生きづらさで苦しむ人が自律した人生を取り戻すために支え導くカウンセラー（3/3）

相談者の明日の笑顔のために。自律して人生を再び歩める様に支援

　遠藤さんが能動的に行動し、クライアントと一緒になって出来なくなったことを乗り越えていくスタイルはごく自然に生まれたそうです。「カウンセラーになると決めた時から考えていたことがあります。それは、言葉だけで導く存在ではなく、自分の全てを注ぎ込んで一緒に乗り越えていくカウンセラーになろうということ。こちらが全身全霊で心を寄せなければ、相手は心の深いところまで開いてはくれません。それだけ苦しみが深いのです。ですがその苦しみも、一つ一つひもときながら、普通の生活が送れるように自信がつくところまで"手を繋いで"いくことができれば、みなさんは自然に自律されていかれます」

　継続で深く関わるクライアントが、どんどん変わっていく様子を間近で見られることがなにより嬉しい、と顔をほころばせて遠藤さんは言います。「その方が、少しずつ自信を取り戻していかれるにつれ、笑顔が増えていきます。そして声まで明るくなり、雰囲気も変化します。それは、本当に嬉しいですね。みなさんの素晴らしい変化が私の原動力です」

　「私はよく相手の方にこう伝えるんです。今のあなたは心が複雑骨折しているのよ。私は治療中に使う松葉杖や車椅子。あなたが元気になるまで寄り添う存在。だから私という松葉杖や車椅子が必要なくなるまで、一緒に頑張りましょう」。まさに遠藤さんの支援のスタイルそのものを表してる言葉です。

（取材年月：2017年7月）

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