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心理的安全性を土台に、自分軸で輝く人と組織を支える

ファシリテーターの知見で心理的安全性と対話の組織をつくるプロ

有田靖予

有田靖予 ありたやすよ
有田靖予 ありたやすよ

#chapter1

安心して本音や意見を出せる関係性から新たな創造が生まれる

 広島県尾道市を拠点に活動する「Sunny Seeds Project」代表・有田 靖予さんは、教育現場や企業に向けて、心理的安全性を育む「場づくりの対話プログラム」を提供しています。近年、組織マネジメントの分野で注目される心理的安全性を、有田さんは「安心して本音や意見を出せる土台」と表現します。

 プログラムの中心となるのが、即興演劇の手法「インプロ」です。台本を用意せず、その場で生まれたやりとりから物語を紡いでいく手法を応用し、参加者同士が影響し合いながら、その時その人たちでしか作り出せない成果を共有するのです。

 「即興では想定外の出来事が必ず起こります。失敗もあります。しかし、それを否定せずに受け入れることができたとき、新しい可能性が立ち上がります。私自身が体験し、自分の行動に対して他の人が関わることで新しい創造が生まれることに感動しました。もっと深く知りたいと、学びを重ねました」

 心理的安全性の醸成において、特に重視しているのが「フォロー力」と「イエスアンド力」です。フォロー力とは、誰かの発言や小さなつぶやきに対して、きちんとリアクションし、共感を示す力。イエスアンド力とは、相手の意見をいったん受け入れた上で、「さらにこうしたらどうだろう」と建設的に広げていく姿勢を指します。

 「組織マネジメントにおいては、結果の質を追い求めがちですが、本当に大切なのは関係性の質です。関係性が整えば、結果は自然と高まっていきます」と有田さん。プログラムは理論理解にとどまらず、身体感覚として持ち帰ることのできる体験の場となっています。

#chapter2

教育現場で磨いた「自分軸」を育てるまなざし

 有田さんの活動の背景には、教育現場での長年の実践があります。ベンチャー企業勤務を経て小学校の支援員となり、その後は中学校を中心に10年間、英語教員として教壇に立ちました。英語が苦手な生徒や、教室に入りづらさを感じている子どもたちへの支援に力を注いできました。

 「スポットライトの当たらない子に光を当てたい。スポットライトの当たり方を知らない子たちに、その当たり方を伝えたいと思っていました」

 自信を持てずにいる子どもたちに、「そのままでよいところがたくさんある」と伝え続ける日々。粘り強く関わる中で、少しずつ表情が変わり、発言が増え、自分の意見を言えるようになる姿を見てきました。スクールソーシャルワーカーとしても活動し、学校・家庭・地域をつなぐ立場から、多様な背景をもつ子どもたちと向き合っています。

 さらに、英語教室「SUNNY SWITCH」も主宰。「英語×自分軸表現」をコンセプトに指導を行い、英語の4技能を伸ばすことはもちろん、その土台にあるのは、「自分のことを自分の言葉で語れる力」。プレゼンテーションや小論文、憧れの職業になりきる表現活動などを通して、自分の好きなことや価値観を掘り下げ、作文嫌いだった生徒が市長賞を受賞したケースもあるといいます。

 「自分の軸が見えてくると、人は自然と伸びていくのです」

 総合型選抜入試への対応も視野に入れ、子どもたちが自分自身の強みを言語化できるよう支えています。

有田靖予 ありたやすよ

#chapter3

1on1セッションで、本音と未来を掘り起こす

 学生・保護者・教員を対象とした1on1セッションにも対応。不登校や進路の迷い、自己理解、親子関係、学校での人間関係など、扱うテーマは多岐にわたります。

 「心の中のもやもやを一緒に言葉にしていきながら、本当はどうなればうれしいのかを丁寧に探っていきます。セッションではまず、安心して本音を話せる場づくりを徹底しています。悩むということは、実はチャンスなんです。マイナスだと思っているその裏側には、『こうなりたい』という願いが隠れていると考えています」

 「こんなはずではなかった」という思いの奥には、本来の望みが眠っています。それを丁寧に掘り起こし、自分の軸で歩む力へと変えていくことが、伴走者としての役割です。
 保護者からの相談では、子どもとの関係に悩んでいるケースが多いといいます。親子同席のセッションにも対応し、必要に応じて学校や支援機関と連携することもあります。また教員からの相談には、守秘義務に配慮しながら事例の整理を支援。多様化する子どもたちと向き合う現場で、悩みを抱える教員は少なくありません。

 「悩む先生ほど、本気で子どもと向き合っています。その思いを整理するだけでも、関わり方は変わっていきます」

 有田さんの取り組みには、変わらない軸があります。人が安心して本音を語り、自分の軸に気づき、自らの意思で一歩を踏み出せるよう支えること。心理的安全性を土台とした対話の場づくりの実践が、個人と組織の可能性を開きながら広がっています。

(取材年月:2026年2月)

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有田靖予

ファシリテーターの知見で心理的安全性と対話の組織をつくるプロ

有田靖予プロ

ソーシャルワーカー

Sunny Seeds Project

学習に課題がある生徒への指導、スクールソーシャルワーカーの経験から、心理的安全性を醸成する組織づくりプログラムを提供。1on1セッションでは、子どもから大人まで、自分の軸を見つける過程に伴走します。

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