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「美しく壊す」をモットーに、丁寧な作業で思い出が詰まった建物を解体

「美しく壊す」をモットーに掲げる解体工事のプロ

渡邉泰啓

渡邉泰啓 わたなべやすのり
渡邉泰啓 わたなべやすのり

#chapter1

石川県と富山県を対象に、住宅や施設、工場など各種解体工事に対応

 「『木造の建物を半分だけ壊したい』『部屋の一部分だけを壊したい』『車が入れない細い路地の奥にある建物を壊しさら地にしたい』など、難しい解体に関することであれば、どんな内容であれ、一度ご相談ください」

 力強く話すのは、石川県金沢市を拠点にする解体業者「渡辺企画」代表の渡邉泰啓さん。県内全域と富山県を対象に、一軒家や集合住宅、商業・公共施設、工場など、さまざまな建築物を請け負い、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など構造に応じて適切に対処します。

モットーは「美しく壊すこと」。1日ごとに廃材を整理して常に現場をきれいに保ち、粉じんやゴミが散ることを防いでいます。

 「効率性や費用を重視するのであれば、一気に取り壊し、まとめて廃棄すべきでしょうね。ただ、当方がお任せいただく建物にはお客さまの大切な思い出が詰まっていますので、むげに崩すのは心が痛い。業者の私たちでさえ、ためらいを感じるのですから、お客さまはもっとつらいでしょう。名残を惜しむ心中を察して、できるだけ丁寧に作業を進めたいのです」

 渡邉さんの元には、主にハウスメーカーや不動産会社から依頼が来ますが、実際の作業現場を目にした人から直接連絡が入ることも少なくないそう。「解体工事業界に対して、世間ではネガティブな印象が根強いのが現状です。着工する前にチラシと粗品を持って近隣の方にごあいさつに伺うのですが、正直、最初は怪しまれることもよくあります。しかし何事にも誠意を尽くすことで、完工後は皆さん、イメージをがらっと変えてくださいますよ」

#chapter2

子どもの頃から現場を見ていた会社に入社し、13年間の修行をへて独立

 1983年に金沢市で生まれた渡邉さん。小さい頃から、人の手のように自在にアームを動かし、建物を解体する重機が大好きでした。毎日のように現場に足を運んでは、夢中で作業の様子を目で追いかけていました。あまりにも熱心に見学していたため、「大人になったらうちに来なさい」と、業者の社長が誘ってくれたこともあるそうです。

 「なぜだか分からないのですが、建物を壊すことにすごく魅力を感じていました。小学校の卒業文集に、『将来、解体屋の社長になる』とつづったほど憧れていたんです」

 高校卒業後、目をかけてくれていた社長の元に弟子入りすることを考えたものの、いったんは別の会社に入社することに。「頼んだら入れてくれたかもしれませんが、社員を募集していない時期にお願いしたら迷惑かと思いやめたのです」

 ただ、入社した会社は解体事業をやってはいたものの、たまに仕事がある程度。経験を積むにも実務の機会が少なく、もんもんとした日々を送ることになります。

 今後の身の振り方を思案していたある日、子どもの頃なじみになっていた会社の求人広告を目にし、タイミングが巡ってきたと即座に応募します。「しょっちゅう現場を見せてもらっていた話をしたところ、『あの時の少年だね』と覚えてくださっていて、その日のうちに採用していただきました」

 解体の工程を一から学び、ノウハウを身に付けた渡邉さん。約13年間勤め、2017年に小さいころからの夢である自分の解体会社「渡辺企画」を立ち上げました。

渡邉泰啓 わたなべやすのり

#chapter3

支えてくれる従業員を大切にし、業界のイメージアップにも貢献したい

 現在は数々の現場に赴く渡邉さんですが、独立したばかりの頃は「不安しかなかった」と振り返ります。「勢いだけで飛び出したので、お客さまもいなければ従業員もいなくて。かつての勤務先に応援で使ってもらったり、知人に仕事を紹介してもらったり、多くの方に手を差し伸べていただいた結果、今があります。おかげさまで創業以来、右肩上がりで事業を成長させることができました」

 社のトップとしてメンバーを率いるようになった渡邉さんが、心掛けているのは従業員を大切にすること。細やかに配慮する姿勢は、前職で世話になった経営者夫婦の影響だと言います。

 「お二人は、私たちが仕事を終え会社を出る際に必ず『ありがとう。明日もよろしくお願いね』と声を掛けてくださいました。炎天下や極寒の中で働いている者にとって、その言葉はとてもありがたかった。私も、従業員に同じ言葉を掛けるようにしています」

 一緒に汗を流してきたスタッフへのエールとして、「独立したい」という意志を伝えてきた際には快く送り出し、案件を回すなどして後押ししているのだとか。「ライバルなのかもしれませんが、仲間であることは変わりません。私と同じ考えで作業してくれる人が一人でも増えることを本当にうれしく思います」

 これからは、解体工事業のイメージアップに努めたいと考えていますが、何か特別なことをするつもりはありません。「われわれが丁寧な作業を続けることによって、子どもの頃から夢を見させてもらっていたこの業界に少しでもいい風を吹かせ、貢献していきたい」と力を込めます。

(取材年月:2023年12月)

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渡邉泰啓

「美しく壊す」をモットーに掲げる解体工事のプロ

渡邉泰啓プロ

解体工事業

渡辺企画

建物をただ壊すのではなく、手間をかけてでも美しく壊す事を信条に高品質施工。1日ごとに廃材を片づけ、きれいな現場づくりを心掛けるなど細部にまで神経を行き届かせ丁寧な工事に徹する。

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