司法書士の知見で元気に長く生きる準備を支える終活のプロ
上田浩司
Mybestpro Interview
司法書士の知見で元気に長く生きる準備を支える終活のプロ
上田浩司
#chapter1
相続や終活というと、「資産が多い人の話」「まだ先のこと」と感じる人も多いかもしれません。しかし、苫小牧市の「アンドリーガル」で代表を務める司法書士の上田浩司さんは、「終活というのは、亡くなる準備ではありません。元気で長生きするための準備なんです」と語ります。
同事務所には、30代から80代まで幅広い世代が相談に訪れます。被相続人となる本人や家族からの遺言書作成、生前贈与、家族信託に関する相談のほか、身寄りのない方の死後事務委任まで、その内容は多岐にわたります。近年は、テレビや各種メディアの影響もあり、「何か備えておいた方がよいのでは」と考える人が増えているといいます。
中でも多いのが、認知症による資産凍結への不安。自宅を所有していても、判断能力が低下すると売却や活用ができなくなり、施設入居の費用が捻出できないケースもあります。そうしたリスクに備える方法の一つが、家族信託です。
「元気なうちに契約を結んでおくことで、将来、家族が財産管理や不動産の処分を行えるようになります」
また、「うちは財産が少ないから大丈夫」と考える人ほど注意が必要だと指摘します。家庭裁判所で扱われる遺産分割調停では、600万円前後の案件が多く、むしろ少額のほうが感情のもつれが生じやすい現実があるからです。
「相続は金額の問題ではなく、人の気持ちの問題です。だからこそ、争いになる前に手当てをしておくことが大切なんです」
相続・終活を「予防法務」として捉え、将来の不安を安心に変える。それが、上田さんが大切にしている支援の姿勢です。
#chapter2
上田さんが司法書士を志した背景には、父との約束がありました。工業高校を卒業後、地元企業で働きながら将来を模索していた20代後半、突然、父親が亡くなります。
生前、父に「将来どうするつもりだ」と問われたとき、上田さんは「司法書士の資格を取って独立する」と答えていました。その言葉を胸に刻み、会社勤めのかたわら勉強を開始。通信教育で学び、3度目の挑戦で司法書士試験に合格しました。
資格取得後は、愛知県岡崎市で不動産登記を中心に実務経験を重ねました。多様な案件に触れる中で、「争いになってから解決するより、争いにならない形を先につくる方が、依頼者のためになる」という考えを確かなものにしていきました。
現場では、相続をきっかけに、仲の良かった家族の関係が壊れる場面を見ることもありました。親世代が「子ども同士は仲がいいから大丈夫」と思っていても、それぞれの配偶者が意見を述べたことをきっかけに話し合いが難航するケースは少なくありません。また、財産の一部を伏せたまま手続きを進めた結果、後から無効になるリスクが生じることもあります。法律上は違法でなくとも、後々の紛争の火種になる可能性があるからです。
「相続や終活は、家族の未来を守る予防法務です」と上田さん。目先の希望をそのまま形にするのではなく、「なぜそうしたいのか」を丁寧にくみ取り、選択肢とリスクを正直に伝えています。
#chapter3
生まれ育った地元・苫小牧で独立開業して10年余り。苫小牧市内や近隣町村の人々の声に耳を傾ける中で、上田さんは、相続や登記といった手続きだけにとどまらない終活支援を目指すようになりました。
まず始めたのが、プライベートレンタルジム「Unlimited(アンリミテッド)」の運営です。高齢者が足腰を鍛え、健康寿命を延ばすことは、結果的に介護や相続の問題に、元気なうちから向き合うことにもつながると考え、現在は苫小牧市内で2拠点を展開しています。
「法律も健康も、人生の質に影響を与えるもの。財産の心配がなくなっても、体が弱ってしまったら不安は消えません。だから筋肉の貯筋も、終活の一部だと思っています」
今後は、司法書士としての相続・遺言・家族信託といった法務支援を軸にしながら、将来的には葬送や死後事務まで含めたトータルな終活支援を構想。「特定の制度や商品を押し出すのではなく、その人の家族関係や価値観、暮らし方に合わせて、何を、どこまで備えるかを一緒に考える存在でありたい」と話します。
「終活という言葉に、どこか『縁起でもない』と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当は、これからをどう生きるかの話です。相続や終活に向き合うことは、人生の終わりを意識することではなく、残りの時間を安心して、自分らしく過ごすための選択なんです」
争いを未然に防ぎ、不安を安心に変える。その積み重ねが、家族と地域の未来を支えると考える上田さん。これからも地域に寄り添い続けていきます。
(取材年月:2026年1月)
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Profile
司法書士の知見で元気に長く生きる準備を支える終活のプロ
上田浩司プロ
司法書士、行政書士
司法書士法人アンドリーガル
相続・終活を争いになる前に整える予防法務が強み。遺言・家族信託・死後事務まで、家族関係や価値観を丁寧に伺い、リスクを正直に共有しながら将来の不安を安心へとつなげています。
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