ペットの健康を真摯に支える動物医療のプロ
酒井清剛
Mybestpro Interview
ペットの健康を真摯に支える動物医療のプロ
酒井清剛
#chapter1
JR常磐線内郷駅から北東約1km。閑静な住宅地に位置する「さかい動物病院」は、1997年の開業以来、地域のホームドクターとして動物たちの健康を支えてきました。院長の酒井清剛さんは、日進月歩の動物医療の研鑽に励み、先進的な医療の提供を目指しています。
「動物の病態を『点』ではなく『線=一生』としてと捉え、その子の健康寿命を長くするため最善の治療は何か?を考えることが大切」と話す酒井さん。一般的だった治療が数年後には非常識になることもあるほど、急速な進化を遂げる動物医療。より良い治療をするために、学会や勉強会に参加するなど、常に最新の医療を学び続ける必要があるといいます。
現在は獣医師3人、動物看護師・看護助手6人、トリマー5人、受付2人とスタッフをそろえ、セミナーや月例ミーティングを行うなど、チームのスキルアップにも力を入れています。加えて、高度な検査に対応する設備を備えた同病院は、遠方から足を運ぶセカンドオピニオン外来も多く、地域の中核病院としての役割を担っています。
避妊手術や脱臼整復術、悪性腫瘍の摘出など、酒井さんは外科手術においても数々の実績を持っています。「手術数が多いと時間が気になったり、術後ケアが十分にできなかったり、不備が生じる可能性があるので、手術は1日に1件が基本です。診療も手術も動物ファーストで行いたい」と酒井さん。真摯な対応を心がけることで、飼い主との信頼関係を築いている様子がうかがえます。
#chapter2
自然豊かな環境で育った酒井さん。カブトムシやザリガニをとって遊んでいた子どもの頃から、漠然と生き物に関わる仕事がしたいと思っていました。その後、獣医師の道を進み、臨床獣医師として働き始めた時の自分を「ただの動物好き」と謙虚に表する理由は、獣医師という仕事の難しさを痛感したから。
「獣医師の診療範囲はあらゆる分野に及びます。人間ならば、外科や内科、皮膚科に産科、耳鼻科や歯科など、それぞれの専門科目に細分化されていますが、獣医師は一人ですべてを診なくてはなりません。さらに、犬に猫、ウサギやハムスターなど、個体の違う生き物の命に携わります。ただの動物好きでは済まされない重責を感じました」
自分たちが今できる治療に全力を尽くしても、完治が難しい病態や後遺症が残る症例が少なからずあるのだとか。「何の治療も施さない動物の寿命を10とするなら、医療の力で11、12と伸ばすのが理想ですが、それを縮めてしまうような医療は絶対に避けなければなりません。私たちの限界を超えた医療行為は行わず、適切な専門家への紹介を怠らないことが、動物や飼い主さまへの誠意だと考えています」
自身の医療方針である「最善の治療を目指すためには、二次診療へとつなげることがベストな場合もあります。酒井さんは、専門病院や大学病院、著名な獣医師など、これまで培ってきたネットワークを活用してさらなる治療へと導きます。
「重篤な疾患を回避するためには、人間と同様に早期発見・早期治療が最も有効です。日頃からペットに注意を払い、少しでも異変を感じたら検診に来ていただくなど、日常的なケアが大切です」と予防の重要性を説きます。
#chapter3
酒井さんのもとでは、一般内科・外科、皮膚科、循環器・心臓病科、消化器科、整形外科、泌尿器科、腫瘍科、歯科、耳鼻科、眼科、問題行動科と診療科目を明文化。皮膚科やエキゾチックアニマルの専門外来を設けるなど、個人の動物病院としては類例が少ない先進的な取り組みをしています。
また、「ワンちゃんの鳴き声や匂いを怖がる、物音に敏感など、待合室で他の動物と一緒に過ごすのが苦手な猫ちゃんが安心できるように」と2020年6月に猫専用の診察室を開設。診察室には猫フェイシャルフェロモンを拡散し、猫がリラックスして診察を受けられるよう配慮しています。
ネットによる予約システムの導入、トリミングサロンやペットホテルの併設といった利便性の向上から、保護猫の里親募集やアニマルセラピーを通じたボランティアなどの社会貢献まで。いち獣医師としての枠を超えた活動を進める酒井さん。
「当院に来院してくれている動物たちが、やがて寿命を迎えたときに、飼い主さまから『ありがとう』と言ってもらえるような病院でありたいですね」とほほ笑むその横顔に、動物たちの健康を支える地域のかかりつけ医としての覚悟が見えました。
(取材年月:2021年3月)
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ペットの健康を真摯に支える動物医療のプロ
酒井清剛プロ
獣医師
さかい動物病院
進化を続ける動物医療への研鑽を怠らず、豊富な知識に基づいた診療を提供。症例によっては二次診療施設への紹介を行うなど、「ペットの健康寿命」を最優先にした適切な初期判断に長けた獣医師。
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