相続不動産の困りごとを解決に導く売買仲介のプロ山内淳

相続不動産の困りごとを解決に導く売買仲介のプロ

山内淳

住む予定のない実家など、相続不動産に関する困りごとにも柔軟に対応

　実家の相続でお悩みの方はぜひご相談ください」と話すのは、北九州市八幡西区折尾で土地建物の売買や賃貸物件の仲介を行う「石井地産商会」の代表・山内淳さん。

　近年依頼が増えているのが、相続物件の売却だとか。
　「北九州市は工業の発展とともに職を求めて他の地方から移り住んできた方も多いんです。そのご家族が進学や就職で北九州を離れ、実家に戻ってくる予定がない、または実家の管理をお願いできる身内も近隣にいない。どうしたらいいだろうかと、当方にご連絡をいただきます」

　山内さんは、ただ買い主を探すだけでなく、売り主の事情にも柔軟に対応しています。
　「数年先の法事が終わるまでは実家を残しておきたいという方、親が施設を利用しているけれど、寂しがるのでもう少し置いておきたいといった場合には、将来の売却を前提に、郵便受けの整理や草刈りなど、維持管理も請け負っています。ときには空き家と知られないよう配慮してほしいなど、細かなご要望もお受けしています」

　管理が行き届いていない状態のままだと、侵入や火災などの被害に遭う可能性もあり、ご近隣に迷惑をかけることも。警備会社に依頼するほどでもないといった場合も、相談してほしいと呼び掛けます。
　また、古くからの住宅地では、接道義務を果たしておらず、再建築不可で活用しづらく買い手がつかないという物件も少なくありません。

　「所有し続けても、固定資産税やメンテナンスで負担がかかるばかりです。補助金を受けて建物を解体し、隣接の方と交渉して土地を売却することで荷を下ろすこともできます」

建築やインテリア、不動産運用など幅広い知識で物件購入もアドバイス

　「石井というのは、母の旧姓なんですよ」と山内さん。母方の実家が1960年代に不動産業の礎を立ち上げ、「石井地産商会」として開業して50年以上の老舗です。20歳の頃に祖父に声を掛けられ、事業を手伝うようになりました。

　「経験を積むうちに、物件の仲介だけでなく、その後の暮らし方も含めてお客さまに提案できるようになりたいと思うようになりました。仕事の傍ら建築現場などにお邪魔して、施工や設備について実務も覚えました」

　さらに、空間を整えるインテリアコーディネートや不動産活用のコンサルティング、住宅の劣化状況や不具合の有無などを客観的に診断するホームインスペクションについても勉強。身に付けた幅広い知識をもとに、物件の購入を考えている人にアドバイスをしています。

　「お部屋の内装に迷っている方には、単に同じような色調とするより、ベースカラーにアクセントカラーを組合せたほうが素敵に見えますよとお伝えしたり、中古住宅のリフォームを不安視する方には、今後修繕が必要になりそうな箇所と費用の概算をお伝えしたり。不動産の運用では、建物の用途変更をすることで利益率を上げる方法もご案内しています」

　2019年に先代から会社を引き継いだ際、社名の変更も検討したそうですが、長年地域の人たちに親しまれてきた屋号を守っていくことに。「これからも、あなたに頼んでよかったと言ってもらえるような仕事をしていきたい」と力を込めます。

将来にわたって街の価値を維持できる不動産取引で、地域の活性化に貢献

　山内さんは仲介にあたる際、売る人も買う人も納得できる取引を心掛けています。

　「不動産を取引するときに、当初は高い値段を提示して、それからだんだん下げていくという手法が用いられます。その場合、売り主は最初の金額のイメージが残っているため、損をした気持ちになってしまいます。逆に、早く手放したいがためにあまりにも安い価格で売り出すと、その地域の価値を下げることにつながります。ですから、最初から適正な価格を設定し、ほとんど価格変動なしに取引が成立するのが売り主・買い主にとって理想だと考えています」

　過去の売買実例からのデータのみを分母数とした相場価格にも注意してほしいと言います。
　「今は、インターネットで簡単に相場を調べることができますが、あくまで数学的平均値に過ぎません。そのエリアの実情や、物件の状態を正確に把握できる不動産業者に一度ご相談することをお勧めします」

　空き家の増加やシャッターが下りたままの商店街など、地方都市の空洞化が問題となる中、地域の変遷を見てきた山内さん。将来にわたって価値のある街として残せるようにするのも、不動産業を営む者の役割と語ります。

　以前、古い家屋を紹介したケースでは、オーナーとなった人がワークショップ型のリノベーションを行いシェアハウスをスタート。多種多様な業種、職種の人が集まり、新たなコミュニティーが生まれているそうです。

　「売りたい人と買いたい人をつなぐことで、不動産に新たな命を吹き込み、地域の活性化に貢献したいですね」

（取材年月：2023年9月）

八幡西区に根差した老舗不動産が納得できる不動産売却をサポート

住む予定のない実家など、相続不動産に関する困りごとにも柔軟に対応

建築やインテリア、不動産運用など幅広い知識で物件購入もアドバイス

将来にわたって街の価値を維持できる不動産取引で、地域の活性化に貢献

専門家プロフィール

Other Interview