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理論に裏付けられた「カラープランニング」を研究・普及し、ビジネスへの活用を後押し

色彩をビジネスに生かすカラープランニングのプロ

桑野優子

桑野優子 くわのゆうこ

#chapter1

「ビジネスカラー」「配色実践」「色彩心理」が学べるスクールを展開

 「『光』は可視光線という電磁波の一種で、光の波長の長短が『色』として受け止められ、人間の細胞を刺激し、行動や思考に影響を与えています。当協会では、理論に裏付けられた科学的な『カラープランニング』をビジネスに活用するお手伝いをしています」

 そう話すのは、「日本カラープランニング協会」の代表理事でカラープランナーの桑野優子さん。色彩に関する事業を展開し、商品や店舗のディスプレイ、ロゴマーク、ユニフォーム、WEBサイトなどのカラープランニングを手掛けています。

 「目的に合わせて学べる『JBC日本ビジネスカラースクールスクール』も開講しています。『ビジネスカラー』『配色実践』『色彩心理』の3コースがあり、初級から上級など各種講座を用意しています」

 対面のほか、オンラインでマンツーマンや少人数制の講座を開き、20代〜50代を中心に全国各地から受講があり、女性が約8割を占めているとのこと。
 「プレゼン資料や商品開発、営業時の服装など、色による効果が期待できる場面は職種を問わず数多くあります。将来のキャリアを見据え、新たなスキルを身につける『リスキリング』として勉強される方も少なくありません」

 家電メーカーやIT企業、人材関連会社、地方自治体などクライアントの業種は多岐にわたります。企業研修では受講の約8割が男性です。
 「色の力を使って、自社の強みや商品・サービスのコンセプトを打ち出したり、お客さまの購買意欲に訴求したりする考え方が広がりつつあります。リピートしてくださる企業さまが多く、ご好評をいただいています」

#chapter2

基礎となる「色彩心理学・生理学」を重視した、資格認定制度も構築

 「単発の講座を各所で毎月開催していた十数年前、講座を受けた方々から『蓄えたノウハウを形にしたい』とのご要望をいただいたことをきっかけに、日本カラープランニング協会という法人として設立し、当協会の認定資格を発行することにしました」と桑野さん。認定者は仕事で活かしたり、講師として活躍したりしているそう。

 「似合う色を分析するパーソナルカラー診断など、色をベースにした技法は多く存在しますが、色彩学の基礎を学ばなければ正しい活用はできないと考えています。当方の資格は簡単に取れるものではなく、筆記や実技試験でしっかり知識と技術を問います」

 桑野さんは武蔵野美術大学空間演出デザイン学科でファッションデザインを専攻、在学中にファッションショーのスタイリストのアシスタントに付き、その後、大手アパレルメーカーに就職、入社して間もなくブランドコーディネーターなどを経験。ブティックで売り上げを伸ばした実績もふまえ独立しました。

 学術書や論文、培った知見をもとに「カラープランニング」を体系化。時代の流れや市場の動向に合わせて、テキストも毎年のように刷り直しているとか。

 「大学の講師として学生と接していると色に対するイメージが世代で違うと強く感じます。技術の向上で色に対する感性もめまぐるしく変化しています。一方で、日本の伝統色やファッショントレンドの再来など、歴史から学べる配色のヒントもあり、長年培われてきたものと近年の傾向を組み合わせ、講座内容も日々アップデートしています」

#chapter3

声を色に変換し、特性や適性を導く「ヴォイススキャン®︎」の活用も提案

 30年以上にわたり、色彩心理に関する研究を続けてきた桑野さん。現在、力を入れているのが、人の「声」を「色」に変換する「ヴォイススキャン®️」を取り入れた企業研修や個人向けのセッションです。

 「ヴォイススキャン®️とは、人の音声の周波数を分析する専用ソフトで、人の音声をわずか6秒間録音し、その音声の周波数から『色』として感じる光の波長に変換し、その方の特性を分析します。声にはご本人の感情や思考傾向などが現れますので、気づいていなかった自分自身を知ることもできます」

 また、得意分野や潜在能力など、個々の適性を導き出せるのが特長。この分析結果がチームビルディングにも役立つことから、特に企業での利用が進んでいます。
 「大手家電メーカーでは、人事配置の検討材料として導入していただきました。分析の結果を参考に組織を入れ替えたところ、『適材適所で個々のパフォーマンスが上がった』『離職率が大幅に低下した』といった、うれしいご報告をいただきました」

 従業員からは「これまで、見た目の印象などからリーダー的役割を求められて苦痛だったけど、向いていないことが可視化され、適正に基づいた配置転換をしてもらえた」などの声も。このことが自己肯定感を高めることにもつながり、労使双方に利点があると語ります。

 「私たちは情報の約80%以上を視覚から得ていると言われ、色の影響力は科学的に実証されています。適切に使えば商機が広がる可能性を多分に秘めています。さらには、ご自身のイメージアップも図れますので、“色はビジネスに活用できる”という概念が根づいていくように『色』の重要性を広く伝えていきたいですね」

(取材年月:2024年2月)

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桑野優子

色彩をビジネスに生かすカラープランニングのプロ

桑野優子プロ

カラープランナー

一般社団法人日本カラープランニング協会

単なる好みではなく色彩心理学・生理学をもとに理論的に裏付けられた科学的なカラープランニングを企業・団体等へご提案しています。また、個人向けスクールや企業研修を通じて当協会の認定資格も発行しています。

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