マネープランと投資信託をアドバイスするお金のプロ髙橋昌子

マネープランと投資信託をアドバイスするお金のプロ

髙橋昌子

ローンや保険の選び方で百万円単位も違う

「暮らしのマネープラン相談センター」所長の高橋昌子さんは、お金のことなら何でも相談できる心強いファイナンシャルプランナー（FP）。家計簿のことから住宅ローン、生命保険、火災保険、社会保険、年金、老後の資金、資産運用、相続に至るまで、人生のトータルしたマネープランをアドバイスしている“お金のプロ”です。

安心して何でも話せる気さくな雰囲気で親身に対応。個別相談の様子を見させてもらったところ、顧客の状況を聞き取りながら、豊富な知識をフル回転させ、ズバリ答えていく姿が頼もしく思えました。

高橋さんは「世の中の人に喜んでもらえる仕事がしたい」「女性として活躍できて、長く続けられる仕事に就きたい」と考えてFPの道を選択。その存在が地方では広く知られていなかった平成5年に資格を取得した、北陸における女性FPの先駆け的な存在です。

資格取得後は、「FPサポート研究所」を立ち上げ、先生としてFPを育成。一方で、新聞や雑誌、ラジオなど、さまざまなメディアで賢くお金と付き合う方法を伝授してきました。企業や労働組合、官公庁で研修やセミナー講師も務め、その回数は年間100回以上に上ります。

平成14年には、もっと気軽に相談してもらえる場として「暮らしのマネープラン相談センター」を開設し、所長に就任。「住宅ローンや保険の選び方次第で百万円単位のお金が違ってくる。節約したお金を資産運用に回して財産形成ができるのです。そういったことをぜひ知ってほしい」と呼び掛けています。

投資信託で財産を増やす秘訣をアドバイス

現在、日本の金利は非常に低い水準。このため高橋さんは、日本的な貯蓄型ではなく、上手な資産運用をすることがこれからの時代、ますます重要になっていると強調。投資信託で「お金に働いてもらう」ことの大切さを説いています。

しかし、投資信託と聞いただけでマイナスイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。これについては、「そのリスクをどうコントロールしていくか重要なのです」とのこと。

投資信託で資産運用する重要ポイントは、分散投資と長期投資の二つ。日本だけではなく、アメリカなどの先進国や新興国の株式と債券を組み合わせることによって、マイナスが生じてもカバーできるポートフォリオを組み、これを長い目で運用していくことが秘訣だと教えてくれました。

高橋さんは、そういった独自の投資プランを用意し、相談者の性格や要望、世界経済の状況といった総合的な観点からベストな資産運用を見極めます。

夫を亡くした40代女性から相談を受けた際には、保険金と遺族年金を有効活用するため、一部は貯蓄に、一部は投資信託で運用。分配金で子供は大学へ通い、結果的に投資した以上の金額になったそう。

また、ある50代男性の場合、当初は退職準備のため資産を増やしたいという要望でした。しかし、後に息子が大学進学を希望。解約を望みましたがポートフォリオを見直して「増やす重視型」から「分配重視型」へと商品を変更し、着実に教育資金を生み出していったのです。

お金について知ることは、人生を考えること

「例えば、退職後に一千万円を持っていたとして、貯金をしてもお金は増えません。年に百万円ずつ使えば十年で無くなります。それならば資産運用するのも選択肢の一つでしょう」。高橋さんは、投資信託を利用している人とそうでない人では、いま大きな差が付いていると話していました。

こうして相談に乗った顧客から感謝されることは多々ありますが、「本来、FPはお客さまの利益を第一に考えるもの。私たちの利益が第一ではありません。相手にとってベストな対策を考え、その結果、財産が増えて生活が潤っていく。それが私の喜びなのです」ときっぱり。

ちなみに、高橋さんが取得しているのは、世界で通用するプロフェッショナルな「CFP」という資格ですが、「常に勉強を怠らず、世の中の動きや地元の状況について知っておかなければFPは務まりません」と襟を正します。

「結局、お金の相談に乗っていると人生設計の問題にたどり着く。ですから、お客さまの暮らしとしっかり向き合ってプランを立てることがFPの使命なのです」

現在は、地元大学で若い学生にも教えている高橋さん。アメリカでは、信頼できる医者、弁護士、そしてFPをパートナーに持つことが幸せな人生を送るために必要だと言われていますが、自身の目指す目標もそんな存在です。

「お金のことを知ることは、社会を知ること。社会を知ることは、自分の人生を考えること。私はそのお手伝いがしたい」。高橋さんは笑顔でそう語ってくれました。

（取材年月：2013年4月）

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お金について知ることは、人生を考えること

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