解体から土木・外構工事などをワンストップで行う施工のプロ今村拓人

解体から土木・外構工事などをワンストップで行う施工のプロ

今村拓人

建物の解体から土地を整備する土木、庭づくりなどの外構工事まで一貫して対応

　「お客さまが理想とするビジョンやプロジェクトを予算内で実現し、心からご満足いただける工事を行うことが、私たちの使命だと考えています」と話すのは、福岡市東区に拠点を置く「Takuto」の代表・今村拓人さん。

　一戸建てや集合住宅、ビルの解体工事業を主軸とし、木造やRC造（鉄筋コンクリート造）などに対応。「信頼と技術で未来を築く」を経営理念に掲げ、安全性と耐久性、美観性を兼ね備えた、質の高いサービスを提供しています。

　「弊社は建物の解体だけでなく、斜面の崩落を防ぐのり面整形や、地面の凹凸をなくして均一にならす、すき取りといった土木工事、駐車場やカーポート、アプローチ、庭などをつくる外構工事まで一貫しています。ワンストップで請け負うことで、『分離発注の手間が省けた』『現場での意思疎通がスムーズ』と、多くのお客さまから高評価をいただいています」

　ハウスメーカーや不動産・建設業者から引き合いがあり、マンションやアパートなどの新築に向けて土地を造成する更地づくりに従事。工期中はできるだけホコリを出さないよう、着工前には建物に放水するなど、近隣住民への配慮も欠かしません。他に、地盤を強固にするために石を敷き詰める砕石入れ、アスファルトなどを敷設する舗装工事も担います。

　「職人たちには、常にお客さまや周辺住民の気持ちになって作業するよう伝えています。解体のみ、外構工事のみなども承り、おかげさまで創業からご依頼が途切れることはありません。宅地やバイパスなどのインフラ整備を通じて、地元・福岡の発展に貢献していきたいですね」

自分たちが関わった道路や建物が地図に残る建設業の魅力を若い世代に発信

　10代のころ、何気なく飛び込んだ建設現場のアルバイトが今村さんのキャリアの原点。朝早くから日が暮れるまで汗を流し、がむしゃらに働く日々を送ります。

　「体力的にはかなりハードでしたが、お昼休みに青空の下で仲間と食べたお弁当の味が格別で。『体を動かした後の食事はこんなにおいしいのか！』と感激し、建設業界で生きていこうと決めたんです。われながら単純ですよね」と朗らかに笑います。

　今村さんの意志に応えるように、22歳のころ、父親が「九州男児建設」を設立。父の会社へ入社し、約20年にわたり解体や土木の基礎を学び、要望に添って的確に仕上げる腕を磨きました。

　「知識やスキルが身につくにつれ、『自分の力で挑戦したい』という思いが強くなり、2021年に『Takuto』を立ち上げました。独立してからも父の会社とは良好な関係を保ち、協力体制を構築しています」

　昨今は、少子高齢化による労働人口の減少などを背景に、業界では人材の確保が深刻な問題となっています。少しでも興味を持ってほしいと、今村さんは若い世代に建設業の魅力を伝えたいと力を込めます。

　「自分たちが関わった道路や建物が末永く人々の生活を支え、なんてかっこよくて意義深い仕事なんだろうと感じ入ります。妻や息子にも地図を見せながら、『この建物はお父さんがつくったんだよ』と自慢したりして。実は息子も私と同じ道を目指しているようです。近い将来、親子で同じ現場に立てるかもしれないと思うと、今からワクワクします」

地域の暮らしを末永く守る「ものづくり」に携わることが何よりの喜び

　「車を買ったとき、もし車内が汚れていたらどう思う？」。今村さんは、そんな問いかけを日頃から職人たちに投げかけ、顧客の立場になって行動することを徹底しています。

　「解体工事では、どうしても土砂や泥でトラックのタイヤ跡が残ってしまうことがあります。作業が終わったあとは毎回、現場を隅々まで洗い流すようにしています。私がキレイ好きということもあるのですが、粉じんでお客さまに不快な思いをしてほしくはありませんから」

　時代を超えて地域の暮らしを守る建造物の施工に携われることが、何よりの喜びだと語る今村さん。今も心に残っているのは、若い頃にマイホームづくりで出会った、ある家族です。

　「完成から数年後にメンテナンスでご自宅を訪れた際、建築中はまだお母さんのおなかの中にいた赤ちゃんが小学生になっていて。成長した姿に驚いていたところ、お客さまがお子さんに『このお兄ちゃんが私たちのおうちを建ててくれたんだよ』と話してくれたんです。自分がお手伝いした家が年月を経てもそこにあり、脈々と家族の生活が営まれている。ものづくりの素晴らしさを改めて実感しました」

　現在、従業員は約10人、協力会社は5社（2025年10月時点）。今後は従業員をさらに増やし、新規開拓や事業拡大も視野に入れているそうです。

　「福岡県の地図を広げて『ここも、あそこも、お父さんが手掛けたんだよ』と子どもに胸を張って誇れるよう、これからも丁寧な仕事を続けたいと思っています」

（取材年月：2025年10月）

「信頼と技術で未来を築く」を理念に宅地や道路などを整備し、地域社会の発展に貢献

建物の解体から土地を整備する土木、庭づくりなどの外構工事まで一貫して対応

自分たちが関わった道路や建物が地図に残る建設業の魅力を若い世代に発信

地域の暮らしを末永く守る「ものづくり」に携わることが何よりの喜び

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