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専門性が高く経験豊富な臨床心理士が、精神的な不調や悩みを抱える人を支援

個人から組織まで幅広いニーズに応える心理カウンセリングのプロ

大平厚

大平厚 おおひらあつし
大平厚 おおひらあつし

#chapter1

個人や組織のメンタルヘルス向上、専門家の育成にも注力し、幅広い対応が強み

 福島県いわき市にある「子ども・大人・家族のカウンセリングルームIRIS(あいりす)」の代表大平厚さんは、臨床心理士として精神的な不調や悩みを抱える人の心のケアをしています。

 大平さんが採用するのは、システムズアプローチという手法。家族療法とも呼ばれ、起きている問題の原因を個人の内面のみに見いだすのではなく、本人を取り巻く環境や周囲との関係性を含めて現状を捉え、クライアントの希望に沿ってサポートしていきます。

 「お見えになるのは発達障害が疑われる1歳児から配偶者を亡くした80代の方まで、年代も寄せられる内容もさまざまです。来所時は抑うつ症状や希死念慮がみられることもあり、切羽詰まった状態でお越しになる方も少なくありません」

 対面のほかオンラインでもカウンセリングを実施。女性スタッフが担当する女性専用部門、組織のメンタルヘルスケアやチーム作りを支援する部門があり、対人援助に取り組む専門家に向けた研修などにも応じています。
 「システムズアプローチは集団や関係をみるという性質上、組織運営と相性がよいので企業や団体に利用いただいています。経営者の方からはよきリーダーになりたいとか、従業員のやる気を引き出したいというお声があり、コミュニケーション法などについてお伝えしています」

 対応範囲の広さが強みで、「統合失調症以外で、心に関するお悩みやご相談であればほとんどお引き受けできます」と大平さん。また相談内容によって、薬の処方や通院が有効と思われる際には病院を紹介したり、浮気や不倫などの夫婦問題は弁護士を交えて話を進めたり、必要に応じて他機関との連携も行っています。

#chapter2

開所のきっかけは、気軽に利用できるカウンセリングルームを作りたかったから

 大平さんは中学生の頃、ごく身近に心身のバランスを崩している人がいて、そのような状況にある人の力になりたいと現職を志しました。大学、大学院で心理学を専攻し、卒業後は数々のカウンセリングに従事。2016年、28歳のときに自らカウンセリングルームを開所します。

 「つらい日々を送っている方が、いつでも足を運べる場所を作りたかったんです。心の問題は本人や家族の判断で様子を見ている間にさらに悪化することもあり、回復するのに多くの時間を要する場合もあります。人生全体で見れば、そのような期間にも意味はあったと思える時が来るかもしれませんが、カウンセリングなどでのケアやサポートを通して苦しい時間が短くなり、元気で笑顔のある日常を取り戻してもらえると嬉しいですね」

 かなり疲弊して来所した人の例では、オーバーワークが背景に。その人は過去の経験や人間関係から仕事を断れずにいました。カウンセリングを重ねるごとに、「自分のできる範囲で引き受ければいい」と徐々に認識が変化。少しずつ行動に移す中で「大丈夫だ」という安心感と、正しい成功体験を得ることができたそうです。

 離婚危機の相談では、「言わなくてもわかっているだろう」「会話もなくわかり合えない」などコミュニケーション不足による誤解の先に、あるきっかけからトラブルが表面化する場合が多いのだとか。「『これでいいや』とか『気付いてほしい』と考える個人の価値観や認識に基づくところは夫婦別々にお話を伺います。今後どうしたいかという希望に寄り添い、より良い道筋を描き出します」

大平厚 おおひらあつし

#chapter3

「昨日とは違う明日を迎えたい」と願う気持ちに寄り添いサポート

 自身の活動を通じて、「カウンセリングはハードルが高い」「病んでいる人が行くところ」というネガティブなイメージを払拭していきたいと話す大平さん。
 「欧米では、夫婦間に課題があればカップルカウンセリングを受けて解決を目指すことが一般的ですが、日本ではまだまだ浸透していません。当事者同士でもめていると、修復不可能になることもあります。初期対応が違えば、その後の状況も変わってきますから、カウンセリングをもっと気軽に使ってもらいたいですね」

 不登校や引きこもり、家庭不和など、学校や社会、生活の中で不安を感じる人は少なくありません。システムズアプローチは家族や関係者に働きかけることで、本人にも良い影響を与えることが期待できます。「子どもが家で暴れているが、親として何ができるのかわからない」「介護する側、される側ともにストレスフルになっている」など、本人だけでなく家族からの相談も受け付けています。

 「心がしんどい状態は、努力や必死さ、プラスの気持ちの裏返し。ご自身ががんばって戦い抜いたからこそ抱えたものではないでしょうか。だから『自分は弱い、だめなんだ』と思わないでほしいのです。私たちが、もう一度立ち上がり、前を向くためのお手伝いをいたします」と大平さんはメッセージを送ります。

 「今を何とかしたい、昨日や今日とは違う明日を迎えたい」という思いがあれば「ほんの少しだけ勇気を出して、お問い合わせいただきたいですね」と力を込めました。

(取材年月:2021年12月)

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大平厚

個人から組織まで幅広いニーズに応える心理カウンセリングのプロ

大平厚プロ

臨床心理士

子ども・大人・家族のカウンセリングルーム IRIS(あいりす)

個人のみならず家族や組織にも対応可能なシステムズアプローチを専門とし、悩みを抱えるご本人やご家族などを対象とした心理療法、企業のメンタルヘルス、組織作りを支援。対人支援職への教育・研修も行っている。

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