さまざまな施工で家周りを快適にする外構・造園のプロ加門佳和

さまざまな施工で家周りを快適にする外構・造園のプロ

加門佳和

設計から施工まで一貫して手掛け、庭じまいを含め住まいの外周りを整備

　「カーポートや物置、フェンス、塀、玄関アプローチ、テラスを設置したり、天然芝や人工芝を敷設したり。除草、伐採などのメンテナンスも含め、お家周りのことは私どもにお任せください」

　そう呼び掛けるのは、兵庫県神崎郡を拠点に活動する「神崎造園土木」の2代目、加門佳和さん。
　1986年に創業した父・建身さんは庭師として50年以上の実績があり、庭造り、庭木の剪定や植栽といった造園業に従事してきました。自身は建築・土木の分野で経験を積み、外構とエクステリアの新築や改修に対応。不要になった物置などの解体、廃棄物の撤収、高齢化などにより管理ができなくなった際の庭じまいも請け負っています。

　「当方では設計から施工まで一貫して手掛け、お客さまのご要望を形にできるのが強みです。庭専用の製図ツールCADを用いて立体的で具体的な図面を作成し、イメージをすり合わせます」

　加門さんのもとでは各種メーカーの資材や製品を取り扱い、新しい情報にも常に目を光らせています。
　「最近では、黒い屋根材を使ったカーポートが販売され、ちょうどご相談のあったお客さまにご案内しました。スタイリッシュな雰囲気で、とても気に入ってもらえました」
　ほかにも、インターホンや照明、ポストを組み込んだ機能門柱、宅配ボックスを埋め込んだブロック壁などのニーズも高まっているとか。

　「『お客さまの思いを受け止め、皆さまが笑顔になれる仕事をする』をモットーに、ライフスタイルに合わせて家周りのプランニングをいたします。近隣配慮の観点から工事前の事前挨拶なども重視し、工事前から明るく気持ちの良い業者を目指しています」

庭師の父から職人としてのこだわりと熱意を学び、妥協せず現場仕事にまい進

　大学では経済学を専攻していた加門さん。学生時代に家業を手伝うことはあっても、後を継ぐ気はなかったそうです。
　「しかし、大学の先輩や友人らの様子から会社勤めには、やりがいを見いだせず、父のように、自分自身を資本にして各所に赴き、お客さまと向き合うことに心を惹かれました。職人としてさまざまな現場を知るため、住宅の改築や解体、壁塗りなどを行う左官のほか、護岸復旧といった公共工事にも携わりました」

　小さい頃から、庭師である父の背中と、事務を一手に引き受けサポートする母の姿を見て育ち、修行を経て「(有)神崎造園土木」に入ることを決意。苦労して自分を大きくしてくれた両親と、2人が長く身を置いた業界に恩返しがしたいと考えたからです。

　「父からは、何事にもこだわりと熱意をもって取り組むことの大切さを教わりました。ものづくりは繊細で、わずか1〜2㎜の違いでも出来栄えが変わってきます。責任を持って細部までぬかりなく手を施し、自信を持って引き渡す、プロとして芯の通った姿勢を見習っています」

　身に付けた知識と技術に、父から学んだ職人の心構えも加わった加門さんは、妥協を許さない働きぶりで顧客との信頼関係を築いてきました。
　「一つとして同じ環境や要件はないので難しいケースもありますが、お客さまの希望に添いながら、全体の調和を図ることを心掛けています。父のように手際よく仕上げられるよう、さらに腕を磨きたいですね」

暮らしに合わせて庭をリフォーム。ものづくりの楽しさを若い世代に伝えたい

　「近頃は世代交代に合わせ、庭のリフォームや庭じまいも増えてきました。お子さんが独立したので手入れのしやすいシンプルなデザインにしたり、子ども世帯と同居するために駐車スペースを増やしたり、皆さまのリクエストに応えています」

　愛着のある空間に手を加えるにあたっては、顧客と丁寧にコミュニケーション。思い出のある木は移動して残すなど、家族の絆を紡ぎます。また、放置された端材などの不用品は、住まいの見栄えにも影響するうえ、つまずいてケガの恐れもあることから回収もしています。

　家周りの快適で豊かな暮らしを叶える仕事に、誇りを持つ加門さんには、懸念していることもあります。それは業界の人材不足です。
　「若い世代、大学へ進学した人にも興味を持ってほしいですね。屋外での作業は、デスクワークにはない開放感があり、体を動かすことが好きな人、毎日違うことがしたい人に向いています」

　ものづくりが好きな人にもうってつけで、提案に賛同を得た時や周囲と協力しながら完成した時の達成感、顧客の喜ぶ顔はかけがえのないものだと言います。

　「昨今は建設現場で活躍する女性も目にします。多様性が重視される今、キャリアの選択肢の一つとして考えてもらえたらうれしいです。当方でも福利厚生の向上に励んでいます。例えば、電動工具を従来のエンジン式からバッテリー式に移行中ですが、近隣への騒音の配慮だけでなく、軽量化により従業員の作業負担を減らすためです」

　さらに、仕事内容をホームページで発信したり、地元の高校を訪問して魅力を伝えたり、業界全体の発展にも尽力しています。

（取材年月：2024年1月）

外構や造園など家周りの施工・改修を通じて、快適で豊かな暮らしを提案

設計から施工まで一貫して手掛け、庭じまいを含め住まいの外周りを整備

庭師の父から職人としてのこだわりと熱意を学び、妥協せず現場仕事にまい進

暮らしに合わせて庭をリフォーム。ものづくりの楽しさを若い世代に伝えたい

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