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梱包の悩みにノウハウで応える、規格資材を売るだけではない「相談できるダンボール屋さん」

梱包作業をもっと楽で低コストに、ダンボール設計・提案のプロ

武田和也

武田和也 たけだかずや
武田和也 たけだかずや

#chapter1

作業の手間を省き、破損による返品などを防ぐ包装設計で顧客に適した梱包材を提案

 相談できるダンボール屋さん。そんなコンセプトを掲げ、顧客から寄せられるさまざまな声に応えているのは「太陽商会」の代表、武田和也さん。
 「梱包・包装に関するお悩みを解消へと導くのが私の役割です。扱いやすい簡易な作りで、しかも衝撃に強い。運送時の管理が楽なうえ破損による返品が減るなど、お客さまにとって有用な方法を一緒に探し出し、形にいたします」と語ります。

 業界歴約25年の実績を持ち、兵庫県宝塚市を拠点に、同県から大阪府まで幅広い業者と取引している武田さん。「既存の規格品を売る」ということにとどまらず、顧客に合わせた製品を打ち出しています。
 「例えば納品箱を組み立てる際、その都度底板を入れている事業者さまには、『開いたら自ずと底張りができるワンタッチ式を取り入れる』といったご提案ができます。製品を梱包する前段階のひと手間を省き、生産性の向上につなげます」

 そもそもなぜそうした工程になっていたのか、理由や事情をじっくり聞き取る。改善の糸口を得るためルーティンワークを見直し、無駄を取り除いていく。実際にサンプルを作り、顧客に適した製品として完成度を上げる。これが、一から手掛ける「包装設計」と、「資材販売」との違いだと説明します。

 「当方では、ダンボール以外にも、ポリ袋や緩衝材、化粧箱に木箱と、各種資材を扱っています。『社内で書類を保管しておきたい』といった小さなご要望から、『精密機器を安全に輸出したい』といった大きなプロジェクトまで、ワンストップで対応できる体制を整えています」

#chapter2

梱包資材で業務の効率化、コストダウンを目指すなど、顧客の課題解決をサポート

 武田さんが、物流の根底を支える業務に携わり始めたのは20歳を過ぎた頃。同社の創業者である父の勧めで、ダンボールの加工・販売業者に見習いとして入ったのがきっかけでした。
 「流れ着いた業界でしたが、どんなことでも深掘りすれば見えてくるものがあるなと実感しました。お客さまととことん向き合って箱を作り、『ありがとう』と言われた時は、やっていてよかったなと思いましたね」

 2年ほどのでっちを終え、家業へ。時代は、インターネットが普及しだし、梱包材などを格安で取り扱う通信販売が台頭し始めた頃でした。
 「これはあかんという感じで。言われたことをこなすだけでは、100%居場所がなくなると焦りました」
 事業存続の危機に対し、どんな手を打つべきか。ダンボールの商社として、どのような価値を顧客に届けられるのか。熟考し、手足を動かしながらたどり着いたのが「相談できる」というスタイルでした。
 「取引先はなぜ安いものを求めるのか。利益を立てたいからで、決して買いたたきたいわけではありません。価格競争ではなく、お客さまの作業を効率化していくことでコストを下げるお手伝いをする。太陽商会はこの道で行くと心を決めました」

 顧客に親身に寄り添い、相手の立場で徹底的に考える。商材を仲介するだけでなく、長年蓄積してきたノウハウをもとに、顧客の課題解決をサポートしていくコンサルタント的な立ち位置は、時代の荒波を乗り越えるべく試行錯誤した結果、生まれたと言います。

武田和也 たけだかずや

#chapter3

消耗品でないダンボール家具の開発、就労体験やワークショップ開催で社会課題への取り組みにも注力

 2020年、父の急逝に伴って太陽商会を引き継いだ武田さん。コロナ禍も重なり、経営者としては激動のスタートとなりましたが、プロダクトデザインの道を切り開いていこうとしています。
 「宝塚市や宝塚商工会議所とタッグを組み、新たな商品の開発に取り組むことを計画しています。設計ツールのCADや成形用カッターなど設備を更新し、ダンボール家具など、使い捨ての消耗品ではないアイテムを展開していきたいと考えています」

 代表として忙しく過ごす武田さんですが、実はもう一つ、殺陣や口上といった伝統芸を披露する芸人としての顔があります。傷ついた人と町を元気づけたい一心で、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市には、震災の数年後から毎年のように慰問を続けてきました。

 最近では、引きこもりの人の社会参加に向けて自社で就労体験の場を提供したり、子どもの居場所づくりの一環としてダンボール遊びのワークショップを開いたりしています。今後は、地域の子どもたちが秘密基地のように集える、ダンボールハウスを建てることも検討しています。また、大阪府池田市にも赴き、戦隊ヒーロー「イケダレンジャー」としても活躍しています。

 「仕事とは、人の困りごとを何とかすることだと思っています。ちょっとでもカッコいい背中を見せ、この町にいい循環を作っていきたいですね」と笑顔を見せる武田さん。事業と社会貢献に通底する思いを込め、これからも幅広く、精力的に活動していきます。

(取材年月:2023年1月)

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武田和也

梱包作業をもっと楽で低コストに、ダンボール設計・提案のプロ

武田和也プロ

有限会社太陽商会

顧客の梱包工程を見極め、作業がより楽で効率的になるダンボールを設計・提案。生産性向上に寄与し、梱包に伴うコスト抑制を目指す。ポリ袋や緩衝材などの資材も扱い、梱包に関わる課題にワンストップで対応する。

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