90年以上、4代にわたって続く屋根瓦工事のプロ梶浦良平

90年以上、4代にわたって続く屋根瓦工事のプロ

梶浦良平

「雨漏りした後ではもう遅い」。無料診断で不具合の早期発見を

　「屋根瓦は、日差しや風雨を遮り、家を保護してくれる大事な存在。厳しい環境下にあるため劣化しやすく、自然災害でダメージを受けやすいものでもあります。当方では、適切なメンテナンスにより、快適な住まいづくりをサポートします」

　こう話すのは、岐阜市の「梶浦瓦工業」の代表・梶浦良平さん。曽祖父の代から90年以上にわたって、岐阜、愛知の両県で民家の屋根を守ってきました。

　「屋根の傷みは、雨漏りで気付くことがほとんどですが、それでは遅いのです。すでに相当な量の雨水が住宅内部に流れ込んでおり、柱や基礎部分でカビや腐食を引き起こす原因となっています」

　不具合を早期発見するため、梶浦さんが勧めるのが屋根の無料診断。「入念に調査し、培ってきた知識と経験で問題を見極めます。工事の見積もりも無料なので、ぜひご利用ください」と呼び掛けます。

　不安点となる工事価格についても配慮。必要な資材をメーカーから直接仕入れ、自社で所有する大型車で運送することで中間マージンを省き、経費削減へとつなげています。

　「また、お客さまファーストの姿勢で迅速な対応を心掛けております。地域の方々からの信頼を得ることで、長く商売を続けられていると思います。まさに、お金で買えない価値ですね」

　顧客からは「納得できる金額で説明も誠実」「梅雨の時季だったので、すぐ直してもらえて助かった」などの声が寄せられているとか。
　「作業を終えた後、屋根をお客さまと見上げて喜びを共有する瞬間が、この仕事の一番の醍醐味です」と笑顔を見せます。

古民家の屋根のふき替え、ベランダの防水などを請け負い、新しい資材も研究

　梶浦さんのもとには、ふき替え、差し替え、積み直しなど、瓦に関するさまざまな依頼が舞い込みます。年月を経た住まいが多く、中には築100年以上の古民家を任されることもあるそうです。
　「古い日本家屋は技が確かで、建築や修理といった普請がしっかりしているので、垂木や棟木など小屋組みはあまり傷んでいません。しかし瓦は違います。常に外気にさらされているので、定期的にお手入れする必要があります」

　近年は、数多くの住宅に採用されている、スレート屋根のカバー工法にも力を入れています。
　「2006年以前のものはアスベストを含んでいる場合があり、上にもう1枚屋根材を重ねることで飛散を防ぎます。廃材も出ないので経済的で、多くのお客さまから引き合いがあり、年間数十棟を請け負っています」

　他に、屋上やベランダの防水、ビルなどの壁面のはがれを防止する外壁工事にも対応。「ひび割れた部分をピンポイントで補修したり、全体的に修繕を施したり。状態に応じてより良いご提案できるように、私自身が必ず現地に赴き、症状を診断するようにしています」と強調します。

　梶浦さんは、資材の研究にも余念がなく、機能性を備えているものは積極的に導入。厳選する上で意識しているのが、職人の声を拾うことです。
　「メーカーとのしがらみのない職人の評価は、シビアであり的確。彼らのインスタグラムやティックトックなどSNSをこまめにチェックし、評判の良いものは仕入れるようにしています」

時代劇でお城の美しさに取り付かれ、曽祖父から続く家業を引き継ぐ

　梶浦家の創業は、昭和初期にさかのぼります。1930年に梶浦さんの曽祖父が瓦の製造業を立ち上げ、祖父の代から施工業を始めました。父から事業のバトンを渡され、2015年から「梶浦瓦工業」の屋号を掲げるようになりました。

　梶浦さんが家業を継ぐことを決めたのは、意外にもドラマが影響しているそう。
　「父は時代劇が好きで、子どものころ一緒にテレビで見ているうちに、お城の美しさに取りつかれたことが動機となりました。今でも、城巡りをしていますよ」

　日本の伝統美に魅せられ、4代目になる前には寺社仏閣専門の工事業者に弟子入りし、有名な建築物の修繕にも従事。当時知り合った兄弟子とは、今でも助け合う間柄です。

　「現職の魅力は、何十年たっても自分の仕事を確認できること」と、梶浦さん。一見、どれも同じ屋根瓦ですが、職人が見ると施工の出来、不出来が一目で分かるため、気が抜けないと言います。
　「若い頃に私が手掛けた現場を見ると、『まだまだだったなあ』って思いますよ。自分の成長がはっきりと分かるので、やりがいにつながりますね」

　今後は、自社のホームページで施工例をアップしていくほか、インスタグラムなどのSNSを開設して顧客への発信を強化していきたいと語ります。
　「同業者仲間と意見交換して技術を高めていくのはもちろん、資材メーカーの展示会にも顔を出して、いいものはどんどん取り入れていきたいですね。歴史にあぐらをかくことなく、お客さまに満足してもらうための努力を続けます」

（取材年月：2023年1月）

90年以上にわたり培った知識と技術で、瓦屋根などのメンテナンスに対応

「雨漏りした後ではもう遅い」。無料診断で不具合の早期発見を

古民家の屋根のふき替え、ベランダの防水などを請け負い、新しい資材も研究

時代劇でお城の美しさに取り付かれ、曽祖父から続く家業を引き継ぐ

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