リクエストに応じた「楽しい食卓」を実現するケータリングのプロ宮腰直秀

リクエストに応じた「楽しい食卓」を実現するケータリングのプロ

宮腰直秀

少人数から1000人を超えるパーティーまで、着席や立食などリクエストに対応

　福井県坂井市の「FUN DINING」代表の宮腰直秀さんは、嶺北エリアを中心に、食事と食器などのテーブルウェアを届けるケータリングサービスを展開。カップルといった少人数から1000人を超える大規模な集いまで対応しています。

　「和食・洋食・中華からお選びいただけるほか、アレルギー食材を抜いたり、カロリーを控えたり、菜食主義用などリクエストもお伺いしています。お客さまのご要望や季節に応じたおいしい料理をご提供します」

　宮腰さんは「お客さまに満足してもらいたい」という思いから、事前に催しの趣旨やどんな人が参加するのかなどをヒアリング。人数や予算も踏まえてプランニングします。

　「お子さんが多い時はフライドポテトやチキン、大人が中心の場合はお酒に合うシーフードなど。着席であればボリューミーに、立食であれば気軽につまめるようにと、スタイルに合わせてご提案します」

　これまでに文化・福祉施設の「フェニックス・プラザ」や、多目的ホールの「サンドーム福井」で開かれたレセプションパーティーを手掛けた実績も。「ある国際会議が福井で開催された際、主催者の方は『世界各国のメニューでもてなしたい』とご希望でした。社内で検討し、12カ国の料理と各種ドリンクをそろえたところ、とても喜ばれました。『場の雰囲気が華やいだ』『予想以上の出来栄え』と言われるとうれしいですね」

　「レストランのようにディナーコースをお願いしたい」といった声を受け、目の前で調理する出張訪問や、会議や冠婚葬祭の席に向けた仕出し弁当の相談にも乗っています。

心を込めた料理を振る舞い「お客さまの期待に応える」をモットーに独立

　1978年に坂井市で生まれた宮腰さん。地元の高校を卒業後、パン職人を目指して大阪の調理師専門学校に入ります。実習などを重ねるうちに、さまざまな献立を作る料理人を志すようになり、卒業後はホテルや結婚式場でシェフとして働く他、飲食店の店長やエリアマネージャーを経験しました。

　「料理人としてレパートリーを増やすだけでなく、従業員の育成や店舗運営にも携わりました。マネジメントスキルを磨く機会に恵まれ、今の会社経営にも大いに生きています」

　二十余年のキャリアをもとに、2022年に「FUN DINING」をスタート。前職ではそれなりの立場に就いていましたが、会社の意向と自分の方向性にずれが生じる場面があったと言います。「食材を吟味したり、盛り付けを工夫したり、一品一品に心を込めてお客さまに振る舞いたいという思いが強くなり、独立を決意しました」

　開業したのはコロナ禍でしたが、中止されていたイベントが少しずつ再開され始めていたことに加え、いくつか顧客のあてがあったころから、特に不安はなかったという宮腰さん。堅調に売り上げを伸ばし、2023年には法人改組しました。

　会社を営むにあたって大切にしているのは、「もうけようとしてはいけない」という母の言葉です。「とにかくお客さまの期待に応えることに専念すれば信頼してもらえるようになります。母は編み物教室の先生をしており、私は母の姿を見ながら、商売の難しさ、お客さまとの接し方について学んだ気がします」

最大60人で利用できる宴会場もオープンし、デザートのケータリングにも注力

　「2023年12月には、最大60人を収容できる宴会場をオープンさせました。坂井市周辺には大人数で使える会場が少ないため、自分たちで用意することにしました。歓送迎会や同窓会などでご利用いただきたいですね」

　時流を捉える瞬発力と、柔軟な発想力でビジネスを切り開いていくベンチャー企業として、果敢にチャレンジしていきたいと意欲を見せる宮腰さん。今後、進めていきたいのが、デザート中心のケータリングです。

　「主に法人のお客さまがターゲットです。例えば従業員の方の誕生日会を開いたり、チームメンバーでプレゼン成功の慰労会をしたり、ちょっとしたお祝い事などでご用命いただきたいと考えています。地元の企業に向けてこれから積極的にアプローチしていきます」

　会合などの休憩時におすすめの宅配コーヒーも用意しており、お弁当との併用も多いとのこと。多彩なプランを実現していくにあたり、課題となってくるのは人材の確保です。

　「現在、約30人のスタッフが活躍していますが、多方面から引き合いがあり、都合がつかず断らざるを得ない案件もあります。より多くのお客さまのニーズに応えるため、そして新しいサービスを広げていくためにも採用に力を入れ、仲間を増やしていくつもりです」

　「FUN DINING」という社名の通り、楽しい食卓をかなえたいと語る宮腰さん。「見た目に美しく、おなかも心も満たされる食事で、これからもたくさんの人を笑顔にしていきたいですね」と力を込めます。

（取材年月：2024年3月）

嶺北エリアでケータリングや出張調理、仕出し弁当、宅配コーヒーサービスを提供

少人数から1000人を超えるパーティーまで、着席や立食などリクエストに対応

心を込めた料理を振る舞い「お客さまの期待に応える」をモットーに独立

最大60人で利用できる宴会場もオープンし、デザートのケータリングにも注力

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