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環境コンサルティング事業を通じて、省エネルギー対策の最適化および企業活動と環境保全の両立を目指す

100年先の香川の自然を守り、脱炭素の道を拓く環境コンサルのプロ

森下一輝

森下一輝 もりしたかずき

#chapter1

太陽光発電やLED照明の設置を手掛け、脱炭素に向けた具体策をアドバイス

 地球温暖化や化石燃料の枯渇といった課題に向き合うのは、「3R四国」の代表・森下一輝さん。香川県を拠点に環境コンサルティング事業を展開し、地域の中小企業らに脱炭素に向けた具体策をアドバイス。太陽光発電システムの設置やLED照明への切り替えなどを通じて省エネ化を推奨し、再生可能エネルギー由来の電力も販売しています。

 「よくお問い合わせいただくのは太陽光発電です。初期費用はかかりますが、支援した企業さまは自家発電により電力を賄い、電気代を半額程度に抑えられるケースもあります。これまでの経験では6年~7年ほどで費用を回収できることが多いです」

 導入前には細かいシミュレーションを行い、費用対効果を丁寧に説明。経済的なメリットに加え、環境に配慮する企業としてブランディングにもつながると言います。

 「有害物質の水銀を含む蛍光灯の製造が禁止される2027年が迫ってきたこともあり、LED照明へ交換する需要も高まっています。直前になると在庫不足になる可能性もあるため、早めの対応をおすすめしています。補助金が下りる自治体もあるので、工事に適したタイミングもふまえてご提案します」

 例えば、ゴルフ場のような屋外施設にLEDの大型投光器を導入した場合、電気代を年200万円近く低減できるケースも。問屋を通さない独自の仕入れルートがあり、低コストで提供できる点も強みです。

 「支出を減らすことで企業さまの負担を和らげ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を後押ししたいですね。節電に努め、環境にやさしい地域社会を創造することが私どもの目標です」

#chapter2

電力の使用量を最適化するエネルギーマネジメントシステムの導入も支援

 以前は旅行関連の事業に携わっていた森下さん。転機となったのが、業界に大打撃を与えた新型コロナウイルスでした。新たな道を模索する際、真っ先に浮かんだのが「自然」への思いだったそう。

 「かねてよりサーフィンに親しみ、香川の自然の素晴らしさを体感していました。ところが、沿岸が工業用地で埋め立てられるなど開発で海が様変わりするのを目の当たりにし、環境保全が自分のテーマになりました。再生可能エネルギーにも関心があり、電力の小売りを手掛けるようになりました」

 集めた電気代の一部を地域活性化に用いるなど、顧客も地域もWin-Winになれる事業活動を推進。次第に顧客ニーズが増え「もっと省エネできる方法はないか」と相談を受けたのを機に、環境コンサル事業を立ち上げます。

 「企業も地域の一員ですから、電気代だけでなく消費電力を削減することで環境にも貢献できれば一石二鳥です。難しく考えずに踏み出した一歩が、持続可能な社会を創っていくと思って頂ければ嬉しいです」

 「無理せず一人一人ができることを」と、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入支援にも注力しています。

 「EMSとは、電気の使用状況をリアルタイムで分析し、設備機器の稼働を自動で最適化するAIシステムです。人手がいらず、病院や介護施設、保育園など、忙しい現場でも省エネが図れます」

 環境負荷を抑えながら、経費も労力も節減できる取り組みを提唱する森下さん。三方よしの選択肢を示し、少しずつ地域の意識を変えています。

#chapter3

省エネへの取り組みをクレジット化する「J-クレジット制度」も提案

 政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を標ぼう。環境保全を促進すべく、企業には二酸化炭素の排出量に応じた「炭素税」が課せられているものの、現状は諸外国と比べて低い価格水準です。国際基準に合わせるため、今後、税率の引き上げが予測されます。

 「いま注目しているのが『J-クレジット制度』です。太陽光発電や森林整備などによって温室効果ガスを削減・吸収した分をクレジットとして数値化し、売買できる仕組みのことです。事業の特性上、CO2などの排出をゼロにはできない企業も、クレジットを買うことで排出量を相殺でき、節税もかないます」

 森下さんは、製造業や運輸業者らの購入をサポートするとともに、森林組合などクレジットを創出する側の認証手続きもフォローしています。

 「当方が目指すのは、四国管内で発行されたクレジットを四国の地元企業が買い求める地産地消のサイクルです。売却益により創出側である林業が潤えば、雇用が生まれ、経済が循環し、持続可能な地域が増えていきます」

 高い視座で社会と環境を見つめ、循環型社会の形成にまい進する森下さん。豊かな自然と、人々の活気ある営みが両立してこそ、持続可能な社会が地域(四国)で実現できると考えています。

 「省エネについて、何から始めるべきか分からない方は、法人・個人を問わずお気軽にご相談ください。おのおのができることを積み重ね、地域の未来を守りましょう」

(取材年月:2025年7月)

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専門家プロフィール

森下一輝

100年先の香川の自然を守り、脱炭素の道を拓く環境コンサルのプロ

森下一輝プロ

環境コンサルタント

株式会社3R四国

香川を拠点に環境コンサル事業を展開。太陽光発電やLED照明、電力小売からJクレジット制度の活用まで、脱炭素化を総合的にサポート。「無理せず一人一人ができることを」を信条に、持続可能な社会形成を目指す。

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