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相続相談を通じて将来への“気付き”を引き出す、司法書士は人生のパートナー

司法書士資格で相続の生前対策から発生後の手続きまで支えるプロ

渡邉一史

渡邉一史 わたなべかずふみ
渡邉一史 わたなべかずふみ

#chapter1

相続登記の義務化で依頼が増加。人気は大幅な負担軽減が見込める「遺産承継丸ごとサービス」

 広島市と東広島市を拠点に法律関連の相談に乗っている「司法書士法人渡邉事務所」の代表・渡邉一史さん。これまで1000件を超える依頼を受ける中、近年は相続サービスの利用者が大幅に増えたと話します。

 「背景にあるのは2024年の『相続登記の義務化』です。親などから不動産を受け継いだ際には法務局への申請が必須になり、手続きを代行できる司法書士が頼りにされるようになりました。『突然の出来事で何をすればいいのか分からない』『忙しいからサポートしてほしい』といった問い合わせを頻繁にいただきます」

 中でもニーズが高いのは「遺産承継丸ごとサービス」。他の相続人や財産の調査、遺産分割協議に向けた中立公正な第三者の立場でのアドバイス、預貯金や不動産の名義変更、相続税の申告は信頼できる税理士を紹介するなど煩雑な作業をまとめて引き受けます。

 「近頃は家族葬が選ばれるようになった一方、訃報を知った故人の関係者による弔問が数カ月にわたり続くと聞きます。普段の仕事や家庭の用事もあるため、これでは相続手続きどころではありませんよね。役所や銀行とのやり取りも代行するので、負担軽減のためにもぜひご利用ください」

 また、被相続人となる人には判断力のあるうちに「遺言作成コンサルティング」の利用を推奨。相続後に親族間で不要なトラブルが起こらないよう、自らの財産の分配について事前に明確にしておくことが大切だと助言します。

 「税理士と連携して相続税も計算し、適切な配分をご提案します。さらに一度作成した後も、ご家族の状況の変化や法改正に合わせて内容を見直します。もちろん遺言が正しく執行されるか見守るのも私の大切な役目です」

#chapter2

隠れていた将来の課題を明らかにし、依頼者と一緒に対策を練るのが醍醐味

 父親が自宅で不動産業を営み、物心ついた頃から「家や土地の売買で所有者の名義を変更するには司法書士の助けが必要」と認識していたという渡邉さん。依頼者のトラブルを解決して喜ばれた話などを日常的に耳にするうち、将来の仕事として意識するようになります。

 「大学では法学部に進み、一般企業への就職を考えた時期もありました。複数の会社から内定をいただきましたが『こんなに順風満帆の人生でいいのだろうか』と葛藤し、思い切って昔から親しんできた司法書士を目指すことにしました。難関なのは承知の上で、当時は寝食を忘れるほど勉強に没頭しましたね。何度も試験に落ちましたが『法律の知識で誰かの役に立ちたい』との思いは持ち続け、無事に合格を果たしました」

 資格取得後は先輩司法書士の下で実務を学び、知人の支えもあって独立。やがて同期と共に「司法書士法人渡邉事務所」を立ち上げます。

 「現在は4人の司法書士をはじめ、起業を助けてくれた土地家屋調査士も合同して毎日の業務に臨んでいます。さらに税理士や弁護士など他士業との関係も深く、依頼者さまの課題や悩みをワンストップで解決に導けるのが強みですね。ご要望に応えるのは前提として、皆さんが見えていなかった問題点も掘り起こし、共にゴールを探す人生のパートナーでありたいです」

 仕事の醍醐味は、まさにこの“気付き”を引き出すこと。目の前の相続手続きだけでなく、子や孫の未来にも目を向け「改めて親族の絆を大事にしたくなった」「認知症対策の必要性を感じた」「とにかく頭の中や気持ちの整理ができてうれしい」といった声を聞くのが何よりの喜びだ、と続けます。

#chapter3

自社株の分散を防ぐ方法もアドバイス。全ての当事者が納得できるサポートを重視

 渡邉さんは中小企業の経営者向けに「自社株承継コンサルティング」も実施。株式を相続する場合、親族間で分け合うと経営権や意思決定権の分裂につながることから「後継者に集中させる方法」や「買い戻し資金を調達する手段」を提案しています。

 「『後継者がいない』『自社株を持っている両親が高齢なので準備しておきたい』といった相談もよく受けます。うまく承継できないと相続税の負担が増したり、事業の存続が難しくなったりするので放置せず向き合っていただきたいです」

 いずれのケースでも大切にしているのは、全ての当事者が納得できるような支援に努めること。「不満があっても兄や姉には何も言えない」など親族間でパワーバランスがある状況でも、円滑に話し合える場をセッティングするので我慢しないでほしいと言います。

 「依頼者さまのメリットを求めるだけでなく、関わる方々全員でベストな答えが出せるようリードするのが司法書士ならではの役割です。初回相談は無料で、当事務所に来るのが難しい場合はご自宅への訪問やWEBミーティングも行っています。また、相続とは直接関係のない『運転免許の返納方法を知りたい』といった問い合わせでも構いません。イライラやモヤモヤを抱えて生きるのではなく、私たちに話して憂いのないすっきりとした日々をお過ごしください」

(取材年月:2025年7月)

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渡邉一史

司法書士資格で相続の生前対策から発生後の手続きまで支えるプロ

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司法書士法人渡邉事務所

相続の生前対策として遺言作成の提案、相続登記、財産や自社株などの遺産承継まで担当できる司法書士。税理士や弁護士と連携して依頼者の悩みをワンストップで解決。他の親族の気持ちにも配慮した提案を得意とする。

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