地域の健康を支える医療のプロ
山根基
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地域の健康を支える医療のプロ
山根基
#chapter1
広島県廿日市(はつかいち)市にある「山根クリニック」。1994年の開業以来、院長の山根基さんを中心に、地域のホームドクターとして住民の健康を支えてきました。
「当院には3名の常勤医師がいます。私は主に、内痔核をはじめとする肛門疾患と各種がん検診を受け持っています。中でも、日帰りで切らずに治せる内痔核治療と、日本の女性のがんで最も多い乳がんの診療に力を入れています」と、山根さん。
痔に悩む患者は、性別や年齢を問いません。便秘症であったり、長時間立ちっぱなしの仕事に就いていたり、出産後に痔を患う女性も少なくないと話します。
山根さんは女性も診察を受けやすいように、「ジャックナイフ」と呼ばれるうつぶせの体勢を採用しています。ベッドであおむけになる状態に比べて体を楽に保てるほか、顔を下に向けることで表情を見られることがなく、紙パンツで肛門以外の部分を覆うことで恥ずかしさをやわらげることができます。
内痔核の治療は「ゴム輪による結紮療法」と「ジオン硬化療法」という注射を用いた方法がメインです。患部を切る手術が不要で、処置にかかる時間は5分程度のため、肉体的にも精神的にも負担が軽いと山根さんはいいます。
「乳がんの検査については、X線撮影のマンモグラフィーと、超音波診断の乳腺エコーを実施しています。良性・悪性を判断する穿刺細胞診、針生検による病理診断も行い、がんが見つかった場合は専門的な病院を紹介します。広島県内には多くのがん拠点病院があり、患者さまのご希望に添ってお話をさせていただきます」
#chapter2
院長の山根さんと一緒に、地域の人たちに寄り添いケアにあたるのは、副院長で内科、外科を担当する長男の山根宏昭さんと、長女で内科を担当する山根亜紀さんです。宏昭さんはがん化学療法を、亜紀さんは胃カメラ・大腸カメラの検診など、3人それぞれの専門分野を生かして、総合的な診療を提供しています。
「医師が3人いるので、『緊急で検査、往診をしてほしい』といった要望もお受けしています。また、内科を受診したものの、外科による手当の方が適切だとわかった場合にも、当院の中で臨機応変に対処することができます」
また、「JA広島総合病院」「広島大学病院」といった近隣の医療機関ともネットワークを構築し、手術や入院が必要となった場合にもスムーズな連携を可能にしています。
「当クリニックは、診療科のレパートリーが多いと思います。院内設備や検査機器も充実させておりますので、日々の体調管理や病気の発見など幅広く対応する『究極の家庭医』として、地域のみなさまに貢献していきたいですね」
山根さんは独立・開業する前、広島大学を拠点に外科医として知見を深めてきました。内科、整形外科などの専門外の分野に触れる機会も多く、医師として幅広い見識を持つ大切さを学んだことが、現在の診療方針につながっているといいます。
#chapter3
山根さんは広島市の出身。医師を志したのは若くして亡くなった叔父の影響が大きかったそうです。「叔父は海軍兵学校に在籍中に、医師になりたいという夢をかなえることなく亡くなりました。私が生まれる前の戦時中の出来事ですが、子どもの頃に母からよく聞かされた叔父の話が強く印象に残り、その遺志を引き継ぎたいと思うようになりました」
広島大学教育学部附属高校から広島大学医学部へ進学。卒業後は一貫して広島県内で経験を積んできました。40年以上にわたり臨床に携わってきた山根さんは、クリニックの業務と並行して、2014年からは佐伯地区医師会会長として地域医療の充実に貢献しております。
「地元を代表する大きなスポーツイベントに『はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会(主催・同実行委員会)』があり、これまで救護班の一員として参加してきました。2020年と2021年はコロナ禍の影響で中止となりましたが、スポーツを通した健康増進も大切な使命だと考えています」
近年は「住み慣れた家で最期を迎えたい」と願う患者が増えており、在宅医療のニーズが高まっています。山根さんのもとでは、息子の宏昭さんが訪問診療や往診に精力的に取り組んでいます。
「さまざまな健康上の悩みや困りごとにお応えできるクリニックとして、引き続き地域に根ざした活動を続けていきたいですね。どんなことでも結構ですので、まずは遠慮なく相談してください」と語りました。
(取材年月:2021年12月)
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Profile
地域の健康を支える医療のプロ
山根基プロ
医師
医療法人緑康会 山根クリニック
一般外科を担当する山根基院長を含め、それぞれに専門分野を持つ3名の医師が常勤。内科、外科、整形外科。肛門疾患、がん検診に力を入れる。訪問診療、往診、緊急な検査にも対応し、地域の医療を支える。
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