行政書士の知見で公共工事の入札や経審の得点アップを支えるプロ坂本尚生

行政書士の知見で公共工事の入札や経審の得点アップを支えるプロ

坂本尚生

建設業を営む家に生れ、場作業や入札の経験を生かし、経営者の課題と長所を見出す

　建設業に特化した経営サポートを得意とする「ハル行政書士・FP事務所」の代表・坂本尚生さん。建設会社を営む家庭に生まれ、自身も現場での作業や入札を経験してきたことから「経営者の悩みも目標も具体的に理解し、伴走支援できるのが強み」と語ります。

　「主なサービスは、建築や土木といった事業者向けの『建設業許可』の取得支援です。銀行の融資を受ける際にも必須の条件であり、近年はコンプライアンスを徹底する発注者から取得を求められるケースも増えています。また、建設業者としての規模や技術力が数値化される経営事項審査（経審）のコンサルティングも多く承っていますね。公共工事を直接請け負い、売り上げアップを目指すためにも高得点を出すことが重要なので改善策をご提案しています」

　実際に「この機材や車両も申請すれば加点につながる」など、顧客の見落としに気付くことも少なくないそう。「書類の不備を指摘するだけが、私の仕事ではありません」と胸を張ります。

　「加えて建設キャリアアップシステム（CCUS）の導入もお手伝いできます。CCUSは従業員にとっては所有資格や現場経験を記録する履歴書のようなものであり、経営者には人材の能力が視覚化されるのでチーム編成や業務効率化に役立ちます。もちろん経審に関しても、自社の対応力が可視化されるのでアピールする要素になります。さらに私が携わったそれぞれの取り組みはレポートにまとめて提出します。経験の浅い担当者にも分かりやすく作成するため、業務の引き継ぎ資料としても活用できますよ」

人事・労務の実績をもとに、採用・教育・勤怠管理を含めた組織づくりを支援

　坂本さんは前橋育英高校を経て東洋大学経営学部経営学科に進学。両親からは「家業を継ごうとは考えず広く世の中を知っておいで」と、背中を押されたと言います。

　「子どもの頃、バブル崩壊の影響を受け、両親の知人が倒産や夜逃げをせざるを得なかったことをおぼろげながら記憶しています。そのため建設業の仕事に夢を持てず、大学卒業後は都内にある製造や物流業界向けのコンサル会社に就職しました。とはいえ、いずれ実家に戻ることも心の片隅にあり『プレイングマネージャーとして急速に成長できる環境が用意されている』と判断して入社を決めました」

　実際にベンチャー気質の企業で、取引先の製造ラインの作業をまとめてアウトソーシングで請け負ったり、ITで工場の自動化を図ったりと坂本さんも多様な案件を担当。中でも人事関連の業務を担う期間が長く、採用面接や人材教育の分野で経験を積みます。

　「副支店長的ポジションも経験しましたが、親が体調を崩したこともあり、退職して実家の会社を手伝うことにしました。それでも長居は良くないと思い、人事のキャリアを生かして群馬県内の医療機関に転職しました。700人を超える従業員の勤怠管理や給与計算に携わり、組織活性化のための院内イベントも企画しましたね。こうした知見があるからこそ、お客さまが“働きやすい会社”を目指すのをトータルに支援できるのです」

　やがて行政書士の資格を取り、宅地建物取引士の妻とともに「ハル行政書士・FP事務所」を設立。事務所名には愛猫の名前を採用するとともに「顧客の“ハレの日”を応援したい」との思いも込めています。

FP資格で経営者と従業員のプライベートも応援。顧客のチャレンジを後押しできるのが仕事の醍醐味

　事務所名に「FP」とあるように、坂本さんは2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格も保有。顧客企業の経営者と従業員の人生設計、資産運用、相続相談をはじめプライベート面でも支えになれると続けます。

　「結婚や出産をお祝いしたり、老後資金をシミュレーションしたり、ビジネスの話だけでなく皆さんのライフステージの変化に寄り添えるのも私の特長でしょう。あらゆる場面において、企業や経営者、従業員の10年、20年、30年後を見据えて接するのを信条としています。補助金を活用した資金繰りの改善、人材採用、事務作業のDX（デジタルトランスフォーメーション）化、社内のコンプライアンス整備でも力になれるので、ぜひお声がけください」

　仕事の醍醐味は、顧客が新しい分野、より難度の高い事業にチャレンジし、壁を乗り越える助けになれること。中でも経審のコンサルティングを実施し、初めて入札で選ばれた経営者や従業員のモチベーションを肌で感じるのは何にも代えがたいと顔をほころばせます。

　「実は大学の卒業論文のテーマも『入札』でした。お客さまが公共工事をきっかけとして、自社をブランディングして、より高みを目指してくれたらうれしいです。そして建設業界が誇りを持って発展し、若者の間で憧れの世界になるよう引き続き貢献してまいります」

（取材年月：2025年7月）

建設現場で汗を流した経験も。顧客が公共工事を受注し、より高みを目指せるようサポート

建設業を営む家に生れ、場作業や入札の経験を生かし、経営者の課題と長所を見出す

人事・労務の実績をもとに、採用・教育・勤怠管理を含めた組織づくりを支援

FP資格で経営者と従業員のプライベートも応援。顧客のチャレンジを後押しできるのが仕事の醍醐味

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