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ファミリービジネスの社外番頭として、次世代につなげる資産づくりをトータルサポート

社外番頭としてファミリービジネスの発展を支えるプロ

朝日奈進

朝日奈進 あさひなすすむ
朝日奈進 あさひなすすむ

#chapter1

20年に及ぶプライベートバンカー経験を軸に、金融以外の課題も多面的に支援

 ファミリービジネス(同族企業)を営む富裕層向けに、一族の永続的な繁栄をサポートする「ファミリーオフィス」。元メガバンクのプライベートバンカーとして20年の実績を誇る「まるたけ」代表の朝日奈進さんは、経験をもとにファミリーオフィス事業を展開しています。

 「同族企業の経営者は、ビジネスの長・ファミリーの長・株主と、三つの顔をあわせ持つため、その悩みは複雑です。例えば、株価上昇は会社にはメリットですが、個人資産で見ると、安易に売却できない上に相続税は増え、利益相反が起こります。そういった事態に、『会社を大きくしない方がいいのだろうか』と苦悩する声は多いですね」

 朝日奈さんの役割は、社外番頭として第三者の視点でオーナーに伴走すること。資産の運用・管理を主とするプライベートバンカーとは異なり、子や孫の教育、結婚などファミリー全体の課題にアプローチするのが特徴です。
 「一口に資産といっても、金融に不動産、税金、相続など領域は多岐にわたります。経営者自らが、金融機関や不動産会社、税理士など士業らとやり取りをして判断するのは困難です。当方が元請けとなり、各専門家と連携しながら一元管理し、本業に専念できるようにします」

 また、多くの同族企業が抱える課題が、家族間の関係だそう。
 「家族の収入源は、役員報酬や配当金など会社に依存するにもかかわらず、不和が生じているケースは珍しくありません。事業は家族のためにあるはずが、本末転倒といえます。そのギャップを埋めるため、家族の間にも立ち、ビジネスと家族が両輪でうまく回るように支えます」

#chapter2

不動産投資や相続などの実務経験を積み、不動産のニーズに専門性を発揮

 朝日奈さんは、メガバンクで約28年勤務し、そのうち通算20年を、東京と大阪でプライベートバンキング業務に携わりました。
 「大切な資産をお任せいただくからこそ、お客さまと信頼関係を築くことに何より重点を置きました。今も心掛けているのは、専門知識を常にブラッシュアップしながら、誠実に対応すること。銀行では一人一人とじっくり関わり、2世代、3世代と、長年にわたってお付き合いが続くお客さまも少なくありませんでした」

 顧客のために力を尽くすうちに、銀行員としての守備範囲にとどまらず、金融以外の分野もトータルでサポートしたいと考えるようになった朝日奈さん。働きながら、副業として2017年に「まるたけ」を立ち上げました。その後メガバンクを退職し、新たなステージとして飛び込んだのが、不動産業界です。現在、まるたけと並行して、大阪にある不動産会社「レム」で勤務しています。

 「経営者の方々から必ず出てくるのが、不動産にまつわるお悩みです。不動産業務に精通することで、ファミリーオフィス事業とのシナジーが期待できると考えました。レムは、不動産の売買仲介はもちろん、海外の不動産投資や相続対策のコンサルティングを得意とする会社です。一から実務経験を積むとともに、採用や人材育成など組織づくりにも従事し、経営者側の目線も養っています。ゆくゆくは〝不動産に強いプライベートバンカー〟として、業界のパイオニアを目指したいですね」と力を込めます。

朝日奈進 あさひなすすむ

#chapter3

家族関係にもアプローチし、ビジネスとファミリーの永続的な発展に貢献

 社名の「まるたけ」は、朝日奈さん自身の一族に由来します。偶然見つけた家系図に記された、先祖が営んでいたふとん商店の屋号から名付けたとか。「家族は代々つながっていくものです。古きよき日本の家族のあり方を改めて見直したいという思いを込めました」

 その思いに至ったのは、これまでの経験が大きいと言います。
 「子どもの頃、裕福とはいえず、お金のことで家族がうまくいかない姿を目の当たりにしました。プライベートバンキング業務で、富裕層の方々から『長年、妻と直接話をしていない』など家族の悩みも多く寄せられ、家族仲はお金があれば良くなるわけでもないと痛感。私自身も家庭を持ち、家族の大切さが身に染みるようになり、一族が繁栄するベースはお金がすべてではなく、良好な家族関係にもあるのではないかと思うようになりました」

 家族に限らず周囲に悩みを打ち明けられる相手がおらず、孤独を抱えている経営者は多いでしょう。
 「外部の人間だからこそ、何でも気軽に話せる相談相手になれ、他社の事例もふまえてアドバイスもできます。ビジネスだけでなく、夫婦や親子のコミュニケーションなど、ファミリー全体のマネジメントにも目を向けると、次の世代に着実に財産を受け継いでいける体制づくりにつながります」

 銀行員時代の顧客と、今も個人的に連絡を取り合うなど、長い付き合いを大切にする朝日奈さん。何世代にもわたる長期的な視点で、ファミリーの発展を支えます。

(取材年月:2023年2月)

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専門家プロフィール

朝日奈進

社外番頭としてファミリービジネスの発展を支えるプロ

朝日奈進プロ

ファミリービジネスコンサルタント

合同会社まるたけ

メガバンクでプライベートバンカーとして20年の実績を持ち、同族企業の経営者とそのファミリーを多面的にサポートするプライベートオフィス事業を展開。資産運用をはじめ、不動産売買や不動産投資の実務経験も。

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