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FRPの技術による受水槽・貯水槽やバキュームカーの修繕で、コストの悩みに応えます

受水槽の修繕やバキュームカーの防食に取り組むFRPのプロ

小野健太

小野健太 おのけんた
小野健太 おのけんた

#chapter1

国家資格に基づく技術力で、官公庁や企業で年間300件近くの施工実績

 丸亀市を拠点にFRP(繊維強化プラスチック)を軸にした事業を展開する「オノケン工房」。代表の小野健太さんは、強化プラスチック成形技能士や防食施工計画士などの国家資格を持つFRPの専門家として、官公庁や企業を中心に年間300件近い施工に携わっています。

 近年力を入れているのが、マンションやビルなどに設置されている受水槽・貯水槽の修繕。家庭内用の小型槽から中・大型槽まで、マンションやビルオーナー、管理会社などからの依頼に対応しています。
 「定期点検や清掃をしていても、経年による漏水や破損は避けられません。10年ほどを目安に塗装の劣化が目立ち始め、不具合も見つかるケースが多いです。従来は新品交換が主流でしたが、昨今、タンク本体の価格が上がっています。交換だけでなく、FRPによる防水・補修施工でコストを軽減できる選択肢もあると知ってほしいですね」と小野さん。

 県内では修繕を専門に行う事業者が限られる中、同社は国立大学にある受水槽の修繕を相談されたことを機に事業をスタート。現在では大型タンクや破損範囲の広い難易度の高い案件にも対応しています。
 「施工方法や技術の違いによって、仕上がりや耐久性に差が生じる場合もあります。初回訪問の際には、一般的なFRP製品と自社の施工サンプルを持参し、しなり具合などを実際に確認いただきながらご説明しています」

 また、大手企業グループからの委託でFRP受水槽の製造も手掛けており、製造から修繕・交換まで一貫した対応が可能です。

#chapter2

バキュームカーの耐久年数を伸ばす防食施工を提案

 工場などで金属やコンクリートの腐食を防ぐ防食事業も手掛ける同社では、その技術力を生かしてバキュームカーの防食施工もスタートさせました。
 「鉄製のタンクは、おおむね10年ほどで腐食し、放置すれば穴が開くこともあります。かつては25万円前後で溶接補修や、250万円前後で新品交換ができましたが、現在は2倍以上の費用がかかる上に、納期の長期化による機会ロスも課題となっています。そこで、防食ライニングを施すことでコストを抑えつつ機会ロスを軽減し、既存のタンクを長寿命化できるようにしています」

 小野さんは、ある清掃会社から約20年使用されたバキュームカーを借り受け、試験的にライニング施工を実施。「あんなにボロボロだったのに使えるようになった!」と驚きの声が寄せられたといいます。
 「ライニングによって内部に防護膜が形成され、汚水が直接鉄面に触れなくなるため、腐食の進行を抑えられます。防食施工後に適切なメンテナンスを続ければ、20年ほど使用できる場合もあり、交換と比較すると費用を大きく抑えられるケースもあります」

 防食施工では、修繕とあわせて補強してほしいというニーズも高いそうです。同社には、広島・尾道の造船所で船舶の修繕に携わった経験を持つ従業員が在籍。プレジャーボートや漁船などの修繕や改造に対応でき、船舶で使用される補強芯材を用いた補強もできます。
 「船舶用の素材を取り扱えることに加え、私自身も、造船所で用いられている技術を身につけました。補強を加えることで、より長く安全に使用していただけるようにしています」

小野健太 おのけんた

#chapter3

FRPのニッチ市場にビジネスチャンスを見出し、専門知識を習得

 独立以前には、ディーラー系の整備工場でフォークリフトの整備を担当したり、総合病院の集中治療室で看護師として勤務したり、多彩な経験を持つ小野さん。2016年に、「オノケン工房」を開業しました。
 「いつか自分で商売をしたいという漠然とした思いがあり、看護師の経験を一通り積んだタイミングで起業を決意しました。何をしようかと考えていたときに、たまたま、ビルの管理会社を営む人から、汚水タンクの修理を任せられるFRP技術者が少ないと聞き、ニッチな領域にビジネスチャンスを感じました」

 開業後は汚水タンク修繕を中心に業務を展開。仕事の幅を広げるために、強化プラスチック成形技能士や防食施工計画士の資格を積極的に取得しました。また、業界団体である樹脂ライニング工業会にも所属し、専門知識を深めました。
 「新しい知識を身につけることが楽しく、汚水タンクの修繕事業を通してお客さまに喜んでいただけることが励みになりました」

 2025年に創業10周年を迎えた同社。受水槽・貯水槽の修繕やバキュームカーの防食など、新たなビジネスを積極的に展開していきたいと意欲を話します。
 「不具合が起きたときには、新品交換だけでなく、まだ使えるものを有効活用するやり方もあります。コストの軽減だけでなく、環境配慮にもつながり、企業のメリットは大きいといえます。修繕可能かどうかなど気軽にお問い合せください」

(取材年月:2025年10月)

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小野健太

受水槽の修繕やバキュームカーの防食に取り組むFRPのプロ

小野健太プロ

FRP技術者

オノケン工房

国家資格に基づく技術力で、FRPによる受水槽・貯水槽やバキュームカーの修繕・防食施工を行います。新品交換と比べ、コスト削減と環境配慮に貢献する方法を提案。官公庁をはじめ豊富な実績があります。

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