助成金と補助金の申請代行により労働生産性を高めるプロ
増原隆光
Mybestpro Interview
助成金と補助金の申請代行により労働生産性を高めるプロ
増原隆光
#chapter1
広島市安佐南区に事務所を構える「マスター社会保険労務士事務所」代表の増原隆光さんは、助成金や補助金の活用を通じて中小企業の経営を支援しています。
「助成金は、雇用や労働環境の整備などの取り組みを支援するもので、厚生労働省が管轄しています。一方、補助金は政策目標に沿った事業を後押しする制度で、多くは経済産業省や中小企業庁が実施しています。ただ、中小企業の経営者さまは多忙で、両者の違いや適用範囲を把握しきれていないケースも多く、どれを選べば良いのか迷う方が少なくありません」
独自に作成した「助成金・補助金確認シート」により現状を可視化。課題や不足点が分かりやすいとクライアントからも好評だとか。結果を受けて適した助成金や補助金を選定し、申請手続きまで代行します。
「助成金の申請では、就業規則・賃金台帳・出勤簿の3点セットを整えることが基本です。助成金をきっかけに、会社をより良く変えていけるよう、制度づくりも一緒に考えていきます」
また、助成金を活用したクラウド型勤怠管理システムの導入など、DX化による労務管理の効率化も提案。経営者の立場に寄り添い、現実的なサポートを行う姿勢は、多くの企業から支持を得ているといいます。
「最近のクラウドシステムは、ITに詳しくなくても扱いやすいものが増えています。透明性の高い労務体制を構築することは、企業を守ることにもつながります。残業や深夜割増賃金の未払いなど是正せず放置すれば、労働基準監督署からの是正勧告や、労働者による告発のリスクも生じかねません」
#chapter2
「助成金は要件を満たしていれば本来支給されるものですが、年々、労働局のチェックが厳しくなり、下がっているのが現状です」と増原さんは指摘します。企業側はきちんと対応しているつもりでも、書類の不備などで不支給となるケースも少なくありません。
同社では助成金や補助金の申請に関する相談を無料で受け付けており、「まずは気軽に相談してほしい」と呼びかけます。他県の案件にも対応し、全国的にサポートを展開。これまでには東京都正規雇用等転換安定化助成金や岡山市中小企業支援補助金など、多数の支援実績があります。
増原さんによると、近年は補助金申請の際に一般事業主行動計画の提出を求められるケースが増えているとか。これは次世代育成支援対策推進法に基づき、雇用環境や労働条件の整備などに取り組むに当たり、目標達成のための期間や対策を定めるものです。
「従業員101名以上の企業はすでに届出義務がありますが、補助金申請では、それ以下の規模の企業でも必要となってくるんです。一般事業主行動計画は、社労士の専門分野と言えます」
さらに、申請時には付加価値額の計算も重要な要素。設備を導入してどの程度時間が短縮できるのか、何人減っても業務が回るのかといった具体的な効果を数値で示す資料の精度が高いほど、採択率が上がるといわれています。
「補助金の審査傾向は年ごとに変化します。そのため、セミナーへの参加や同業者との情報交換は欠かせません。政策の流れを読み取り、常に新しい情報をキャッチすることを意識しています」
#chapter3
人手不足が深刻化し、採用コストもかさんでいる昨今。「退職者が出たから採用する」という発想では、もはや通用しない時代になっていると増原さんは警鐘を鳴らします。
「補助金や助成金の活用により、従業員一人一人が生み出す付加価値額、つまり『労働生産性』を高め、人が減っても事業が回る仕組みを整えていく時代です」
実際に人材確保等支援助成金を活用してeラーニングを導入した企業では、社員の知識レベルが平準化し、労働生産性も向上しました。大型設備投資への補助金活用例もあり、導入効果は大きいといいます。
増原さんは、社労士事務所での勤務を経て人材派遣会社に入社し、総務として社会保険資格取得届や雇用保険離職証明書などの手続き業務を担当。助成金申請に伴う就業規則や賃金規定の改定にも携わってきました。2023年には、労務管理に関する豊富な実務経験と社会保険労務士資格を生かし、出身地の広島で独立開業。事務所名「マスター」は、子どものころからのニックネームに由来しています。
「先生と呼ばれるのは柄じゃないので、昔からの呼び名をそのまま使いました。お客さまとは、ざっくばらんに話せる関係を築きたいですね」
経営者の多忙なスケジュールにも柔軟に対応。朝7時からのオンライン面談や、事前予約で土日祝日の相談も受け付けています。
助成金・補助金の知識と労務管理の実務経験を強みに、DX化や業務効率化を進める企業のパートナーとして寄り添う増原さん。「企業と一緒に成長していく伴走者でありたい」と力強く語ります。
(取材年月:2025年10月)
リンクをコピーしました
Profile
助成金と補助金の申請代行により労働生産性を高めるプロ
増原隆光プロ
社会保険労務士
マスター社会保険労務士事務所
労務実務と経営の両面から中小企業を支援。助成金・補助金を活用し、DX化による業務効率化を推進し、労働生産性の向上につなげます。現場経験に基づく実践的な提案力で、企業の持続的成長を伴走サポート
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ広島に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または中国新聞社が取材しています。[→審査基準]