夢の住まいのカタチを、リフォームでかなえるプロ六信丞示

夢の住まいのカタチを、リフォームでかなえるプロ

六信丞示

依頼主の目線に立ち、打ち合わせから施工、アフターフォローまで一貫して対応

　「ライフスタイルの変化に伴い、既存の建物にパズルのように改善点などを組み合わせていくのがリフォーム。現地調査で不具合が見つかり図面通りにいかないこともありますが、難題を乗り越えるのが醍醐味なんです」

　そう話すのは、安芸高田市にある「リフォーム工房むつのぶ」代表の六信丞示さん。打ち合わせからプランニング、施工、アフターフォローまでを一貫して担います。依頼主の声に耳を傾け、家全体の間取りを変える大規模工事のほか、バス・トイレといった水回りの改修、和室から洋室への変更など年間60件ほど手掛けています。

　「リフォームで一番大切なのは人。同じ材料でも、職人の手一つで仕上がりが全然違いますから」と六信さん。志を共にする大工や内装、塗装業者などは、みんな幼なじみや趣味の野球仲間です。
　「気心知れた人たちなので、無理も聞いてもらえますし、はっきりと物も言い合えます。現場は笑い声が絶えず、和やかな雰囲気だからこそ、お客さまもご要望を伝えやすいのかもしれませんね」

　時には、依頼主の理想とプラン内容にズレが生じてしまうこともあるそう。「当方では、軌道修正しやすいように、一日に一度はお客さまにお会いして進捗状況を報告し、関係性を深めています」

　また、デメリットも説明した上で、専門家として提案することを心掛けています。「押し付けるのではなく、常にお客さまと目線を合わせることで満足度を高めています。完成後は『またお願いしたい』と言ってくださり、リピーターさんが多いのは喜ばしいことです」

福祉住環境コーディネーターの資格を生かし、介護リフォームの提案も

　現職に就く前は、自動車整備士をしていた六信さん。生活の基盤となる住宅分野に携わることで人の役に立ちたいと、建築会社へ。床仕上げや壁装作業など内装工事の知識や技術を身に付けました。
　祖父は植木職人、父は庭師という職人の家系で育ち、「いつかは一人で」と考えていたことから独立。しかし、リーマンショック後の経済低迷で受注が伸びず、元請け業者から案件を請け負っていたと言います。

　「お客さまと直接お話をしていると『こうした方がいいのに』と、もどかしさが募っていくんです。それなら下請けではなく、自分でやるしかないと2009年に会社を設立しました」

　同時に介護予防を目的としたリフォームが増えることを見通し、福祉住環境コーディネーターの資格も取得。最近は、介護保険サービスを利用した手すりの取り付けや段差解消、開閉口のデッドスペースを減らす引き戸への変更といった問い合わせが増えているとか。
　「ケアマネージャーさんと連携し、お急ぎの方にはスピード感を持って柔軟に対応しています」

　高齢者が多い地域ということもあり、減築の相談も舞い込みます。「子どもが独立して夫婦2人になり、『コンパクトに暮らしたい』とおっしゃる方は少なくありません。例えば2階部分を撤去して平屋にすると、掃除もお手入れもしやすく負担が減りますし、キッチンや浴室といった住宅設備を一新すると快適に過ごせますからね」。それぞれの事情を考慮し、六信さん自身が住みたくなる“家づくり”を目指します。

空き家をリフォームし販売、賃貸。ワーケーションの滞在先としても利用してほしい

　依頼主の期待に応えるために、用いる素材の品質や施工の腕にこだわり、信頼を築いてきた六信さん。地域密着の工房として活動する中で、課題も見えてきました。
　「少子高齢化の影響で家を継ぐ人が減り、全国的に取り上げられている空き家問題は、安芸高田市も例外ではありません」

　市としても対策を講じるべく、移住希望者に情報を提供し、改修費用の一部を補助する制度を設けています。
　「仲間ともよく話しているのですが、この年代になると生まれ育った地元に愛着がわき、何とか盛り上げたいという気持ちが強くなるんです。そこで、空き家を買い付けてリフォームした後、販売したり貸し出したりする事業に乗り出しました」

　さらに、コロナ禍で永遠に続く商売はないということを思い知らされた六信さん。一方で、テレワークが普及するなど勤務形態が多様化し、どこにいても仕事ができる時代になりました。働きながら余暇を楽しむ“ワーケーション”の誘致に成功している自治体の取り組みを参考に、次なる展開も見据えています。
　「ビジネスでもプライベートでもインターネットは欠かせませんので、空き家のWi-Fi環境を整え、短期滞在者に利用してもらうことも視野に入れています」と意気込みます。

　「安芸高田市は、土地の氏神さまに舞を奉納する『神楽』が有名で歴史が深く、自然も豊かな所です。たくさんの方に興味を持っていただけるように、自治体と協力して町の魅力もアピールしていきたいですね」

（取材年月：2022年9月）

地域密着型のリフォーム会社として質の高いリフォームを目指す

依頼主の目線に立ち、打ち合わせから施工、アフターフォローまで一貫して対応

福祉住環境コーディネーターの資格を生かし、介護リフォームの提案も

空き家をリフォームし販売、賃貸。ワーケーションの滞在先としても利用してほしい

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