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人の心の使われ方を理解し、課題解決へ導くメンターを企業の力に

メンターを育成し、社員が育つ企業風土をつくるプロ

矢吹宜大

矢吹宜大 やぶきまさひろ
矢吹宜大 やぶきまさひろ

#chapter1

スキルアップや行動のもとになる思考特性を整え、個の成長を図る

 「組織は個の集合体。組織の発展には個の成長が欠かせません。スキルや行動のベースとなる、一人一人の〝考え方のクセ〟を整えることが重要です」と話すのは、「ヒューマンズ・プロジェクト」代表取締役の矢吹宜大さん。企業の人材育成や風土醸成として、社内メンターの育成・導入をサポートしています。

 矢吹さんが提案する「メンター」とは、人の心の使われ方を正しく理解し、課題解決へと導ける人のこと。厚生労働省が推進する、若手の離職防止などを目的に、先輩社員が後輩社員に助言を行うメンター制度とは異なるそうです。
 「メンターは、自らの価値観でアドバイスしたりグチを聞いたりする係ではありません。脳の仕組みや心のあり方を論理的に学び、思考特性を整えることで、個人の目標達成、ひいては組織全体の目標達成をリードする役割です」

人は無意識で判断・行動するため、メンターの存在が重要と話します。
 「思考の枠組みは、その人が幼い頃から何度も反復してきた思い込みから形成されるので、自分で気付くことは難しいです。その思い込みを認知し、結果が出る考え方へと変革させることに導くメンターがいれば、組織は確実に伸びていきます」

 社内にメンターが存在することで、業績不振や人手不足など、さまざまな経営課題の解決につなげられます。
 「問題が起こった際に、その原因を外部に求めると、解決策が見いだせず、あきらめがちです。メンターは、原因を内に求めるため、自分次第で結果が変わります。組織であれば、自社をどう改善すればいいかという前向きな思考を生み、組織の活性化や業績アップにつながり、ひいては人材の確保にも良い影響をもたらします」

#chapter2

脳科学や認知心理学を取り入れた「メンタープログラム」を通して、社内にメンターを育成

 メンター導入に向け、まずは経営者自身がメンターとして社員と関われるよう、理解を深めます。脳科学や認知心理学などを取り入れた「メンタープログラム」を通して、自分を知ることからスタートします。
 「業績不振など思い通りにいかないことを、社員や市場環境のせいにしていませんか。誰かのせいではなく、自身の思考を整えることから始めましょう。トップが理解してこそ、川上から川下へと、社内に浸透を図れます」

 次に、経営者に個別の面談を行いつつ、社内には社長の思いを共有するメンターを育成していきます。各部門のメンター育成から、メンタリングのサポートまで、導入支援を行います。
  「座学だけでなく、現場に落とし込むところまで伴走します。サポート内容は、企業規模やニーズに応じてカスタマイズ可能です」

 矢吹さんは、それぞれの可能性を信じることを大事にしています。
 「そもそも〝やる気がない〟〝モチベーションがない〟という人はいないものです。一人一人を尊重し、ご自身の中で『何のためにやるのか』と目的を確立させることを後押しします」

 2013年に独立以来、結婚式場やエステ、ホテル、厨房機器販売業、美容室、介護施設、葬祭業など、さまざまな業界で支援実績を誇る矢吹さん。経営者からは「社員が元気になった」など変化を実感する声が届いています。
 「大分のある結婚式場では、現場に活気が生まれ、さまざまなアイデアが出るようになりました。コロナ禍で問い合わせの絶対数は減ったものの、成約率が上がり、業績が落ち込むことなく事業を継続できたと評価されました」

#chapter3

個人向けセミナーや目標達成の実現度を高めるプログラムも

 矢吹さんは、前職の冠婚葬祭業で約30年勤務し、結婚式場の支配人を経て、取締役として営業企画や人材育成にも従事。業績不振に陥った際、解決策として取り入れたのが、メンターでした。
 「ピーク時は年間300組だった結婚式の取り扱い件数が、10年間減り続け、半数近くまで落ち込みました。外部の要因ではなく、自社に目をやり、お客さまや社員に喜んでもらうという視点で取り組むと、導入後1年で下げ止まり、V字回復しました。結果を目の当たりにしたことが事業を始めたきっかけです」

 個人向けのセミナーも手掛け、経営層や子育て中のママなど、さまざまな立場の人が受講しているそう。
 「物事のとらえ方が変わり、『生きやすくなった』『可能性を信じて行動できた』という声が聞かれます。今後は、若い世代の方々にも、心の使い方を伝えたいですね」

 さらなるステップとして、目標達成に役立つプログラムも用意しています。
 「重要なポイントは「臨場感」です。経験したことには臨場感がありますが、新たな目標には、記憶の中から情報を探しても答えはなく、臨場感が生まれず、不安だけが生まれ、人は先送りにするのです。しかし、人は現実とイメージの区別が付かないため、その脳の特性を逆手にとって、目標達成へと進んでいけるのです」

 社員が育つ企業風土づくりを目指す経営者に向けて、こうメッセージを送ります。
 「個々のスキルアップは重要ですし、行動することも必要です。しかし、全てのもとになるのが思考特性です。そこを整え、一人一人の人間力を高め、組織の発展につなげます」

(取材年月:2024年7月)

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矢吹宜大

メンターを育成し、社員が育つ企業風土をつくるプロ

矢吹宜大プロ

人材育成コンサルタント

ヒューマンズ・プロジェクト株式会社

人の心の使われ方を正しく理解し、課題解決へ導く「メンター」を社内に育成。座学からメンター育成・導入までトータルサポートし、社員が育つ企業風土づくりを導きます。ブライダルなど幅広い業界で実績があります。

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