PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

短編映画など、ブランドストーリーを伝える場をつくり、地域の生産者を応援

地域特産品のブランド力を高め、販路拡大を導くプロ

宮成秀治

宮成秀治 みやなりしゅうじ
宮成秀治 みやなりしゅうじ

#chapter1

著名人を起用し、地域の魅力を伝える短編映画を通したPR活動に注力

 「特産品の認知度を上げたい」「消費者に直接販売したい」など、現状に課題を感じている生産者のブランディングや販路拡大を支援する「雪国物語」。代表取締役の宮成秀治さんをはじめ、ITや広告業界の第一線で活躍するメンバーが集まり、サポートを手掛けます。

 対象は、漁業や農業、畜産、酪農など、食を支える地域の生産者。作り手の思いやものづくりの背景を丁寧に聞き取り、消費者に向けてストーリーとして伝えることに重点を置きます。短編映画や動画を活用したPRや、ロゴやパッケージなどのデザインをサポート。WEBサイトやSNS、ふるさと納税、TVショッピング、ライブコマースなど多様なBtoC向け販売チャネルに対応します。

 中でも力を入れるのが、地域の魅力を伝える短編映画の製作です。アイドルグループ「AKB48」のメンバーで北海道出身の坂口渚沙さんを主演に迎えたシリーズ作品「雪国物語」と「オホーツク流氷物語」では、それぞれ札幌・小樽と紋別が物語の舞台に。また、鳥取・境港市を描き、同県出身の格闘家・武尊さんが主演して話題となった「星取物語」も。いずれも地域創生をテーマにした映画祭で注目を集めました。

 「ある作品では、オホーツク海の厳しい環境下で行うホタテ漁の漁船の上で撮影し、人気アーティストの楽曲を用いて映像化しました。生産物が食卓に届くまでの背景を消費者に伝えることは、選ばれる要素の一つになります。芸能界との人脈により著名人を起用するなど、話題性や作品のクオリティーを高め、観る人の心に残る映像に仕上げます」

#chapter2

「故郷のために」との思いを原点に、北海道の水産会社の支援で起業

 大学卒業まで北海道で過ごし、上京して外資系IT企業で働いていた宮成さんが、事業を始めたきっかけはコロナ禍でした。
 「当時、IT業界は売り上げが伸びていましたが、地元にいる友人からお店や会社が倒産したなど、コロナによる影響を聞き、心苦しい気持ちになりました。地元のために何かやりたいと思い、同じく北海道出身の仲間とともに事業を立ち上げることに。ITや広告領域の強みを生かせるネット通販で、生産者のお役に立ちたいと考えました」

 2021年に「雪国物語」を設立。北海道をイメージした「雪国」と、「物語」をあわせたのは、特産品に込められた思いや歴史をストーリーとして提供できる場をつくりたいとの思いからだそう。
 「とはいえ、費用対効果が見えにくいブランディングにコストをかけることをためらう経営者は多いので、成功報酬型で利用しやすい価格設定にしています。また、会えば会うほどお互いの理解は深まると考え、毎週のように現地に通うなど、温かみのあるコミュニケーションを心掛けています」

 宮成さんの父が水産関連の仕事をしていた縁から、最初は北海道にある水産加工会社のネット通販を手掛けることに。取り組みが評判を呼び、全国の生産者にもサポートを広げました。
 「『ネットのことはよく分からない』と言われる生産者は多いですが、すべてお任せではなく一緒に取り組むことを大事にしています。特産品には地域で守られてきたものが多いので、周囲の事業者や行政とも連携しながら、事業の成長を導きます」

#chapter3

IT業界の第一線での知見を地方に還元し、課題解決に貢献

 宮成さんは、大学卒業後、ITエンジニアとして、大手銀行グループのシステム保守に従事。その後、外資系IT企業で、ビジネス向けのクラウドツールを扱う部門のセールスマネージャーを務めました。
 「クライアントは、日本を代表する大手企業の経営層が中心で、折衝力や交渉力が養われました。特に映画製作はPR力を高めるために、地方自治体を巻き込むことが重要になるので、経験が役立つ場面は多いですね。また現在も、雪国物語の事業と並行して、東京でIT業に携わっており、先端の技術や情報を地域に還元できます」

 最近うれしかったのは、北海道・浜頓別町での映画撮影に参加したインフルエンサーが、SNSで地元の特産品を発信すると大きな反響があり、町民から喜ばれたことだそう。
 「企業の利益を追求することはもちろん、例えばふるさと納税の増収につなげるなど、目に見える形で地域に貢献していきたいですね」と決意を語ります。

 目指すのは、地方に根差した事業者のブランド価値を高め、課題解決につなげること。ヒアリングの中で、経営者自身も気付いていなかった潜在的な問題が明らかになることもあるとか。
 「社長自ら営業をこなし〝自分がいなければ成り立たない組織〟から脱却し、次の時代に引き継げる体制づくりをお手伝いするケースも。後継者不足の悩みには、ブランドを強化して事業売却の道を描くこともできます。『今のままではいけない』とのお悩みにさまざまな手を尽くして応えます」

(取材年月:2023年11月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

宮成秀治

地域特産品のブランド力を高め、販路拡大を導くプロ

宮成秀治プロ

ブランディング・販路拡大のコンサルタント

株式会社雪国物語

地域の特産品のブランディングや販路拡大をサポート。生産者の思いをストーリーとして伝えることを重視し、短編映画によるPRに力を入れています。ECサイトやSNSなどBtoC向け販売チャネル立ち上げも対応。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ北海道に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または北海道テレビ放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO