一人一人の思いを叶えるオーダーメイド旅行のプロ山口好範

一人一人の思いを叶えるオーダーメイド旅行のプロ

山口好範

JTBブランドストアとしてスタート。ハワイ州観光局サテライトオフィスにも

　山口好範さんは、石川県内で旅行会社「トラベル愛ランド」3店舗（七尾小丸山通り店・珠洲燈籠山通り店・金沢駅西けやき通り店）を経営しています。地域密着型の旅行会社として地元の人々から愛され、2021年4月で設立25周年を迎えます。

　JTB総合提携店であり、接遇スキル、商品知識、店舗運営などJTBの厳しいブランドストア契約基準をクリア。県内でJTBブランドストアに認められているのは、現在2社だけだと言います。「スタッフは、JTBの教育プログラムを受けており、2018年JTBベストホスピタリティ中部地区大会準グランプリの受賞者も在籍しています」

　また、2018年には、石川県で初めてハワイ州観光局サテライトオフィスとして、認定を受けました。「私自身、1994年にハワイで挙式。両家の家族もハワイをとても気に入ってくれて、ハワイの魅力を再認識しました。ハワイの空気には、人をハッピーにする力がありますよね」と笑顔を見せます。スタッフは全員、ハワイに精通。ハワイ諸島をチャーター機でめぐるツアーなど、ハワイを熟知した旅行会社ならではの案内も行っています。

　さらには、世界的なSDGs（持続可能な開発目標）の広がりを受け、地域の文化や自然環境に配慮した観光を行う“サスティナブルツーリズム“にも注目。「今後、国内外のお客さま向けに、能登を起点に、牡蠣棚の見学や、紙すき体験など地元の良いところを提案していきたいです」と話します。

　「小さい会社ながら、きらっと光る個性を出していきたい」と、他社とのさまざまな差別化を図っていますが、山口さんの会社が最も得意としているのが、「パーソナライズした旅行」の提案です。

一人一人に寄り添う「パーソナライズ」した手作り旅行を実践

　山口さんの会社では、設立当初から「お客さま中心主義」「正確性とホスピタリティ」をモットーに、顧客一人一人の目的、趣味・好み、行動などに基づき、オーダーメイド型の旅行を提案してきました。
　「ひとえに、旅行を楽しんでもらいたいという思いからです。インターネットでも旅行予約ができる時代ですが、言葉の裏にあるニーズまでくみ取れるのは、対面だからこそできることだと思っています」

　「お客さまの喜びが、私の喜び」と話す山口さん。顧客のほとんどがリピーターになるということからも、満足度の高さがうかがえます。

　こうした「パーソナライズ」へのこだわりが十分に生かされたのが、障害者福祉施設の団体旅行です。2015年の沖縄旅行から始まり、コロナ禍前まで継続してきました。
　「ご本人やご家族から要望をうかがい、職員の方々とも何度も打ち合わせを重ねました。車いすの方も多く、移動、食事、アクティビティなどには創意工夫が求められました。現地では、海でパラグライダーをしたい、ウエディングドレスを着てみたいといった夢も実現しました。パラグライダーで降りてくるときは、海を走って抱きかかえて降ろす、ということを何度もくり返して全身筋肉痛に。でも、アクティビティを楽しむお客さまの笑顔は輝いていました。ご家族も『わが子が空を飛んだ』と感激されて。旅の力を実感し、一人一人の思いをかなえるという原点を再認識しました」

　これを機に、トラベルヘルパー3級を取得するなど介護の知識も習得。さらに、外出の機会を増やしてもらおうと、会社で貸し切りバスの費用を出して、お花見などへ行く“ちょいボラバス”というボランティアも行っているそうです。

自社企画商品を販売するなど前向きに情報発信

　新型コロナウイルス感染症の拡大で、旅行業界、観光業界は大きな打撃を受けました。山口さんの会社も例外ではありません。しかし、「苦境にあっても自分の会社のポテンシャルに気づくことができ、収穫もあった」と話します。

　例えば、自社企画商品の販売です。「当社としては初の試みでした。県内の旅行会社がコロナに掛けて、5670円の格安商品を売り出す中、高額のスイートルームプランを企画。これが県内の割引制度やGo Toの後押しもあって大ヒット。現在も、さまざまなプランを用意しています」
　
　山口さんの会社の理念は、「情熱・熱意・執念」です。「情熱は創造性を培い、熱意は人の心を動かし、執念は自らの願望を実現する。スタッフにも、常にそう話しています」
　熱い心で顧客にもスタッフにも向き合い、コロナ禍といった難局も、その先にある未来を見据え、前を向いて情報発信を続けます。

　「社会情勢が流動的なコロナ禍やポストコロナ時代には、リアル店舗のニーズが高まると考えています。当社は、営業から予約まで一貫した独自体制で、手配が可能です。現場と営業が直結しているため、多様なニーズにタイムリーに応えることができます。これからも、お客さまに寄り添える旅行代理店でありたいと思っています」

（取材年月：2021年2月）

「お客さま中心主義」をモットーに、一人一人の思いをかなえる旅行を提案

JTBブランドストアとしてスタート。ハワイ州観光局サテライトオフィスにも

一人一人に寄り添う「パーソナライズ」した手作り旅行を実践

自社企画商品を販売するなど前向きに情報発信

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