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中小企業のDX化を通じて、時間・お金・心にゆとりを持てるようサポート

中小企業の事務効率化、業務改善を支援するDXのプロ

西本隆之

西本隆之 にしもとたかゆき
西本隆之 にしもとたかゆき

#chapter1

顧客の困り事や要望に応じてシステムを作成し、契約前にプロトタイプを提示

 「伝票や顧客情報をパソコンに入力するには時間と手間が掛かる上、打ち間違いなどのリスクもつきまといます。日々生じる煩雑な事務を楽に、ムラなくこなしたいという事業者さまの願いを、デジタルの力でかなえます」

 こう話すのは、広島県広島市西区の「パソ楽サポート」代表の西本隆之さん。コーディング不要の開発ツール「Appsheet」で、業務の省力化、合理化を図るアプリを制作しています。

 「毎日、毎週、毎月、同じ処理を人の手で行っている会社は多いと思います。でもその作業自体から付加価値は生まれませんよね。既存業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)化することで、事務の工数を、利益を上げるための工数に振り替えるお手伝いをするのが私の役目。コストやミスを削減し、浮いたお金や時間、人材を営業活動や新規事業に投入してもらえればと考えています」

 顧客の多くは、資金や人材などに余裕のない中小企業や個人事業主。リソースが限られているだけに、最小限の努力で最大限の効果を出すことが求められると言います。

 「まず、お客さまから困り事や要望をヒアリングし、課題や目的に応じたシステムを作りますが、契約前に機能の一部をプロトタイプ(試作品)として提示し、仕様や使い勝手を確認していただきます。ご納得いただいてからの成約となりますので、試作、相談の段階では費用をいただきません」

 経営者やその家族、従業員に至るまで「時間のゆとり」「お金のゆとり」「心のゆとり」を持ってもらう。そんなサポートを心掛けていると、西本さんは語ります。

#chapter2

利用者データの管理をシステム化することで、経営者の負担を大幅に軽減

 「今はプログラミング言語を使ってソースコードを作成しなくても、コンピューターを制御できる時代」と西本さん。Googleの提供するノーコード・ローコード開発環境「Appsheet」を用いることで開発時間を大幅に短縮できる上、専門的な知識やスキルがなくともアプリを臨機応変に構築できるとメリットを強調します。

 「スマートフォンやタブレット端末にも対応しているので、どこにいても顧客リストなどを確認できるのが大きな特徴。一度に複数人が閲覧、操作することもできますよ」

 業務内容や事務作業の方法が変わっても、その都度改良を重ねることができ、運用維持費を抑えることができるのも魅力だとか。

 「生徒さんのデータ管理にこの仕組みを導入し、事務負担を軽減したのが広島市にある子ども向け造形教室です。入会希望者が専用のフォームで申し込みをするとリストが自動生成されるため、入力は不要。入退会などもボタン一つで登録できます」

 教室は順番待ちが出るほどの人気で、以前は空きが出ると先生が多数の申込書の束から見込み客を探し出し、一人一人電話で案内していました。
 「今はスマホ画面を開くだけで申込データベースが表示され、クロス検索、メール送信や架電もワンタッチで可能。費やす労力が減ったと喜ばれました。利用者管理は、学習塾やスポーツジムにも応用できます」

 人手不足に悩んでいる運輸業者向けに、「運転者台帳システム」も開発。ドライバーごとの運転免許の種類や更新時期、健康診断や適性診断の受診履歴が一覧で表示されるほか、法令で定められた項目がひと目で分かります。

西本隆之 にしもとたかゆき

#chapter3

信金、運送会社、教育サービス業など、豊富な業務効率化の経験を基にノウハウを提供

 西本さんは大学を卒業後、地元の信用金庫に就職。広島市内の店舗では支店長として組織と実務を統括。本部では相続・自社株対策に関するアドバイザリーやM&A部門の立ち上げに従事しました。そのころにExcelVBA(Microsoft社のプログラム言語)を習得し、出向した運送会社でも業務改善を推進しました。

 「受注内容やドライバーに渡す運行指示書が手書きのため、同じ内容の事項を何回も書いている状態。手打ちのエクセルシートもあふれていました。そこで、一連の事務仕事をVBAを使いシステム化したところ、1受注あたり手書きで7分かかっていたのが2分に短縮。伝票発行、納品書、受領書、指示書等の印刷も、ワンクリックで完了し、受注内容の問い合わせもデータベースによる検索で、事務の「正確・迅速・標準」化ができました。そのケースでは、全社で月間400時間の時間短縮が図れました」

 その後教育サービス業に転職し、講師を務める傍ら、研修の受付や顧客管理を自動化。
専任事務スタッフの削減(3名→1名)につながったほか、得意先の分析が容易になったことで、研修時期を迎える前に先回りして提案営業することもできるようになったそうです。

 退職後、2022年に「パソ楽サポート」を開業。長年の豊富な知見を中小企業や個人事業主の支援に生かしています。

 「将来的には、Appsheetを活用した業務効率化のセミナー講師や中小企業のDXアドバイザーなどを務め、モノだけでなくノウハウも提供したいと考えています。経営者だけでなく、従業員も自動化の意義や有用性を理解し、企業が自前で業務改善に取り組めるよう後押ししていきたいですね」

(取材年月:2023年12月)

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ITコンサルタント

パソ楽サポート

手書きの事務作業をデジタルの力で効率化させ、中小企業の業務改善をサポートするITコンサルタント。顧客の困り事や要望に臨機応変にシステムを作成。契約前にプロトタイプを提示し、導入の不安を払しょくする。

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