環境に優しい電解水や食品資源リサイクル機器のプロ
上野峰喜
Mybestpro Interview
環境に優しい電解水や食品資源リサイクル機器のプロ
上野峰喜
#chapter1
株式会社金沢テックサービスの代表取締役、上野峰喜さんは、人と地球に優しい環境機器のプロ。豊かな自然を後世に伝えていきたいという願いから、日々、業務に励んでいます。
生まれも育ちも奥能登の旧宇出津町。そこには「美しい自然と水がごく当たり前のようにある」としみじみ話す上野さん。能登の豊かな里山里海に囲まれて育った影響からか、次第に「環境というキーワードで社会を変え、世の中に貢献していきたい」という思いが募っていきました。そんなある時、株式会社テックコーポレーションの製品や企業理念に出会い、大いに共感。環境ビジネスに取り組む決意を固め、金沢テックサービスを設立したのです。
上野さんが取り扱っている製品の一つに、「守る水」という名前が付けられた電解水衛生環境システムがあります。この装置は、薬品類はいっさい使わず、水と食塩水と電気だけで強アルカリ性電解水と強酸性電解水の二種類を作り出す仕組みとなっています。
強アルカリ性電解水は高い洗浄力を発揮し、ソースや醤油、ごま油、赤ワインのシミ、血液といった一般的な有機汚れを分解。洗剤を使わないため、水質の汚染防止にも役立ちます。
一方、強酸性電解水は殺菌・消臭効果があり、食中毒の原因となる大腸菌やレジオネラ菌、サルモネラ菌などを除菌。財団法人食品分析センターの調べによると、ノロウイルス対策にも威力を発揮するというデータが得られているそうです。
#chapter2
上野さんが扱う電解水生成装置の大きな特徴は、生成される電解水に塩分が混ざっていないことです。このため、「洗濯機などに使用しても塩害を及ぼすことがありません」と強調。洗剤やすすぎ水、ボイラーの費用を節約できることもメリットであり、エコな機器であることをアピールしていました。
現在このシステムは老人介護施設などで使われており、業務用の洗濯機と連動して、衣類やタオル、シーツなどを洗濯したり、厨房器具やふきん、食器、まな板などの除菌に活躍したりしています。利用者からは、「汚物を捨てる場所の臭いがしなくなった」「電解水をボトルで購入していたが、コストを抑えることができた」という喜びの声が届いているそうです。
また、「噴霧器で室内に散布することによって、空気中の病原菌を殺菌する効果もある」と上野さん。室内空間研究所の調査によると、「守る水」を室内に三十分間噴霧したところ、細菌ウイルスの数がゼロになったという結果が出ており、これによって「感染症予防にも期待できる」と説明してくれました。
さらに、金沢テックサービスでは、業務用の食品資源リサイクル機器「マジックバイオくん」も取り扱いしています。これはつまり、生ごみを処理する機械であり、自然界に生息する微生物の働きを利用したバイオ資材が生ごみを“食べる”ことによって、水と炭酸ガスなどに分解。二十四時間後には、ごみの量を十分の一にまで減らし、残ったものは土壌改良材として利用することが可能なのだそうです。
#chapter3
「マジックバイオくん」は現在、金沢市の山間地域である熊走町で採用されており、ごみを減らすための実証実験が行われています。他にも大手企業の社員食堂などで使われていますが、上野さんは「近年、環境への意識が自治体や企業の間で高まっています。そういったお客さまのニーズに応えることができます」と話していました。
金沢テックサービスでは、水素水を作り出すサーバーも取り扱っていますが、上野さんは、「私たちの取り扱う商品は実際に使ってもらって初めて評価されるものなので、まずはお客さまからの信頼を得ることが第一です。そのためには製品だけでなく、会社や、所属する人間の信頼性が大切なのです」ときっぱり。今後は、「販売している製品をもっと社会に広め、環境問題解決に少しでも役立てるような企業を目指したい」と、真剣な表情で話してくれました。
そんな上野さんは、ボランティアで能登の活性化を推進するNPO「能登ネットワーク」にも長年関わっており、現在は副理事長も務めています。そのNPOを通じて「食材など能登の素晴らしさをPRしたい」と話す表情は生き生きしており、郷土を愛している様子が伝わってきました。そんな地元愛が仕事の柱になっていることは確かです。
能登の人は、「心優しくて物静か」だと言われます。上野さんも一見そういう風に見えますが、かけがえのない自然を残していきたいという願いは人一倍。取材を通じ、環境保全に対する思いは宇出津の有名な「あばれ祭」のように情熱的であると実感しました。
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顧客からの信頼を第一に考えた経営理念が強みとなっている。「製品は実際に使ってもらって初めて評価される」ものであり、そのためには製品の品質だけではなく、会社や所属する人間の資質が大切だと考えている。
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