓蒙活動も行っています。
 「会社の引き継ぎには、税や法律などさまざまな分野の専門知識が必要です。同協会の活動を通して、弁護士や税理士などの他士業や保険業、M&A仲介会社など、各専門家とのネットワークは大きな力となっています」

 「事業に対する思いや価値観を次代へ伝える機会である事業承継は、経営者にとって最後の大仕事です。企業の転換期に立ち合い、培ってきた専門性を生かしてお役に立てることは私にとっても喜びです。思いをつなぐ事業承継をかなえましょう」

(取材年月:2024年12月)

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専門家プロフィール

齊藤肇

経営者の思いを形にする事業承継の専門家

齊藤肇プロ

中小企業診断士、行政書士

合同会社メイクイットワーク

「よいカタチで会社を譲りたい」との経営者の思いをかなえる事業承継を支援。経営を見える化し、適した手段と無理のない事業承継計画を策定。後継者育成や相続課題にも対応し、スムーズな承継の実現を支えます。

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