親と子の悩みに寄り添い、問題解決に導く塾講師宮澤仁

親と子の悩みに寄り添い、問題解決に導く塾講師

宮澤仁

ベテラン塾講師の直接指導と、ベストのタイミングの声掛けを通じて成長へと導く

　「ただやみくもに勉強しても、成績は上がりません。大事なのは、質の良いコミュニケーションです」
　そう話すのは、小・中学生対象の塾「新・個別指導カナエル」の塾長・宮澤仁さん。大手学習塾に20年以上勤務したベテラン講師です。保護者や生徒と丁寧で緊密なコミュニケーションを通じて理解を深め、思いをくみ取り、生徒一人一人に合ったカリキュラムを作り上げています。

　同塾では、生徒はまずタブレット上で専任講師による動画授業を受け、その後宮澤さんから直接指導を受けます。複数の講師が入れ替わるようなことがないので、安定して質の高い学びが提供できると言います。

　さらに「子どもの意識と学習態度を変えるには、しかるべきタイミング、つまり子どもがこちらの話に耳を傾けてくれるタイミングで大人が声掛けをすることが大切」と強調します。

　「以前ある生徒が課題に繰り返し挑んで、やっとクリアできた瞬間がありました。そのときを逃さずに、『自分で考えて繰り返しやることで今、君は山を越えられたね。これからも同じようにやっていけばいいんだよ』と話したんです。それまではじっと見守っていたのですが、今なら生徒は話を聞いてくれると思いました。ベストのタイミングで必要な声掛けをする、これは個別指導だからこそできることです」

　生徒たちの学びを支えているのが、料金システムです。受講料は月額定額の「通い放題」制。各自自分のペースで通えるので、週1の子もいるし、熱心に3回、4回と来る子も。また中学生は複数教科のコースを選択すると、普段は2教科で試験前だけ5教科といった柔軟な通い方もできます。
　さらに入塾前の段階で、季節講習料なども含めた年間受講費の概算を伝えているのも、保護者に好評だそうです。

学生時代の家庭教師が原点。「これって生徒ファーストなのかな？」そんな葛藤が独立のエネルギーに

　塾講師として長年キャリアを積んできた宮澤さん。その原点は、大学時代に引き受けた家庭教師の体験にあるとか。
　「生徒は中3の男子で、家族が工業高校進学を望んでいました。でも中学校の先生が『この成績で受かった子はいない』と言うくらい厳しい状態だったんです」

　しかも頼まれたのは、受験半年前の秋。それでも諦めず生徒に勉強を教え、受験対策を練りました。大学の冬休みも返上して指導に打ち込んだ結果、生徒は見事合格を果たします。
　「その子のおばあちゃんには泣いて喜ばれましたね。本人も途中から本気になって、子どもってこんなに変わるんだと驚きました。よく子どもは、自ら変化し成長する可塑性があると言われますが、それを目の当たりにしたんです」

　この成功体験が、やがて宮澤さんを現職へと導いていくこととなります。大手学習塾で講師として働き始めると、能力が認められて順調にステップアップ。エリア責任者や部門責任者などを歴任するように。しかしその裏で、「これって生徒ファーストなのかな」「今のニーズに合っているのかな」と葛藤する場面も増えていきます。

　自分が思ったとおりにやってみたい。組織の中では難しくても、一人でならできるのではないか。そんな思いが高まって、独立を決意。2022年3月、牛久市ひたち野うしくエリアに「新・個別指導カナエル」を開講しました。

地域の人に、「子どものことで困ったらここに相談しよう」と思ってもらえる存在に

　自らの塾を切り盛りする今、以前のジレンマは解消されつつあるとのことで、生徒の成績アップや合格の知らせを聞くと、努力が報われたと感じてうれしくなるとか。
　「とはいえ、もっと学力を伸ばしたい子がいるし、もっとコミュニケーションを取らなきゃいけない子もいる。満足はしていません」と表情を引き締めます。

　真剣な話をしているときは、理知的でまじめな印象。でも笑うと途端に人懐っこく、親しみやすい雰囲気。そんな宮澤さんを慕って、生徒たちは教室に来るたびいろんな話をしてくれるそうで、「もしかすると、親御さんより学校情報に通じているかも」と笑います。

　この先の夢については「大きな野望みたいなものは全くありません。でも、『子どもの困りごとがあったらここに相談すればいい』と、地域の人が思ってくれるような存在になれたらいいですね」と語ります。

　「今の時代は、子どもも親も大変そう。子どもはコロナで勉強が1年近く滞っていたかと思ったら、今度はいろんな勉強を詰め込まれて、しかも友人関係にも気を遣っている。保護者はネットでいろんな情報があるからこそ迷ったり、身近に頼れる人がいなかったり。わが子にどんな態度でどんな言葉をかけたらいいのか、悩む方は多いです」

　塾講師として、数多くの子どもや保護者に親身に寄り添ってきた宮澤さん。「私に何ができるってわけじゃないですけど、それでも一緒に問題を解決していく、そのお手伝いができればいいなと思っています」と言葉に心を込めます。

（取材年月：2023年10月）

丁寧なコミュニケーションで生徒一人一人のニーズに応える個別指導塾

ベテラン塾講師の直接指導と、ベストのタイミングの声掛けを通じて成長へと導く

学生時代の家庭教師が原点。「これって生徒ファーストなのかな？」そんな葛藤が独立のエネルギーに

地域の人に、「子どものことで困ったらここに相談しよう」と思ってもらえる存在に

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