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そろばん学習で成功体験を重ね、自信や自主性を育み、あいさつなど礼儀作法も習得

個々に寄り添った指導で自主性や自信を育むそろばん指導のプロ

小林千賀子

小林千賀子 こばやしちかこ
小林千賀子 こばやしちかこ

#chapter1

開講日に何度も通え、珠算・暗算、読み上げ算・読み上げ暗算を丁寧に指導

 「そろばんに親しむと数字への抵抗感が薄れますし、手先を動かすことで脳が活性化されます。特に右脳はひらめきや問題解決、長期記憶にも関わるとされており、そろばんはそうした力を育む助けになります。想像力や集中力の向上にも役立つので、自主学習の下地作りにもつながります」

 そう語るのは、兵庫県尼崎市で「立花南珠算教場」を主宰する小林千賀子さん。細やかな指導と温かいコミュニケーションで、珠算・暗算のほか、読み上げ算・読み上げ暗算などを教えています。

 「初めての生徒には、そろばんの持ち方、1だま、5だまといった読み方からマンツーマンで手ほどきします。個別に上達具合を判断し、慣れてきたら一歩引いた位置から見守ります。成功体験を積み重ねながら必要な時にサポートすることで、自信や自ら考えて行動する自主性を養います」

 月の授業回数に上限を設けず、開講日に何度でも通えるのも特色。小林さんは、「あいさつ」「返事」「自己管理」を3原則とした礼儀作法の習得にも力を入れています。

 「『こんにちは』『さようなら』と周囲に声を掛け、名前を呼ばれたら『はい』と答え、靴を脱いだらそろえる、時間を守る、机の上を整えるなど、社会に出ても通用する基本的な生活習慣を身につけられるようにしています。長年通ってくれる生徒が丁寧な敬語を自然に話しているのを見て、成長を頼もしく思うこともあります。整理整頓ができるようになった子や、姿勢が良くなった子もいるんですよ」

 教場に通っている学年が違う子ども同士が仲良くなり、学校でも交流するようになった例も。そろばん学習を通して、子どもたちが社会性を育む場としても親しまれています。

#chapter2

生徒や保護者とのコミュニケーションを大切にして、成長を支える

 小林さんは小学3年生からそろばんを始め、珠算能力検定試験初段と暗算検定試験 1級を取得しています。以前は自身が中学3年生まで通っていた教室で、アシスタントを10年ほど務めていました。

 「お手伝いをしていた教室が閉校するのをきっかけに、自分でやってみようと2021年に『立花南珠算教場』を開校しました。そろばんと同じくらい教えることも好きですし、そろばんの先生を続けたいという気持ちもありました」

 開校してからは、子どもたちと1対1で向き合う時間が増え、一人一人を深く理解しながら指導できるようになったという小林さん。対話する際は聞く姿勢を一貫し、注意が必要な場面では自尊心を傷つけないように、他の生徒の前ではなく授業後に個別で行うことも取り入れ、居心地良く学習できる環境を整えています。

 家庭や学校の話題など、生徒の言葉に耳を傾けるときは私が教えてもらうという立場に徹しています。生徒達と話せる時間は楽しいですし、貴重な時間だなと思います」
 
 生徒とともに保護者との適度なコミュニケーションも大切にしている小林さん。最近では「厳しく指導してください」と言われることもあるそうです。

 学校教育も時代とともに変化し、保護者さんに、しっかりとしつけてほしいとご要望いただくことがあります。学校の先生よりも近い距離感で、保護者さんと連携して子ども達の成長を見守っていきたいです」

小林千賀子 こばやしちかこ

#chapter3

そろばんを文化の一つとして未来に残すためにも、触れる機会を創出

 小林さんは「立花南珠算教場」に加え、尼崎市立地域総合センター水堂で、そろばん教室の講師としても指導しています。読み上げられた数字をテンポよく足したり引いたり、頭の中で珠(たま)をイメージして暗算したり、そろばんがもたらす算数能力の素晴らしさを多くの人に知ってほしいと、さらに活動の幅を広げていくことを目標として掲げています。

 「地域のイベントに参加して、そろばんに触れてもらえる機会を増やしていくことを構想しています。可能であれば幼稚園、学校等にも赴きたいですね」

 現在通っている生徒は小学生から70代まで幅広い年齢層で、「子どもだけではなく、数字を瞬時に記憶するなど、脳を鍛えるトレーニングの一環として大人への指導も増やしていきたい」と展望。熱意の背景には、そろばんを未来に残していきたいという願いがあります。

 「いつか、そろばんの材料となる木を植樹して環境保護にもつなげたいですね。手仕事で仕上げる職人さんも減っていますので、珠算の裾野を広げることで絶えることない日本文化の一つにしていきたいです」

 近年では電卓やパソコン、スマートフォンで計算するのが主流ですが、自分の指を動かして人間の脳を使うことも大事だと小林さんは続けます。

 「人生100年と言われている昨今だからこそ、そろばんで手と頭を連動させて脳を刺激することが元気に過ごす一助になると考えています。珠をパチパチとはじく音は心地良いので、ぜひ一度、体験にお越しください」
 
(取材年月:2025年4月)

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小林千賀子

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小林千賀子プロ

珠算講師

立花南珠算教場

珠算・暗算・読み上げ算・読み上げ暗算を個々のペースに合わせて丁寧に指導。生徒の自主性を育みながら、右脳や集中力を鍛えます。挨拶や返事、自己管理といった礼儀作法やマナーも指導します。

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