ネイル・美容サロン経営コンサルティングのプロ大門和歌

ネイル・美容サロン経営コンサルティングのプロ

大門和歌

コロナ禍でも売り上げアップを続けた独自の経営メソッドを伝授

　「Free Style」代表の大門和歌さんは、サロンの集客や運営に悩むネイリストに向け、スキルアップとビジネスの手法を手ほどきするスクール「WAKA」を展開しています。

　「コロナ禍以降、ネイルサロンの運営は大変厳しくなっていますが、私どもの店舗『salon de WAKA』では右肩上がりで業績を伸ばすことができました。私が持つ独自の経営メソッドを伝授し、『ネイリストで食べていきたい』という強い意志を持つ方々を全力で支援いたします」

　2021年に開講し、経営コースで学んだ1期生は3人。抱えている課題は「他店と差別化する方法が分からずお客さまが集まらない」「薄利多売で忙しく、年齢も重ねて体に負担があるので現状を変えたい」「10年ほど自営していて常連さまはいるけれど収入が増えない」と、三者三様でした。

　「半年の受講期間でいずれも成果を上げ、3人とも自宅店舗からテナントに移りました。利便性の良い施設や建物に出店することで多くの来店を促せますし、美容系の検索サイトにお店の住所を掲載しやすくなり認知度も高まります。スタッフを雇うなど事業の拡大もできます」

　薄利多売に疲弊していた人は値上げを実施したところ、固定客は30人ほど減りましたが売り上げは増加。得た利益で脱毛サロンもオープンしました。

　「この生徒さまは、体力的に楽になり、気持ちにも余裕が生まれました。以前は周りと金額を比較していましたが、培った技術や経験に見合った適正な料金をいただいてもいいのだと実感。『自分はオンリーワンなのだと気付かされた』と話されていたのが印象的です」

マインドセットで強みを引き出し、SNSで発信してファンを獲得

　大門さんは、ネイリストが自信を持つためのマインドセットも重視しています。
　「参加されるのは、今の自分ではうまくいかず誰かに教わりたいという方。行動に移している時点で高いレベルにあり、自分にはスキルがないというのも思い込みに過ぎません。心の持ちようを伝えると、みなさんだんだんと自信に満ちあふれていくんです」

　講座ではモチベーションを上げてもらい、それぞれの強みを引き出していくのが特長だと言います。
　「趣味は何でどんな生活をしているのか、苦手なのはどんな人かをセッションで洗い出します。ご本人の輪郭を描いた上で、お気に入りのデザイン、一番好きなネイルの施術もお聞きします。自己理解を深めることで、どんなターゲットに何をアピールしていきたいかが明確になり、共感してもらえるお客さまにアプローチしていく戦略です」

　強みを打ち出し、自らをブランディングするために利用するのがSNS。受講生にはインスタグラムに毎日投稿することを義務付けます。自身も開業後、約7年はブログやSNSを日々更新。自店の魅力を発信し続け、1万5000人近いフォロワーを持ちます。

　「自分の得意なことや、お客さまの知りたい情報を届けることが大事。SNSでファンを育て、『このサロン以外に選択肢はない』と思わせるんです。こつこつと積み上げたコンテンツは財産になります」

　技術面では「持ちの良いネイル」「自爪を傷めない施術」の二つを徹底することで、顧客の不満や不安を和らげる心構えを説いています。

長い営業時間や働き方の見直しも。ネイリストの地位向上へ尽力

　ネイルサロンは大掛かりな設備が必要なく、初期投資を抑えることが可能。自宅でも開業できるため独立のハードルが低く、若いネイリストが次々と参入しているそうです。
　「いきおい、体力、トレンドのキャッチ力は若い人には勝てません。自分にないもので競争に巻きこまれないように戦法を変え、経験を積んだ人ならではの価値を提供し、リピートにつなげることが重要です」と大門さん。

　売り上げを上げるために休憩もほとんどとらず、長時間労働を続ける人が少なくないのが現実で、中には精神的にも肉体的にも限界を感じている人も。
　「長い営業時間や働き方の見直しも大切です。私も従業員の離職問題に頭を痛め、きちんと利益を出すことで働きやすい環境に整えたいと、経営の勉強を始めました」

　福岡から東京までネイルサロン専門の経営セミナーに通い、ノウハウを習得。コロナ禍で業界が窮地に陥った際には、スタッフとともに営業に力を入れ、単価アップや美容品の販売で収益を上げました。

　今後は、業界の地位向上にも取り組んでいきたいと意気込みます。
　「ネイルを広めるために安売りをした結果、ネイリストの給料も下がってしまいました。低価格による負のスパイラルから脱却し、サービスの価値を高めていくためには、コンプライアンス順守など、意識の向上も求められます。質と満足度の高い仕事でプライベートも充実させ、生き生きと活躍する『心をつかむネイリスト』を一緒に目指しましょう」

（取材年月：2023年10月）

サロンの集客と運営に悩むネイリストのために、スキルとビジネスを学ぶスクールを展開

コロナ禍でも売り上げアップを続けた独自の経営メソッドを伝授

マインドセットで強みを引き出し、SNSで発信してファンを獲得

長い営業時間や働き方の見直しも。ネイリストの地位向上へ尽力

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