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瓦技能グランプリで得た自信を糧に、これからも誠実かつ丁寧な屋根工事を続けていきたい

瓦技能グランプリ二冠の快挙を達成した屋根工事のプロ

成田篤孝

瓦技能グランプリ二冠の快挙を達成した屋根工事のプロ 	成田篤孝さん
瓦技能グランプリの作業風景

#chapter1

2016年に独立を果たし、「お客さまのため」を第一に考えた屋根工事で順調に事業を拡大

 岐阜県多治見市にある成田屋根工事店は、瓦・金属屋根のリフォーム・修理、雨とい工事を専門で手掛ける屋根工事店です。

 代表を務める成田篤孝さんは、若くして建築業界に足を踏み入れ、内装や左官などの技術を磨いたのち、19歳で多治見市に引っ越したのを機に、それまで全く経験がなかった瓦職人の世界へと飛び込みます。地元の瓦店でゼロから実績を重ね、営業や監督業など幅広い業務に従事し、29歳で独立を決意。2016年に「成田屋根工事店」を立ち上げ、右肩上がりで業績を伸ばしています。

「瓦職人の仕事を始めた当初から、将来の独立を視野に入れていました。ただ、実際に独立を果たしてからは、しばらく不安が続きました。まったく仕事がない状態でしたから。それでも徐々にご依頼が増えていき、今では一般のお客さま様からたくさんのご相談をいただいています」と成田さんは話します。

 独立以降は、これまで培ってきた屋根工事の技術をフルに活用するのはもちろん、「以前にも増してお客さまのためを考えて仕事をするようになりました」と成田さん。地元・多治見市を中心に数多くの屋根工事を手掛け、最近では昔ながらの瓦葺きだけでなく、金属屋根の新たな技術なども貪欲に吸収しながら、お客さまからの幅広いニーズに応えています。

#chapter2

史上最年長で2つの「瓦技能グランプリ」を制覇する快挙を達成

 成田屋根工事店の最大の強みは、成田さんの「確かな技術力」です。高齢化が進む瓦職人の世界ではかなり若手の33歳ですが、全国の職人たちが技術を競う「瓦技能グランプリ」において、史上最年少で二冠を達成した実力の持ち主です。

 最初に栄冠を勝ち取ったのは2015年、厚生労働省などが主催する「第28回技能グランプリ」でした。当時はまだ以前の職場で働いており、営業職に従事しながら大会への参加を決意。若い頃に見学した瓦技能グランプリの光景が目に焼き付いており、「いつかは自分も挑戦したい」と思い続けてきたことが成田さんの背中を押しました。

「グランプリでは毎回課題が出され、限られた枚数を使って精度を競います。タイムを争うわけではないのですが、そもそも制限時間内で仕上げること自体が難しく、時間内に完成できず採点してもらえない参加者も出るぐらいです」と成田さん。グランプリへの出場を控えた成田さんは、寝る間を惜しんで練習に明け暮れたと言います。

 そして見事優勝を果たした成田さんは、独立後の2018年、今度は一般社団法人全日本瓦工事業連盟が主催する「全瓦連技能グランプリ」への参加を決めます。そしてこちらの大会でも優勝し、史上2人目となるグランプリ二冠という快挙を達成したのです。

 グランプリに参加するには、7年の実務経験が求められる「かわらぶき一級技能士」の資格取得が必要です。そのため、参加資格を得られるのは早くても20代後半。そんな中、31歳で二冠に輝いた成田さんの最年少記録は、今後も破られることがない不滅の記録だと言われています。

瓦技能グランプリ二冠を家族が祝福

#chapter3

新たに一般社団法人を立ち上げ、被災地を支援する社会貢献活動にも尽力

 現在、個人事業としてビジネスを展開している成田さんですが、2020年10月末には、新たな事務所と倉庫が完成する予定で、年内の法人化を視野に入れながら、さらなる事業拡大を計画しています。

 その一方で、瓦職人の地位向上と社会貢献を目的とした活動にも熱心に取り組んでいます。同じ志を持つ愛知・岐阜・三重の瓦職人5人が集まり、一般社団法人「全日本被災屋根復興支援協会」を発足。被災地で横行する悪徳業者を食い止めるのが主な狙いです。

「現在、被災地では、火災保険を使って高額の工事費用を請求する悪徳業者が横行し、大きな社会問題となっています。昨年、台風被害が発生した千葉県では、屋根をブルーシートで覆う作業をするだけで100万円単位の費用を請求するといった事案も起きています。こうした業者が増えていけば、私たち職人が大切に守ってきた瓦文化のイメージダウンにもつながりかねません。そこで有志を募り、全国の皆さんがより安心して屋根工事を依頼できるような支援をしていこうと動き出したところです」(成田さん)

 成田屋根工事店のモットーは、誠実に、丁寧な仕事をすること。こうした成田さんの思いは、上記の被災地支援の活動にもつながっています。「屋根工事は、お客さまに理解と納得をしていただいた上で決めてもらいたい。そのためには、お客さまからの質問に丁寧に答えること、そして何より質問しやすい雰囲気づくりが大切だと考えています。お困りのことがありましたら、ぜひお気軽にご相談いただければと思います」

(取材年月:2020年7月)

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成田篤孝

瓦技能グランプリ二冠の快挙を達成した屋根工事のプロ

成田篤孝プロ

屋根職人

成田屋根工事店

全国の職人が技術を競う2つの技能グランプリで、史上2人目の二冠を最年少で達成。かわらぶき技能士1級技能士をはじめとした数々の資格も取得し、屋根工事に関する幅広い知識と技術を備えています。

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